グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~ 第3話
観客に笑顔になってもらいたい、という思いは、団員の皆が持っているものなのでしょう。瑞佳だけは(今は)別の理由で動いている感じですけれど、どうしたら観客に喜んでもらえるかは、心得ているようです。それに彼女だって、観客どころかパフォーマー達までが楽しそうにしているのを見て、何も感じないわけはないのでしょう。
テレビアニメ「グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~」、第3話「傷跡なんか、見せたくない」です。
公演の予定地を皇グループのシャイニーラベンダーに横取りされる形になったひまわりサーカス。カルミアの家の敷地を借りて何とかテントを開く事はできましたが、場所も近いし公演日程もかぶっているため、相手と比較されるのは必定。どうにかして見返してやりたい麻利亜は、瑞佳に作戦を立てさせます。
思ってもいない所で突然ひまわりサーカスと皇グループの競り合いが始まってますね。もしこの状況がもう少し前に起きていたら、桜翔の気持ちはとても揺らめいたのではないでしょうか。
瑞佳に出会うのがもう少し遅かったら、桜翔は皇七海からの誘いを受けていた、かも? 、、、でも、これまでの様子では、桜翔は何度も電話をしていて(相手は七海でしょうか)、そのたびに複雑な表情をしていました。その時の彼女は、迷っていた、という事なのでしょう。
皇グループのサーカスだったら、設備もきちんとしているだろうし、キャッチャー候補もたくさんいて、自分が思うように飛べる相手を、もしかしたら見つけられるかもしれない。これは、空中ブランコの乗り手としてはかなり魅力的な条件のように思えます。けれど、桜翔は迷っているのですよね。その条件と釣り合うか、またはそれ以上の何かが、ひまわりサーカスにはある、と彼女は考えていたのかもです。
そこへさらに瑞佳が現れた事で、彼女の気持ちは決まったのでしょう。この話数の中、七海と話している場面で、瑞佳に対する彼女の思いが語られています。相手と自分が一緒にいる事で開けるかもしれない可能性を、桜翔は予感しているようです。
でも、それだけなの、、、? というのは気になりますね。作中で、難しい空中技でも桜翔ならできる、と瑞佳から手を握られて言われた時、桜翔は(顔は見えていませんが)照れたような反応をしています。技量を認めてくれたのが嬉しいのか、それとも近いふれあいをしてくれてときめいたのか、気になる所です。
瑞佳の気持ちの方もどうなのでしょうね。ここでの彼女は、ひたすらに借金返済(ここまでで9千円ぐらいは返せた?)のために活動しているようにも見えます。
ひまわりサーカスにお客さんをたくさん呼び込む、そうしてシャイニーラベンダーを見返してやる、それが瑞佳のミッションになっています。下手な小細工なんてできないしするつもりもないでしょうから、彼女は正面から挑戦しているみたいです。
それはつまり、どうやってお客さんに楽しんでもらうかを考える事、なのですよね。ひまわりサーカスって面白い、わくわくする。今度友達を連れてまた見に行こう、そう思ってもらえる事が、一番のやり方だし、本当のサーカスの姿なのでしょう。
瑞佳がそのやり方を知っている、というのも重要ですね。サーカスにはできるだけ関わりたくない、自分はパフォーマンスをしない、そう考えてもいるしはっきり口に出している彼女ですけれど、どうやったらサーカスで皆を笑顔にできるか、には心当たりがあるようです。
サーカスは嫌いだけどお客の集め方はわかる、なんていうのはちょっと通用しないですよね。本当は彼女も、わくわくしたい、皆と一緒にときめきたい、そういう気持ちが、胸の奥にはあるのではないでしょうか。
その気持ち押し隠して目を背けなければならないほどの事情が、彼女にはあったのかもしれません。それが何なのかは今はあまりはっきりしていません。けれど、たとえどういう過去があったとしても、桜翔が手を差し伸べ、瑞佳がどこかへ消えて行ってしまわないようにしがみついてでも引き留め訴えかけていけば、瑞佳の凍り付いてしまった気持ちも、やわらいでいくのでは、という気もします。
そういった感じで、振り返って見れば、第1話、第2話、さらにはこの第3話でも、桜翔は瑞佳とペアを組んで空中ブランコができているのですよね。この調子で彼女達にはどんどん近づいていってもらいたいものです。
みたいな事もありつつ、ここでは雫とスヴェトラーナの関係もポイントですよね。何年か前には2人とも皇サーカスのメンバーだったらしく、イケメン女子な雫は他の女性団員達からモテモテだったみたいです。
それを眺めているスヴェトラーナはそりゃあもう怒って、、、かと思ったら普通にしている感じです。その理由は、雫の気持ちがいつでも自分にある、とわかっていたかららしいですね。
(ところで第1話では、瑞佳は雫の技量の低さを指摘しています。桜翔もそれに合わせて本当の力を出し切れていない、と。この時の瑞佳は、雫がけがの影響で元の力を出せていない所まで見抜けていたのでしょうか? 見抜いていたとしたら、けがをしない事までを含めて技量の内だ、という意味もあったのかもしれません。けれどけがはもう過去の出来事。傷ついた体でもどうにかして団を盛り上げなければならない、そういう気持ちが、雫には働いていたのかもです。その後、瑞佳が団に参加した事で、彼女は自分がとるべき一番の方法を見つけたのかもです。
雫は、お客さんの笑顔のためなら何だってできる、そういう気持ちを昔も今も持ち続けています。それがけがという結果につながっても、皇サーカスの方向性と違っていても。
、、、お客さんを喜ばせたい気持ちは、ひまわりサーカスの他の団員達だって皆持っているでしょう。その思いをお互いに確かめ合って、けがをしてでもなんて事は言わずに、支え合って強くなっていけると良いですね。)
彼女達がひまわりサーカスに移ってからも、その関係は変わっていないっぽいです。というか、雫だけがグループから除外されたはずなのに、スヴェトラーナも一緒に移籍したのですね。それほど彼女達の結びつきは強いのでしょう。
練習の合間でも、2人きりになればそこは彼女達だけの世界。語り合う口調はお互いに優しいものになりますし、ふと手を伸ばせばすぐに触れてくれるという、言葉さえいらないほどのコミュニケーションが、彼女達の間にはあるみたいです。この先自分達の周りで何が起きようとも、この関係は変わらない、彼女達は、相手も自分も同じように感じている事を確信している様子です。
それだけに、最後の場面での雫の言い方が、スヴェトラーナにはとても受け入れられなかったようで。彼女の表情(画面には描かれていませんけれど)は、桜翔や瑞佳にとっては体が硬直してしまうほどのものだったらしいです。
この場面で、桜翔が、雫とスヴェトラーナの関係性をどう思ったかが少し気になります。桜翔は2人とはそれなりに長く一緒にいるでしょうから、彼女達の間にある特別な親密さを、何となくでも察しているのでしょう。
そういう状況で今は、自分が瑞佳とペアを組みたくて彼女を自分の近くに引き留めようとしている。、、、それって、自分達が2人のような関係性になる事を意味している、みたいに想像したりはしないでしょうか。
まあ今は(まだ)そこまでではなさそうです。けれど、やがてはそういう部分まで意識していくようになるのでは、なんて期待してしまいます。
・「グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~」[レビューリスト]
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