アサルトリリィ BOUQUET 第3話
梨璃と夢結、二人の周りで様々な事が起こり始めます。これは、彼女達の関係が特別だから、なのでしょうか。それとも、梨璃に隠された未知の力が、夢結を救おうとしているのでしょうか。本当の理由が何であったとしても、二人が一緒にいるだけで特別、なのではなく、彼女達がお互いを強く求め合い決してあきらめない気持ちで手を差し伸べ続けるからこそ、信じられないような出来事さえ可能にしてしまう、という関係だと思いたいですね。
テレビアニメ「アサルトリリィ BOUQUET」、第3話「ワスレナグサ」(FORGET-ME-NOT - True love, memories - [まつ毛の下に涙がたまる])です。
(本作の本放送はかなり前ですけれど、同時視聴の企画が行われている事もあり、書いてみたいと思います、、、。)
百合ヶ丘女学院の学生食堂で、とても嬉しそうにしている梨璃。手に持っている「シュッツエンゲル誓約書」には、夢結と梨璃の名前が書かれています。そう、彼女達はこれで正式に、「シュッツエンゲル(主語天使)とシルト(盾)」、姉妹の関係になったのです。けれど、夢結の硬い表情は変わりませんでした。
シュッツエンゲル制度って、姉妹2人の間だけのプライベートな関係(ちょっと別にはなりますけれどあの作品のような、、、)、というわけではなく、学院が認める公のものなのですね。、、、制度のあり方としては、先輩が後輩を生活面で指導するだけではなく、ヒュージとの戦いの訓練をする意味もあって、学院側もきちんと管理しなければならない、みたいな所もあるのかもしれません。第2話では百由が、「リリィは税金も投入される公の存在」とも言っていましたので、彼女達の行動、特に戦闘に関わる部分は、学院としてできるだけ把握しておく必要があったりするのでしょう。
(ところで、シュッツエンゲル誓約書に書かれていた夢結と梨璃の名前の欄に、彼女達のルーンがデザインされたはんこみたいなものが押してあったような。リリィになるとそういう物も支給されるのでしょうか?)
夢結は、シュッツエンゲルの制度に従って、なのでしょうか、梨璃にCHARMの扱いを指導しています(まあこの時のやり方は、周りから見ても「指導」と言えるようなヤワなものではない感じでしたけれど)。わざわざ自分のシルトにしておいて、梨璃に荒っぽい振る舞いをしてみせる夢結。彼女はいったいなぜこんな事をするのでしょうか。
そこには、第2話の最後の方で彼女が言っていた事が関係しているのでしょう。「姉妹」だなんて言葉に浮かれていたってろくな事にはならない、それを梨璃が思い知って、自分から遠ざかってくれればいい、夢結はそれを現実のものにしようとして、自分から憎まれるような対応をしているのかもです。
でもその割には、梨璃の乱れた身だしなみを整えようともしていますね。こういう所は、夢結の真面目さの表れとも考えられそうです。自分の評判なんてどうでもいいけれど、百合ヶ丘の生徒ならきちんとしていなければならない、といった、妙に筋を通そうとする所があるのでは。
(それと、「姉ならいつも妹を身ぎれいにさせておくべき」という考えも持っているようです。、、、これはもしかしたら、自分の姉の美鈴にいつも髪や服装を整えてもらっていたから、なのではないでしょうか? 夢結の中等部時代、美鈴が夢結の髪をといたりリボンを結んであげたりする、穏やかな時間があったのかなとと想像してしまいます。
(一方で、梨璃にニーハイをはかせたりする夢結の手つきがややぎこちないような? 今まで妹だった事はあっても、姉になったのは初めてですから、どうしたらいいのかよくわからなかったのかもですね。百合ヶ丘では、ある女生徒が妹になる時、同時に相手の上級生が姉になるのですよね。その2人にとって、姉になるのも妹になるのも初めてでしょうから、どちらも勝手がわからないのでは。姉だからといって、何でも知っていてそつなくこなせるわけではなく、妹と一緒に一歩ずつ姉として歩んでいく事になるのでしょう。))
梨璃には、2年前に出会った時の夢結と今の夢結が、まるで別人のように見えるのが、気になっている所でした。それがなぜなのかを知りたい、という理由だけでは、姉妹になりたいとまでは思わなかったのでは、という気がします。梨璃が夢結の妹になりたいと願い、それが叶ってとても嬉しく感じるのは、彼女が夢結本人に惹かれているから、なのではないでしょうか。
たとえ別人のようになっていても、冷たくあしらわれたり、不必要なまでに厳しく指導されたりしても、梨璃の気持ちは夢結から離れたりなどしません。それは、梨璃が見ているものが、夢結のそういう表面的な部分ではなく、もっと奥深くにある暖かな部分だから、と思えます。梨璃にはそういう、相手の本質を見抜ける力があるのかもですね。相手が夢結だからなおさら、深い部分を知りたいとも思うし知る事ができているのかなとも感じられます。
作中で、美鈴と夢結の関係が「運命」という言葉で表されています。エンディング曲「Edel Lilie」にも、「惹き合う運命(さだめ)」という歌詞がでてきますね。
では梨璃と夢結の関係も、同じように運命なのでしょうか。そうとも言えるのかもしれません、けれど、「運命だから一緒にいる」というだけだと、彼女達の意志、気持ちがうまく取り上げられていない気もします。彼女達は、ちゃんと自分の意志で、お互いを選んだのだと思いたいですね。この第3話までで、少なくとも梨璃は、自分の気持ちでもって夢結のそばに居続けようとしているように感じられます。夢結の方は、、、まだもう少しはっきりしていない気もしたりします。(たぶんですけれど、中等部時代の頃の夢結は、リリィとしての能力の高さや、美貌、物腰の柔らかさがあって、周りからかなり憧れられていたのでは、なんて推測してしまいます。任務の中で一般の人達を救った時に、女の子達から憧れのまなざしで見られる場合も多かったのかな、と。甲州撤退戦の時に助けた梨璃も、当時の夢結の中ではそんな女の子達の1人、みたいに見えていた、とか? 実際にどうなのかは、これからのエピソードでの梨璃に対する夢結の態度で見えてくるのかもしれません。)
この話数までで、別の記事に書いたような「リリィ同士がCHARMを向け合う」というモチーフに一つの区切りがついたような気がします。CHARMを挟んで向き合っていた梨璃と夢結、その状況が変わっていって生まれた関係が、これからたくさん登場するリリィ達の間にも様々な形で描かれていくのでは、とも思えます。
最後の方の場面で、梨璃と夢結が不思議な出来事を巻き起こします。これは、例えば梨璃だけが特別な力を持っていて夢結を救った、とかではなく、彼女達2人だからこそできた事なのだと思いたい所です。彼女達の特別な(百合な)関係が、他のリリィ達の間にもたっぷりと描かれていくと素敵ですね。
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