BLUE REFLECTION RAY/澪 第１話

　誰もが少しずつ成長していって、自分の本当の気持ちを隠すのも上手になっていく。その過程のまっただ中で出会った陽桜莉と瑠夏も、お互いの気持ちの深い所を理解し合わずに過ごしていくのでしょうか。、、、それとも？
　それと、本作ではいろいろな姉妹関係が描かれていくようです。「姉妹」がキーワードになっていたりするのかも。

　テレビ放送が始まったアニメ「BLUE REFLECTION RAY/澪」（ブルーリフレクション レイ）を見てみました。第１話のサブタイトルは「消えない光」です。

　月ノ宮女子高等学校に時季外れの転校生がやって来ます。彼女の名前は羽成瑠夏（はなりるか）。彼女は人付き合いの仕方がよくわからず、しかも転校したてのためクラスになかなかなじめません。この状況を何とかしたくて１人もがいている時、彼女は同じクラスの平原陽桜莉（ひらはらひおり）に出会います。明るく前向きで友達も多い陽桜莉は、実は学校の寮でも瑠夏のルームメイトでした。

　小学生や中学生の頃だと、自分の気持ちの制御がうまくできず、むき出しの感情を相手にぶつけたり、逆に相手のちょっとした言葉で傷ついたり、という事もありそうです。それが高校生ぐらいになると、だんだん社会的な考え方が身についてきて、相手との距離感をつかもうとしたり、自分の気持ち抑えてスムーズなやりとりを心がけるようになったり、その中で相手と親しくなる方法を探せるようになっていく気がします。

　瑠夏もたぶんそういう経験をしている最中なのかも、と思えます。彼女自身、自分が人前でうまく振る舞えていない事をわかっていて、それをどうにかしたいとも考えているようです。
　たとえ今は上手に話せなくても、努力を続けていれば、クラスメイト達と仲良くしたいという彼女の思いは、皆に伝わっていくのではないかなと感じられます。特に、陽桜莉のようにうまく距離を縮めてくれる人がそばにいれば、意外と早く皆と打ち解けられるようになるのではないでしょうか。

　でも、その時少し注意が必要になりそうかも。陽桜莉の朗らかさに頼り切ってしまうと、大事なものを見落としてしまうのではないか、という気がします。
　いくら明るくて皆を引っ張っていってくれそうに見えても、陽桜莉だって同い年の女の子です。彼女の胸の中にも、様々な気持ちが隠されているはず。その気持ちそのものを知る事ができなくても、陽桜莉にそういう思いがあると意識して尊重する事が大切になってくるのかなと思えます。瑠夏にはそこを間違えずに、いえ、たとえ間違えたとしても、その後きちんと陽桜莉を受け入れて、彼女と寄り添い合えるようになれると良いですね。

　そういう思春期の、陽桜莉と瑠夏だけでなくたくさんの女の子達の気持ちがどんな風に交わっていくのかが、本作のテーマなのかもしれません。リフレクター、フラグメント、原種、、、様々なものが、彼女達の思いにつながっているのでは。（異世界の虹色に輝く風景や、アールヌーヴォーの宝飾のようなトンボや蝶々のモチーフとかも、きらめく気持ちの反射＝リフレクションを表しているのかもです。）

　本作が、原作に当たるゲーム版「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」とどうつながっているのかも気になる所です。放送前の段階では、以前別の記事に書いたように、舞台になる学校の名前が近かったりとか、ゲーム版の主人公の白井日菜子（しらいひなこ）と陽桜莉の見た目がちょっと似てる？　など雰囲気的なものは重なっているかな、ぐらいの感じでした。
　けれどこの第１話では、ゲーム版に登場する司城夕月（しじょうゆづき）と司城来夢（しじょうらいむ）の姉妹がばっちりせりふ付きで登場してますね。世界観はかなり近い所にあるのかも。

　姉妹といえば、アニメ版ではこの関係も重要になってきそうな雰囲気です。陽桜莉には平原美弦（ひらはらみお）という姉がいるそうです。彼女達の父親は既に亡く、母親も行方不明で、２人にとってはお互いがかけがえのない家族になっているみたいです。
　でも、美弦は聖イネス学園に通っていて、陽桜莉とは別々に暮らしているようです。しかも彼女は、同じ学園の中等部にいる水崎紫乃（みずさきしの）から「お姉ちゃん」と呼ばれているのだとか。なぜ彼女達がこういう関係になったのかなど、謎はたくさんありそうですね。

　そういう部分もありつつ、やはり一番気になるのは、百合的にどうなるか、だったりします。陽桜莉と瑠夏の出会いの場面は印象的ですし、その後も（寮のルームメイトだからというだけではなく）彼女達は一緒にいる時間がかなり長い感じがします。

　そこが百合につながっていくのか、というとまだよくわからないかもです。出会った瞬間にお互い惹かれ合い、相手が気になって仕方がない、、、みたいな所までは（少なくともこの第１話では）いっていないように見えます。
　今紹介されているPVなどでは、２人が一緒に技を繰り出したりする場面も見られます。彼女達には是非、ともに戦う仲間としてだけではなく、恋する気持ちを分かち合う関係になっていってもらいたいものです。