« 魔法の姉妹ルルットリリィ 第9話 | トップページ | 2026年7月からとその後のアニメ作品など »

2026年6月10日 (水)

上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花 第9話

 「伝えなくちゃ」、、、。この関係がどうなってしまうのかと思うと不安で仕方がない、けど、もう伝えずにはいられない。そういう気持ちが、彼女の、いえ、彼女達の胸の中には渦巻いているのでしょう。

 テレビアニメ「上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花」、第9話です。

 かなで、いぶき、ジンランの3人が集まり、いぶきの部屋で「宅飲み」を開催。こだわりのお酒を皆で持ち寄り、おつまみを食べながら、身の回りの話題で盛り上がります。いぶきは、ぼたん以外とも普通に飲めるようになったのを喜んでいましたが、それ以上に嬉しい事もあるようでした。

 いぶきは、最初は「1人飲み」で、第1話でぼたんと一緒に飲むようになり、それからしばらく飲みの相手はぼたんだけでした。第6話で、事情はあったもののジンランがいる所でお酒を飲み、今度はかなでとも飲もうとしています。
 第6話の時は、過去の記憶との間でとても苦しみながら、という状況でした。今度は、、、。まだ少し思い出してしまうものがあるようですけれど、かなり進歩しているのではと思われます。

 彼女も、本当は寮の皆と楽しくお酒が飲めたらいい、と、昔から感じていたのでしょう。その希望がだんだん叶っていっているのが、いぶきには嬉しいのでしょうね。
(嬉しすぎたからでしょうか、いぶきはぼたんとの飲みを話題に出しています。けどこれって、今目の前で一緒に飲んでいるかなでやジンランに対してちょっと失礼に当たりそうな? まあ2人なら許してくれるのでしょう。)

 少し複雑な気持ちになっているのは、かなでなのかなという気もします。第2話第5話では、彼女は、一緒に飲む事をいぶきからやんわりと断られています。実際の所は、別にいぶきはかなでとのつきあいを嫌がっているのではなく、過去の出来事からそうしているわけですけれど、かなでにしてみればその事情は見えていないのですよね。
 そこを乗り越えて、かなではいぶきと飲めるようになっています。じゃあそれでかなでの望んでいた事が全部実現したのかというと、、、たぶんそうじゃないはず、ですよね。一緒に飲めるようになるのは本当に第一歩で、その先には彼女がいぶきとやってみたいと思っていた事はいっぱいあったのではとも思えます。

 ですが、いぶきの思いは別の所にあるようで。彼女にとっては切ない状況になっているみたいです。
 そうなるとかなでが悲しみに沈んでしまい、寮の雰囲気も、物語としても暗い感じになっちゃうのでは、という心配も出てきたり、、、。けど、少なくともここでは、かなでは悲しみを感じつつも、その感情を周りに割とオープンにしています。彼女の中では、いぶきの思いの向かっている先が誰なのか気づく事の深刻さは、それほど大きくはないのでしょうか(あるいはそう見せかけて、実は胸の中では深い悲しみに包まれていたりするのでしょうか)。

 この宅飲みでは、ジンランの動きも気になりますね。かなでの事を知りたがったり、いぶきに対抗心を燃やすような様子を見せたり。
 ジンランがかなでに関わろうとしているのを、かなでは気づいているのでしょうか? というかジンラン本人も、自分がかなでに対して積極的になっているのをわかっているのかどうか、という点もどうなのでしょう。
 かなでとジンランは趣味が合いそうではあります。そういった点から、他の誰よりも仲良くなっていける可能性はありそうです。といっても、あちらじゃないからこちら、みたいに簡単に切り換えられるものではないでしょうし、この2人が近づいていく(蜂蜜のお酒の時にはジンランから近づいていっていますけど)ようになるには、もっとお互いを知る必要があるのかもしれません。

 この話数のエンディング映像では、かなでといぶきのエピソードが描かれています。彼女達が2人だけで自動車に乗っています。2人の服装からすると、第5話での出来事っぽいですね。2人だけで泊まりがけで温泉に行った時、第5話本編では描かれていないエピソードがここで見られる感じでしょうか。
 彼女達は、お互いに相手に対して同じ事をしようとしていたみたいです。けど、結果は少し別物になっています。そうなった理由は、彼女達それぞれの、相手に対する気持ちの差、なのでしょうか。

(そういうわけで、本編でもエンディング映像でも、あかねとやえかが出てこない、、、? たぶん、次の第10話では、いろいろな意味で彼女達がメインとなるエピソードが描かれるのでしょう。)

 さて後半は、ぼたんといぶき、2人きりのストーリーになっていますね。第7話で見に行ったプラネタリウムからのつながりで、2人で星を見に出かけているようです。
 星を見るのは当然夜、でしょうから泊まる場所も押さえてあります。その部屋(コテージ?)は、何だか広くて豪華で見張らしも良さそうです。大学生にとってはかなりお高いのでは、とも思えますが、お互いのために、2人とも奮発したのかもです。

 このエピソードでは、ぼたんの心情が細やかに描かれています。本作では自分の胸の奥にあるものをあまり表に出さない感じのあるミステリアスな(?)物腰の彼女ですけれど、不安な気持ちになる事だってやはりあるのでしょう。
 何しろ、女性同士でそういう関係になれるかどうか、という所ですから、いろいろ考えてしまうのでは。相手がどう思ってくれているのか知りたい、というのは気になる部分ではあります。

 いぶきがぼたんの前で見せる振る舞いや表情も、ぼたんを混乱させている気がしますね。前回第8話で屈託なく言っていたせりふを、彼女はここでも言っています。こう明るく繰り返されると、ぼたんとしては、不安になっている自分とは違う思いなのかと感じてしまいそうな気もしますね。
 でも実は、これはいぶきなりの信号だったりするのかも? 彼女は彼女なりに、必死にぼたんに合図を送っていた、とも考えられるでしょうか。

 何にしても、不安だったとしても、彼女達は相手に自分の気持ちを伝えなければならないのでしょう。そうしなければ始まるものも始まらない、、、。
(本作のオープニング曲、「芽吹くとき」には、「伝えなくちゃ」という歌詞があります。この場面でのぼたんといぶきは正にそういう気持ちだったのかもです。)

 その後どうなったのかは、、、描かれてはいます。けど、もう少し先まで描くか、あるいは雰囲気だけ描くかでも良かったようにも思えたり。実際の彼女達のふれあいは、この後見られたりするでしょうか。

 第8話での川での様子(前の記事ではティーザービジュアルやコンセプトムービーに近いような、と書きました)は、ここでもイメージとして登場しています。少しだけ前と変わっているのは、彼女達の変化を表しているのかもしれません。

・「上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花」[レビューリスト]

| |

« 魔法の姉妹ルルットリリィ 第9話 | トップページ | 2026年7月からとその後のアニメ作品など »

百合レビュー」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 魔法の姉妹ルルットリリィ 第9話 | トップページ | 2026年7月からとその後のアニメ作品など »