ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第3話
学生生活の中で見つけた、自分が打ち込める唯一のもの。自分の全力をぶつけて熱く燃え上がれるもの。、、、だったのに、という状況にせつ菜は置かれているようですね。それならどうすれば良いか、彼女は自分で答えを出しているみたいですけれど、それが彼女の求めているものなのかどうかは、、、彼女の表情を見ればわかるのでしょう。
テレビアニメ「ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」、第3話「大好きを叫ぶ」です。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のメンバー、優木せつ菜は、実は生徒会長の中川菜々だった。同好会のエマと彼方、しずくは、エマの親友の果林とともに生徒会室でせつ菜に詰め寄ります。なぜ同好会を背部にしたのか、彼方達はせつ菜に理由を説明してほしかったのですが、彼女は厳しい声で答えます。「優木せつ菜はもういない」、「スクールアイドルはやめた」、と。
菜々(せつ菜)は、真面目な努力家、自分に厳しく決まり事は忠実に守るタイプで、生徒会長の役目はとても合っていると言えそうです。でも融通が利かないわけではなく、周りの人達の気持ちをくみ取って、どうするのが一番いいのか考え、きちんと答えを出してさらに行動に移せる度量も持っているっぽいですね。そういう人柄だからこそ、生徒会の役員だけでなく生徒達皆から信頼され頼りにされているのでしょう。
では、その行動の中に、彼女自身の思いは反映されているのでしょうか? 確かに、生徒会を取り仕切ったり、生徒達の相談に乗ったりしているのは、彼女がそうしようと思って行動しているからこそではあります。けれど、彼女が求めているもの、菜々が、もしくはせつ菜が1人の女の子としてやりたい事は、彼女と普通につきあっているだけでは、なかなか見えてこないのかもしれません。
もしかしたら彼女は、周りの目をとても気にしてしまう性格なのかもですね。周りが喜んでくれるならそれでいい、自分の希望よりも他の人達の望みをつい優先してしまうのでは、という感じがします。
最初は、別にそれでかまわなかい、と彼女は考えていたのではないでしょうか。皆を笑顔にできるのなら、それが自分にとっても嬉しい事だと捉えていたのでは。
それがやがて変わるきっかけになったのが、スクールアイドルだった、とも考えられそうです。スクールアイドルの熱いパフォーマンスを見て、胸が震えるほどの興奮と感動を覚えて、自分がなりたいものはこれだ、と確信したのかなという気がします。
菜々が、「優木せつ菜」と名乗り身分を隠して活動していたというのは、一つのポイントのように思えます。彼女がスクールアイドルになりたいと思ったのは、もしかしたら、既にニジガクに入学していて、生徒会の活動を始めていた時期だったのかも。もしこれが、入学前だったり、生徒会に入る前だったら、彼女は誰の目をはばかる事もなく、中川菜々としてスクールアイドルになっていたのかな、とも感じます。高校デビューと同時にステージデビュー、なんて事もできていたのでは。
ですが実際にはそうなりませんでした。菜々は、自分に求められている責任を果たすため、周りが期待している「中川菜々」を崩さないため、「優木せつ菜」というもう1人の自分を作り出して、それを両立させようとしたのではないでしょうか。
果たしてそれは、うまくいっているように見えました。生徒達は誰も、同好会のメンバーでさえ、菜々がだとは気づきませんでした。菜々は、皆のために正しく冷静に生徒会を運営しながら、自分のハートの中で爆発しそうな思いをパフォーマンスに乗せて、せつ菜というスクールアイドルの熱いステージを実現させようとしたのでしょう。
ところが、、、という事があって、彼女はスクールアイドルから遠ざかろうとします。これは、周りから見ると極端な行動のように見えるかもしれません。でも彼女としては、自分がしでかした事はそれぐらいでしか償えない、と考えているのでしょう。
(それが彼女にとって仕方のない事、受け入れられる事なのかどうかは、彼女が自分の部屋にいる場面で見せた表情が物語っている気がします。)
そういう彼女の考え方は、もしかしたら過去の経験が影響しているのかも、とも思えます。元々は、自分のやりたい事をのびのびとやりたい気持ちが、彼女にはあったのではないかという気がします。それは、誰もが普通に抱く考えだと思いますが、自分の望んでいた事が誰かを傷つけてしまった(もしくは傷つけたと自分が感じた)経験があったのかも。それが一つのきっかけになって、彼女は自分の希望を胸の中に閉じ込めて、周りの人のために行動するようになった、とか。
実際にそうなのかどうかはわかりません。けれど、少なくとも菜々にとって、せつ菜になっている間は、すべてのしがらみから解放されて、自分の熱意を発揮できる貴重な時間だったのでは。
同じスクールアイドルを目指す同好会の皆なら、この気持ちを正面から受け止めてくれるはず、、、でしたが、彼女達の間で行き違いが。その時菜々は、またやってしまった、と思ったのかもしれません。
もしもここで、せつ菜が封印され、同好会が彼女抜きで活動を再開したら、どうなっていたでしょう。菜々も、エマも、彼方も、かすみも、しずくも、歩夢や侑も、一緒の気持ちを抱く事になるのではないでしょうか。皆それでいいと思えるのかどうか、思えないのならどうすべきなのか、が問いかけられていく所ですね。
、、、という流れの中で、百合な部分はというと、やはり侑の行動とその影響に注目、でしょうか。彼女が自覚しているのかどうかがとても気になりますが、彼女の言葉や振る舞いに、せつ菜はもう振り回されっぱなしという感じです。
せつ菜はこれまでスクールアイドルとして活動してきているでしょうから、彼女のファンから愛のこもった言葉をかけてもらう事も少なくないと思われます。なのに、侑に言われると、顔を真っ赤にして反応してしまっています。これは、せつ菜が侑にそれだけの魅力を感じているから? 女の子同士の恋愛関係に発展しそうな雰囲気はありますよね。
でもそうなると、第1話で歩夢と、第2話でかすみと、それぞれいい感じになっていた侑の百合ハーレム状態? 侑本人はあまり深く考えずに行動している様子ですけれど、そのナチュラルな距離感の近さが、女の子達をその気にさせまくってしまっているような。侑自身にももっと百合な自覚(?)を持って恋愛関係を築いていってもらいたい所ですがその辺りはどうなるでしょうか。
というかこの状態で同好会の活動を始めると、同好会の内部で歩夢、かすみ、せつ菜のラブバトルになってしまう可能性が? この話数ではかすみが、第2話では歩夢が焼き餅焼き的な行動を見せていましたし、この後彼女達がどういう風にお互いと向き合っていくのかが気になる所です。
できれば、同好会の中でも外でもあちこちで、穏やかな愛らしい百合エピソードが描かれていくと良いですね。カップルになってくれそうな組み合わせはいろいろある気がします。
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