魔法の姉妹ルルットリリィ 第3話
風は別に、「アイドルになれる魔法」を使ったわけではないのですよね。けれど彼女(=リリィ)が持っている魅力は間違いなく、アイドルとしての彼女の夢や希望を、周りに届けたのではないでしょうか。塔子にも、観客にも、それに流にも、、、。
テレビアニメ「魔法の姉妹ルルットリリィ」、第3話「月をみあげたら」です。
渋野106で行われた駆け出しアイドルのためのイベント「SHIBU☆YEAHHH TEENS MEETING」で、初めてのステージに立ったリリィ。驚きとかわいらしさにあふれたパフォーマンスで観客を魅了した彼女は、イベントの後、帰ろうとした所を、感動した観客達に取り囲まれてしまいます。彼女は何とか逃げだそうと、魔法を使う事にします。
風の使う魔法って、うまくいく時といかない時がありますよね。うぐいすによれば「下手」だかららしいですけれど、その辺りどうなのでしょうか。
ここまでの感じだと何となく、風が自分のために魔法を使う時(第2話でぬいぐるみを手に入れようとした時とか)にはうまくいかなくて、皆のために使う時(第1話で夜空に不思議な花火を打ち上げた時とか)は成功している気がします。これから風もだんだん魔法が上手になっていくでしょうし、その時彼女がどういう願いを叶えようとするのか、結果として何が起きるのか、という部分もストーリー的に重要になってきそうな気がします。
リリィのステージを見て集まった観衆の中には、翔太と、その友達の久士もいました。2人とも、他の人達と同じようにリリィのステージを見てファンになってしまったようです。
この場面で少し気になるのが、翔太に対するリリィの反応だったり。笑顔でウィンクを見せたりしていて、他の観客に対してとはちょっと別になっている感じです。
この時リリィ(=風)の目から見えたのは、制服を着ていつもと変わらない見た目の翔太が、自分を見てかしこまっている姿、なのですよね。変身していない時には、相手は年上ぶったり忙しがって取り合ってくれなかったりだったのが、相手の方から話しかけてくる、というのは、風としては、自分を認めてもらえた、と感じた場面だったとも考えられそうです。なので、ちょっとした優越感がああいう振る舞いをさせた、のかも?
翔太の方は、「リリィのファン」になってしまったようですが、この後どうなっていくのでしょうか。風と流、リリィとルルの仲を引き裂くような事はしてもらいたくない所ですね。
ステージの後、リリィは塔子の芸能事務所へと行きます。それまで彼女が、芸能界とか事務所とかにどういうイメージを抱いていたのかはわかりませんけれど、ともかく「プロダクションわんすもあ」の事務所は、彼女が思っていた雰囲気ではなかったようです。
でも、このプロダクションに関わる人達、特にせながやって来た後には、何だか落ち着けたようで、塔子の事務所に居心地の良さを見つけ出しているみたいです。その理由は、せなと趣味が合いそうだから、というよりは、塔子とせなの関係性を素敵だと思えたからなのかも、という気がします。
きらきらした瞳で、自分の夢を熱く元気に語る塔子と、その姿を1歩後ろから見守りながら微笑むせな。彼女達はとても仲が良くて、自然に親密なふれあいをしている、、、。その2人の姿に、風は、自分と姉の流を重ねたのかもしれません。
塔子とせなのような関係が、あってもいいんだ、、、自分達よりもずっと年上の高校生になっても、こんな風にスキンシップをしてもいいんだ、という事を、風は意識したのではないでしょうか。姉に置いて行かれるのではと不安を抱くだけなのはもうやめて、自分も積極的に姉と触れあっていこう、と考えるようになったのかもです。
実際、塔子とせなはかなり仲良しな印象ですね。塔子がせなを事務所に引き入れたのは、せなにアイドルの素質を感じたから、というのもあるのでしょうけれど、せなとならうまくやれると確信した、のもあるのではないでしょうか。せなの方も、塔子の夢を応援したい、自分が役に立てるなら何でもしてあげたい、と思っていたのかもしれません。この2人の出会いやこれまでのふれあいについては、本作ではもしかしたら語られる事はないのかもですが、彼女達がお互い相手に向ける表情には、暖かで揺るぎない絆が感じられます。
(それと、事務所の場面で彼女達が着けているペンダントが。チェーンは別物ですけど、たぶんヘッドは同じ、、、?! そこにも、彼女達だけの思い出があるのでしょうね。)
さて後半は、流がメインとなっています。彼女は、リリィのデビューステージをネットで見かけたみたいですが、それが彼女の胸に感動と、変化を呼び起こしているようです。
リリィの映像を何度も見返すたびに、流の思いは強くなっていきます。初めてのステージで、こんなにも力強く、のびのびと歌える彼女を見ていると、自分の中であきらめかけていた気持ちを、揺り起こされる感じがしたのかも。
(本当は、リリィは流のために歌ったわけですけれど、さすがにそこまでは気づく事はできないでしょうね。魔法は「秘密」にしなきゃいけませんし、このステージに隠された意味が、流に伝わる可能性は低い?)
ここでちょっとしたポイントになるのが、あずきの存在でしょうか。この第3話ではずっと猫っぽく振る舞っていて、なぜしゃべらないんだろうと思っていたのですが、そういえば風以外には魔法の事は知らせない方が良さそうですよね。
、、、けれど、流には、最初に会った日に少しだけ語りかけていたようです。この辺りの流れが、魔法のストーリーらしくて何だか素敵です。、、、一度猫に戻っていたあずきが再び言葉を話し始める時、それは物語が大きく動き始める合図となるのでしょう。
魔法のために流が準備し始めた事は、、、。あずきも驚くぐらい奇妙なものでした。けど流としては、大まじめに取り組んでいるようです。
流って、形から入るタイプ、だったりするのでしょうか? というよりももしかしたら、魔法という、自分が今まで知らなかったものにも最大限の敬意を払って、その力を使わせてもらおうと考えている、とも言えそうでしょうか。
流の変身は、風とはまた別の麗しさがありますね。水の「流」れをイメージした感じでしょうか。シーケンスの最後の方では、目を伏せている場面が多く続きますが、その後に見せる表情は、彼女の元々の姿を表しているような気がします。
風は、皆に、というか流に追いつきたいという願いから、成長した姿に変身しています。流は、リリィみたいになりたいという願いから変身しました。彼女達は2人とも、お互いを思う気持ちから魔法を発動させている、とも言えそうです。魔法の事を誰にも内緒にしなきゃならない彼女達は、これからどうやって、お互いの気持ちに気づいていけるようになるのでしょうね。
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