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2026年6月 5日 (金)

上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花 第8話

 自分はいったいどうなりたいのか、それを意識しなければならなくなる雰囲気が、周りに漂っています。それを改めて考える時、実は答えが既に出ていたりはしないでしょうか。

 テレビアニメ「上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花」、第8話です。

 メンバーと一緒にバンドの練習に打ち込むあかね。ギターやドラムに的確に指示を出しますが、周りは皆乗り気ではない様子です。結局練習は早く終わってしまい、やえか、ぼたん、ジンランとの待ち合わせ場所に、彼女は1人で先に行く事になりました。

 かなでの出番が少ない、、、!? けれどこの話数は、彼女にとって重要な意味を持っているのかもですね。どういう風になっていくかは、これから描かれていくのではという気がします。

 前半では、あかねの周りでの出来事が描かれていきます。彼女はバンドの練習に打ち込んでいるのに、他のメンバーにはそこまでの熱いものはない様子です。
 そうなってしまうのは、本気度の差、なのかもしれません。けれど何というか、あかねが焦っているようにも見えてしまいます。

 彼女に届いているメッセージは、彼女が知っている人、知らない人、とにかくいろいろな所からのものみたいです。彼女が注目されているのは間違いなさそうではあるものの、彼女の反応を見ると、そのたくさんのメッセージが、彼女の進む道をまっすぐ示しているわけではなさそうな感じです。

 あかねは、自分が何になりたいのか、わからなくなっているのでしょうか。周りはどんどん変化していくのに、答えを出せずにいる自分に焦っている、とか。
 またはそれとはまた別の事を彼女は考えているかもという気もします。それは、実はもう自分の中で答えは出ていて、それを今やるべきなのかどうかで迷っている、みたいな。
 思っている事を実行すると、周りとの関係が変わってしまう。今の状態で入られなくなるのではないか、という部分で悩んでいる可能性もあったりするでしょうか。

 実際に彼女がどう思っているのかはわかりません。でも、彼女にとって変わらないものは、あるのだろうとも思えます。
 それは、やえか、、、。あかねは、この話数では特に、やえかに対して、わがままというか振り回すような振る舞いを見せています。もしこれを他の人にやったら、顔をしかめて迷惑がるぐらいで済めばいいですけど、つきあいを嫌がって引いて行ってしまう事も考えられそうです。

 やえかだって、こんな事をされたら、そりゃあ呆れたり怒ったりはするでしょう。けど、決して離れたりはしない、、、。
 それが、やえかの気持ちでもあり、あかねが頼りにしている部分でもあるのかもしれません。変わっていく世界の中で、変わらない存在がそばにいてくれるのは、今のあかねにとってはありがたい事なのかも。これは依存というよりは、自分を見守り支えてくれる相手の力をもらって、変わろうとしている途中の段階なのかなという気もします。あかねがうまく立ち上がり前へ進めるようになったその時にも、隣にやえかが寄り添えていたら素敵ですね。

(これは仮に、なのですけれど、あかねとやえかの間にある関係も、変わっていくのでしょうか(恋愛の方向、という意味で)? 第6話では、あかねが、本当に言い間違いだったのかそれとも本気だったのか、やえかが驚くような言葉をかけています。彼女達が本当にそうなるかどうかは、これからの物語なのかもしれません(アニメ版でそこまで描かれるのかはよくわかりませんけれど、、、)。)

 それと、この話数では、音楽がポイントになってますね。あかねのバンドが演奏している場面がある他、挿入歌として、オープニング曲「芽吹くとき」を担当されているyonigeの歌が3曲使われています。ややアンニュイな曲調が、あかね(それからぼたんも)の抱いているらしい気持ちとマッチしている感じです。

 そういえば、ここから2話後の第10話には、前にも少し書きましたように、あかねとやえかの新規エピソードが入るらしいですね。公式サイトの記事によると、原作コミックを描かれている塀さんの書き下ろしのシナリオがストーリーの中に一部使われるとか。音楽でも、志村正彦さんによる「茜色の夕日」という楽曲が使われるそうで、あかね(とやえか)にはぴったりかもです。

 さてこの話数のその後では、ジンランがぼたんを誘って2人きりで飲んでいます。ジンランは、少し問い詰めるような言い方になってますね。(第6話の時に少し気になっていたのですけれど、彼女はやはり「日本語勉強中!」なだけあって、頭の中で考えている言葉はスムーズなしゃべりになっているようです。)

 彼女が気にしているのは、ぼたんといぶきの関係、みたいです。それがどうして気になっているのかというと、かなでが関係しているっぽいですね。

 かなでは、第5話エンディングムービーでもその前でも、遠くからいぶき(だいたいいつもぼたんといる)を見守る場合が多くなっている感じがします。ジンランは、どうしてかなでがそうしているのか、どうして寂しそうな顔をしているのか、が気になったのでしょう。
 寮でかなで達と過ごす中で、彼女はやがて、かなでからいぶきへの思いに気づいていったのかなと思えます(そこまでになるいきさつは、アニメのエピソードになっている部分だけでなく、描かれていない所にもあったりするのでしょうね)。かなでは、いぶきと一緒にお酒を飲みたがっているだけではない、と。

 そうだとして、ジンランはどうしたかったのでしょうか。ぼたんがいぶきをどう思っているかを聞いて、かなでの思いと比べてみて、それで、、、。どちらかにいぶきをあきらめさせる権利なんて自分にはない、というのは彼女自身わかっていそうです。でも、何かをしないわけにはいかなかった、のかも。その行動を起こした原動力が、彼女の中にあるかなでへの気持ちだった、という事はないでしょうか。

 第6話のエンディングムービーでは、これまでと同じようにいぶきを遠くから眺めているかなでがいて、ジンランはそのかなでを遠くから見ています。もしかしたらこの時既にジンランは、恋心を巡る渦の中に、足を踏み入れてしまっていたのかもしれませんね。

 では、ぼたんの方はどうなのでしょう。ジンランにいろいろ聞かれた時、ああいう反応をしたのは、ジンランが思っていた理由とはちょっと別のものがあったからなのではとも思えます。
 ジンランと飲んだ後、ぼたんはいろいろ考えたのかなという気がします。自分の本当の思いはどこにあるのか、いぶきとはどうなりたいのか、、、。

 ぼたんといぶきが2人で出かけた時、いぶきはとても嬉しそうにしています。彼女としては、これまで1人でお酒を飲んでいたのが、ぼたんと一緒に飲めるようになり、お酒のうんちくを語ったり、落ち着いた気分で酔えるのを、楽しく感じているように思えます。
 その奥に、恋愛感情があるのかどうか。この部分については、彼女自身はまだ気づいていない、というか恋愛自体を(まだ)意識していない印象もありますね。(第4話では「縁結び」してたはずではありますけど、、、。)
 この辺りは、ぼたんの意識とは少し差が出てきている雰囲気もあります。その差が広がるのか縮まるのかは、これからの行動次第、なのでしょう。

 ぼたんが川に入っている場面が出てきます。これって、これまでに紹介されているティーザービジュアルコンセプトムービーに近いような? それだけこの場面は、ストーリー上重要という事なのかもしれません。

 この話数のエンディング映像では、第6話に続いてジンランのエピソードが描かれています。彼女が小さい頃の出来事から始まっているようですね。
 彼女には、年上らしい仲良しの女の子(姉とかいとことか?)がいます。その子は何かを求めて遠くへ旅立っていったみたいです。その後戻ってきた時には、見知らぬ女性を連れていて、、、。おそろいの指輪をしているのはどういう意味なのか、その時のジンランは気づいてしまっただけに、何か許せない、受け入れられない気持ちになってしまったようです。
 その女性は日本とかいう国から来たらしい、絵を描くのが得意らしい。何を聞かされても、ジンランにとっては面白くなかったのでしょう。

 でも、その女性と話していて、仲良しの子の話題になると、不思議と考えている事が近いのに気づいていきます。(この流れの演出で、最初にこの女性に会った時は顔が見えなかったのが、後になってだんだん表情(笑顔)が見えてくる、というのが素敵ですね。ジンランの心情が画面に表れている感じがします。)こういう交流があったから、彼女は日本へ行こうと思い立つようになったのでしょうね。
(ところで、仲良しの子が持っていた本(同人誌?)には「嵐 4.0」というタイトルがあります。途中の場面でジンランが読んでいた本の表紙には「夏限定妹」と書かれています。ジンランの名前は漢字では景嵐と書きますし、仲良しの子にとっては妹と言える存在なのでしょう。もしかしたらジンランは、彼女が思うよりもずっと、相手に思われているのではないでしょうか。)

 これまでで、エンディング映像の中では、寮生達の過去エピソードがいろいろ描かれてきました。第3話ではかなで、第4話ではあかね、第5話ではいぶき、第7話ではやえか、この第8話ではジンラン、、、。という事で、過去の姿が描かれていないのは、ぼたんだけ、なんですよね。彼女自身については、昔何かがあって、みたいな話題はあまり出ていないようです(大学に入るのに1年よけいにかかった、ぐらいでしょうか。それと、第3話での思い出話で、サマーキャンプの時に夜の雷が怖かった、というのもありますね)。あまり挫折とか悩みを抱えているようには見えない彼女ですが、過去には何かがあったのでしょうか。

・「上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花」[レビューリスト]

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