おちこぼれフルーツタルト 第１話

　タルト生地の上にこぼれそうなほどたくさん盛られたフルーツは、色とりどりで味わいも個性的。一見ちぐはぐに感じられても、一緒になって力を合わせれば、何倍ものおいしさを発揮する。衣乃達はそういう関係になれるのかもしれませんね。そこには百合なテイストもたくさん見られるようです。

　テレビ放送が始まったアニメ「おちこぼれフルーツタルト」を見てみました。第１話のサブタイトルは、「いってきますヒガコ！」です。

　アイドルになるために岡山から上京してきた高１の女の子、桜衣乃（さくらいの）。所属事務所「ラットプロ」のマネージャー、梶野穂歩に案内されてたどり着いたのは、事務所の第４寮、通称「ネズミ荘」でした。「東京」と言ったらめくるめく大都会で、ファッションやカルチャーなど様々な最新情報の発信基地、と憧れていたものの、寮の近所には目立ったビルが建っているわけでもなく、道ばたには岡山と同じような野菜の無人販売所が設置されています。ここは本当に東京なの？　と若干不安になりながら、彼女は寮にいる先輩達に引き合わせられました。関野ロコ（せきのろこ）は女優を目指す元子役、貫井はゆ（ぬくいはゆ）はミュージシャン、前原仁菜（まえはらにな）はファッションモデル、なのですが、全員があまり売れていない芸能人なのでした。

　ネズミ荘があるのは東小金井という設定だそうで、作中には実在の場面も出てきます。登場人物の名字は、東小金井市の町の名前からとられているらしいです。
　実際の東小金井市は本作とコラボ企画を行っているみたいです。衣乃達が暮らす舞台を見に行ってみるのも楽しそうですね。
（第１話のサブタイトルに出てくる「ヒガコ」って、「東小金井」の事だったんですね。最初聞いた時は、人の名前かと思ってしまいました、、、。）

（ちなみに衣乃の出身地の岡山の風景も最初に描かれていますね。岡山の駅前に桃太郎の像があったりするようです。、、、「岡山」と「アイドル」というと、つい別の作品を思い出してしまいます（あちらもコミックが原作でアニメ化されています）。あちらの作中にも、桃太郎の像が出てきたりしています。比べてみるのも面白いかも？
（それから、岡山を舞台にした百合コミックといえば、「神絵師JKとOL腐女子」もありますね。岡山と百合は相性が良い、とか。））

　ネズミ荘が取り壊されるかもしれないピンチを抜け出すために、衣乃達に与えられた使命は、アイドルユニット「フルーツタルト」としてデビューし、「売れる」事でした。早速穂歩がレギュラー番組をとってきてくれましたが、短い時間枠な上に予算が少ないのか撮影スタッフはなし、代わりに穂歩が手持ちのビデオカメラ１台で衣乃達の生活に密着した場面を撮影していくスタイルになっています。

　でも、時間が短いと言っても人気番組の間の枠だそうですから、実はけっこう良い時間帯なのではないでしょうか。それに、デビューしてすぐにおそろいのステージ衣装が用意されていたほどなので、予算も意外にあるのでは？

　寮が取り壊されるかもしれない、と穂歩が怖い事を言ったのは、本当はロコ達をたきつける意味があったのかなという気もします。それぞれが、他の人にはない才能や特徴を持っているのに、ちょっとしたコンプレックスで尻込みしてしまっているのはもったいない、みたいに事務所側が考えたから、なのかもしれません。
　殻を破って飛び出せば、成功への道も開ける。その導き役として、衣乃はネズミ荘に連れてこられたのでは、とも思えます。４人で（後でもう１人増えるみたいです）力を合わせれば、できない事はないのではないでしょうか。

　さて百合的には、、、いろいろな関係がありそうですね。登場人物紹介のページにもあるように、衣乃は女の子が大好きらしいです。ロコが昔CMキャラクターをつとめていたのも知っていて、本人に会えた事でとても喜んで（興奮して？）います。そのロコは、衣乃よりも学年が上なので大人っぽく振る舞おうとしますがなかなかうまくいかず、つい幼なじみの仁菜に甘えたりするようです。
　それからこの第１話には登場していませんけれど、衣乃に強い憧れを抱く緑へもや、ロコの妹でライバルユニット「クリームあんみつ」のリーダーのチコ、彼女と同じユニットの双子の中町ぬあとるあなど、個性的で女の子好きな女の子がたくさん出てきます。ギャグな笑いに包まれた百合な展開が見られるでしょうか。

　それと、お色気も多めになる？　衣乃達の中では仁菜がお色気担当にされてしまっている感じですけれど、エンディングの映像などでは、他の子達もしどけない姿を見せたりしています。それが百合度を高めていく要素になるのかどうかは気になります。