スーパーカブ 第１話

　少しずつ広がりを見せていく小熊の世界。彼女がそれをどう感じているかは、後半の彼女の表情を見ればわかるのでしょう。

　テレビ放送が始まったアニメ「スーパーカブ」を見てみました。第１話のサブタイトルは「ないないの女の子」です。

　家族もなくお金もなく、友達らしい友達もいない高校生の女の子、小熊。学校へは自転車で通っているのですが、途中から続く上り坂が彼女には険しくて、いつもへとへとになってしまいます。バイク通学している他の生徒がうらやましくなって、彼女はついにバイクを買おうと決意。したのは良いのですが、バイク店に行ってみると、新車はどれも目が飛び出るような値段で、とても買えそうにありませんでした。

　小熊は、アパートでは一人暮らしをしていて、学校でも特に仲良しの誰かがいるわけでもなく、だいたいは１人で過ごしているようです。クラスメイト達も、最初は彼女とコミュニケーションをとろうとしたのかもしれませんが、もしかしたら例えば、小熊は１人でいる方が過ごしやすいんじゃないか、みたいに考えて、彼女の事をそっとしておこうと考えるようになった、みたいないきさつがあったのでしょうか。
　小熊の振る舞いを見ていると、自分の今の状況を何とか変えたい、とまでは思っていない雰囲気です。自分には何もないと感じてはいるものの、それが自分の生き方なのだろう、と思っていたりするのかも？

（それにしても彼女は食事はだいたい毎食レトルトや冷凍食品で済ませているようで、けっこう食費が高くついているのではという気もしますね。アルバイトとかもしていないっぽいですし、実は意外とお金を持っていたり、、、なんて事はないでしょうか。
　ところで、自転車通学が大変でバイクに乗ろうと思い立つ、という流れだとつい別作品を思い出してしまいます、、、。けれどまあ特に関係はないですよね。）

　バイクに興味を持ち始めた彼女は、これまで知らなかったいろいろな事を経験していくようです。時には大変な出来事もありますが、それさえも新鮮で、大切な思い出に変わっていくのかもしれません。
　今までは自分の相手は自分だけでしたが、「スーパーカブ」という相棒(?)ができた事で、何か張り合いのようなものが彼女の中に生まれたのではないでしょうか。通学が楽になる、だけではないものを、彼女は手に入れたのでしょう。

　という感じなのですが、この第１話では他の女の子との出会いが、見られません、、、。バイクを通して出会うかけがえのない女の子達との大切なふれあいを、これから麗しく描いていってもらいたいですね。（そこに百合テイストがあると良いのですけれど、どうなるでしょうか。）