トロピカル～ジュ！ プリキュア 第１話

　まるで夏の陽差しのように、まっすぐに、全力全開で突き進むまなつ。彼女がやって来た都会のあおぞら市には、珍しくておしゃれなものがたくさんあり、目を奪われっぱなしです。今の彼女は、憧れの都会のきらめきを受け止めるのに精一杯な様子です、けれど、やがて彼女はここで、自分の命に代えてでも救いたいと思う「大事な事」の存在に気づいていくのでしょう。

　テレビ放送が始まったアニメ「トロピカル～ジュ！ プリキュア」を見てみました。第１話のサブタイトルは、「トロピカれ！ やる気全開！ キュアサマー！」です。

　南乃島で暮らしていた中１の女の子、夏海まなつ（なつうみまなつ）は、母親の勤め先のあおぞら水族館があるあおぞら市へと引っ越してきました。南乃島とは大違いの大都会に目を輝かせながら、彼女は街のあちこちを散歩します。やがて海岸の岩場で一休みしていると、海の中に人影が。よく見るとそれは人ではなく、何と人魚でした。同い年ぐらいに見える彼女の名前は、ローラ。まなつはローラとの出会いに感激しますが、ローラには別に気になる事があるようです。

　まなつは元気いっぱいな女の子らしく、ローラとの「運命の出会い」に鼻息も荒く興奮しています。まなつはあおぞら市の都会なたたずまいにも感動していますし、いろいろな事に興味がわいてきちゃう性格なのかもですね。
　キュアサマーに変身した後も、力強い技を繰り出していますね。アイテムを使った攻撃をしてはいるものの、使い方には気合いが入っていて、力で押している感じです。サマーは、キュアブラックにも通じるパワータイプのプリキュアになるのかもしれません。

（けど力で押しそうな割には、「Pretty Holic」というお店にいた涼村さんご（すずむらさんご）と目が合った時、まなつは決まりが悪そうに笑いを浮かべながらその場から離れていました。実は人見知りするタイプ、なのでしょうか（ローラは人魚だから緊張しなかった、とか）？　それとも、おしゃれなさんごと自分を比べて引け目を感じてしまったのでしょうか。この後さんごはプリキュアの仲間になるようですから、その時に何かわかるかもです。）

　ローラ（フルネームは「ローラ・アポロドーロス・ヒュギーヌス・ラメール」というらしいです）は、海の中の国、「グランオーシャン」からやって来た人魚の女の子です。自分はグランオーシャンの次期女王になるんだという野望(?)を持った、上昇志向の持ち主らしいです。
　でも今は、国の住人達は「あとまわしの魔女」とその軍勢によってほとんどが生きる希望を失ってしまっています。その事実を突きつけられて胸が痛まないはずはないと思うのですが、彼女はどんな気持ちになっているのでしょう。強がったりせず、悲しみや苦しさをまなつと分け合って、愛と希望を育てていってもらいたいように思います。

　人魚の女王に頼まれ、「伝説の戦士プリキュア」になる人間を探しに地上へとやって来たローラは、海辺にあるあおぞら市の水路を伝って、街のあちこちに出没しています。そうして候補になりそうな人間を見つけようとしていますが、簡単には見つからないようです。

　彼女が人間を見る目つきは、どこかちょっとさめている風にも感じられます。まなつと話している時も、人魚を初めて見たまなつの驚きと感動に比べて、ローラの方は何だかちょっとおすまししています。人魚の存在を知らなかったまなつとは違い、ローラは、地上に人間が住んでいる事は知っているっぽいですね。
　その上で、彼女はどこか人間を見下しているような様子でもあります。人間を下等な存在と思っているのか、または人魚（というか自分）を高貴な存在だと見なしているのでしょうか。そういう考えを持つようになる理由とかもありそうですけれど、そういう部分はエピソードとして描かれていく？　人魚と人間が本当に打ち解けられるようになる象徴としても、ローラとまなつの２人の関係が、より深まっていくようになると良いかもです。

　まあ少なくともまなつの方は、ローラのかわいらしさをもてはやしまくっています。見た目や物腰だけでなく、名前についてまで、「長くてきれい」と言ってうっとりしています。人魚という今まで出会った事のない種族だから珍しがっている、なんてもんじゃないほど入れ込んでいるような。まなつとしては、ローラと仲良くなる気満々なのでは。

（そういえば、「スター☆トゥインクルプリキュア」の星奈ひかる（ほしなひかる＝キュアスター）は、UFOやUMAなど不思議なものが大好きですよね。彼女がローラを見たら、まなつ以上に飛びついちゃうかも？）

　ローラの方はというと、最初はまなつを「人間」呼ばわりしています。まなつからちやほやされるとまんざらでもない様子ではあるものの、それでも自分はまなつより格が上だみたいに感じている雰囲気でした。
　けれど、出会ったばかりのローラをピンチから救うため、脇目も振らずに危険へと飛び込んでいく彼女の姿を見て、ローラは気持ちを動かされたのではないでしょうか。少しずつでも、まなつとローラが寄り添い合えるようになると素敵ですね。

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