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2026年5月15日 (金)

上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花 第5話

 いぶきは、自分が1人で飲むようになった理由を、少しだけ、ぼたんに打ち明けています。ぼたんとしては、今はそれで十分だと思ったかもし れません。目の前にいるいぶきの言葉と表情から、彼女の気持ちが感じられたから。

 テレビアニメ「上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花」、第5話です。

 ぼたんといぶきは、大学の外で待ち合わせ。いぶきが見つけたというバーへ、2人で向かいます。初見ではいかにも入りづらそうな構えのドア
を開けると、そこは落ち着いた空間。いぶきは、他に客がいないのを確認してから、カウンター席に座りました。

 ぼたんといぶきが2人でお酒を飲む機会は、だんだん増えてきているようですね。いぶきの行きつけのお店だけではなく、新しいお店の開拓もしている
みたいです。
 バーは初めてだというぼたんは、どういう服装で行ったらいいのかわからなかったっぽいです。想像だけから導き出した答えは、、、。まあ別に
場違いというわけでもないのでしょう。(その服装で着替えずに授業を受けるのは、、、大学生によくありそうな行動かもです。)

 彼女達は、2人だけでお酒を楽しんでいます。味わったり、話し合ったり、いつもの彼女達らしい雰囲気が漂っていますね。
 しゃっくりやげっぷが出てしまうのもご愛敬。だったはずなのですが、、、。

 思っていなかった状況になり、いぶきはうまく振る舞えなくなってしまったようです。何とか自分を落ち着かせたいと思えば思うほど、彼女が願うのとは別の方向に行っているみたいです。

 いぶきが、初めてのお店に行こうと思ったのには、何か訳があったのでしょう。ぼたんに今までとは違うお酒の楽しみ方を教えたかった(もしかしたらこの時より前に2人で話していて「バー」の話題が出たのかも)とか、ぼたんと飲むようになって「1人飲み」じゃない場所へ行っても自分はもう平気なのではと思えるようになった、とか。実際の所がどうなのかはわかりませんけれど、とにかく彼女は、新しい一歩を踏み出そうと考えたのかもしれません。
(これまでなら、第1話の時のように、広い野外で人目があまり届かない場所ぐらいだと飲む事ができたのかもですね。ここでは、客が増える夜になる前にバーに行こうとしていましたから、まだ人目は気になっていたのかなとも思われます。)
 けれど、何もかもが想定した通りに行くとは限らない、、、。いぶきは、彼女にとって厳しい経験をしてしまったようです。

 その後いぶきは、ぼたんと話している時に感情をあふれさせてしまいます。いろいろな思いが、彼女をそうさせてしまったのでしょうね。
 、、、彼女が、ぼたんの前でそうしたのはなぜなのでしょう。気持ちの重さがもう我慢できないほどになっていたのでしょうか、それとも、ぼたんならこの気持ちを受け止めてくれる、と思ったのでしょうか。
 いぶきとしては、後輩に迷惑をかけたくない、先輩としてちゃんとしていたい、みたいな気持ちはあったとも考えられそうです。そういう思いもあった上で、彼女は、自分がどういう経験をして今のようになっているのかを知っていてもらいたかったのでは。もしこれからも一緒にお酒を飲んでくれるのなら。
 これは一つの賭け、なのでしょう。ぼたんが受け入れてくれなければ、この暖かな関係は続けられない。それでも、いぶきは、隠し続けてうわべだけのつきあいをするより、自分が何を経験したのかを打ち明ける道を選んだのでしょうね。

 では、ぼたんは、どう感じたでしょうか。いぶきがその経験をしたのはかなり前の事だと(普段の他の寮生達の雰囲気などから)直感したかもしれません。なのに、今思い出しただけでこんなにも感情があふれてしまうのは、よほど強い記憶だったと思ったのではないでしょうか。
 その記憶にとらわれているらしいいぶきをどう思うか、、、。呆れたり嫌ったりなんて決してしないでしょう。できるものならすぐにでも包み込んでいやしてあげたいとまで感じているかも。
 けれど同時に、そこは自分が簡単に踏み込んでいい場所ではない、とも考えたのではないでしょうか。4月に寮に入り、いぶきと出会ってまだ半年もたっていない自分が、相手のナイーブな部分にずかずか入り込んでいく事なんてできない、と。(酔うと大胆になるぼたんでも、さすがにここでのいぶきにいろいろ言う事はできないのかも。)

 ぼたんは、いぶきの癖について、自分がどう思っているかを、短い言葉で伝えています。相手を傷つけないように近づきすぎず、でも相手に寄り添いたいという自分の気持ちを込めた、精一杯の言葉だったのでしょう。
 その言葉は、いぶきに届くのか、、、。そこは前半の最後の場面に描かれている所なのでは。

 後半は、かなでの気持ちの動きが描かれていきます。かなでも、(ぼたんよりも前から)いぶきと一緒にお酒が飲みたいと思っていたのですが、今の所うまくいっていません。
 そういう彼女のここでの行動は。ぼたんに対して、「自分-お酒-いぶき」の関係をちらちらうかがわせているようです。たぶん今の所1人だけ、いぶきとお酒が飲めているらしいぼたんに、何とかしてもらいたいという思いがあるのかも。
(かなでがいぶきとどうなりたいのか、については、単純ではなさそうな感じもありますね。第4話では、寮の皆で出かける時に、かなではやや無理矢理、あかねと運転を代わってもらっています。いぶきに憧れられたい? 自分をもっと見てほしいという気持ちもあるのでしょうか。)

 かなでの一生懸命さを感じ取ったぼたんがどうしたかというと、後押ししている感じがありますね。この話数の前半からの流れで見たら、ぼたんはいぶきから引いてかなでを推そうとしているような印象もありますけれどまあそういうわけではないのでしょう。
 ぼたんとしては、かなでといぶき、それぞれに対する応援の気持ちがあるのかもしれません。かなでに伝えたいのは、いぶきが彼女と一緒にお酒を飲みたがらないのが、かなでと距離を作りたいからではない、という事。いぶきに伝えたいのは、いぶきとお酒を飲みたがっている人、癖の事なんて全然気にしない人は自分の他にもいっぱいいる、という事。2人の思いを何となく意識できたぼたんは、2人に、尻込みしないできちんと話し合ってほしい、と思ったのかもです。

 その結果がどうなっていくのかについては、、、これからいろいろなエピソードの中で描かれていくでしょうか。かなでが何を願っているのか、その希望がどういう形になっていくのか、というのも注目のポイントになるのかも。

(最初のいぶきの夢の場面は、学校の廊下のような場所で、制服姿のいぶきの前を、同い年ぐらいの女の子が歩いている、というものです。この続きのようなイメージは、彼女がバーでぼたんとお酒を飲んでいる場面でも少し出てきています(時間軸的には学校とは別の場所かもですけれど)。このイメージは、いぶきが彼女のしゃっくりについて経験した出来事とは、直接結びつかなそうにも思えますけれど、どういう内容なのでしょうね。これから解き明かされる事はあるのでしょうか。)

 エンディング映像では、いぶきが寮に入るいきさつが描かれているようです。お酒の場でいぶきを見かけたかなでが、その後彼女を寮に誘ったようにも見えます。その後、やえかやあかねがやって来て、ぼたんが加わって、そうしている間に、かなでといぶきの関係も少しずつ変わっていった、のかも。それが、8ミリカメラの映像に収められているのでしょうか。というかオープニングの映像はこうして作られた?

・「上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花」[レビューリスト]

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