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2020年8月18日 (火)

アズールレーン 第6話

 テレビアニメ「アズールレーン」、第6話「【羈絆】絆を繋ぐ、心を縛る」です。

 メイド隊のシェフィールドとエディンバラが持ち帰ったケースを調べると、中にはメンタルキューブが入っていました、が、色は黒く、通常のものとは全く違っていました。重桜の赤城はこれを、セイレーンのオブザーバーから受け取っていたらしいのです。もしそれが本当なら、重桜はセイレーンにだまされている、そう考えたアズールレーンのメンバーは、事態の打開を図ろうとします。

 今までのエンタープライズは、生きるために最低限必要な栄養だけをとり、戦う事さえできればメンテナンスなんてどうでもいい、という考え方で過ごしてきたようです。それがこの頃は、朝もきっちり起き、ちゃんとした食事をするようになったようですね(寝る時に着替えたりとかはしてないみたいですけれど)。

 こんな風になれたのは、ベルファストが彼女のお世話を始めてから、ですよね。ベルファストは、メイドとしてエンタープライズに仕え、朝は決まった時間に彼女を起こし、いつもそばにいて話し相手になり、時には戒めの言葉をかける場合もありますが、あまり出しゃばらず、静かに役目をこなしています。

 メイドといっても、何でも言う事を聞くだけの存在だったら、エンタープライズの生活はここまで変わらなかったでしょう。彼女が自分を省みない戦い方をするのをやめさせ、アズールレーンの戦力として今よりもっと活躍できるようにするのがベルファストの(もしくは彼女を差し向けたロイヤル側の)狙いなのだとしたら、それはとてもうまくいっているように見えます。

 でも、それだけなのでしょうか。ベルファスト自身は、エンタープライズに対してそれ以上の気持ちはないのでしょうか。
 鋼鉄の艨艟(もうどう)として、同じように生命を与えられた存在である彼女達は、戦うという使命も、戦うために生き続けるという定めも、同じものを背負っているのではと思われます。なのに自分の都合よりもエンタープライズを優先させる(第5話でメイド隊の仲間がピンチに陥っていても、ベルファストはそちらに対しては何もしていません)のはなぜなのかが少し気になります。
 ベルファストが何か思いを隠しているのなら、これからのエピソードでその部分が明らかになる事はあるでしょうか。そこに百合な何かがあると面白そうですけれど、どうでしょうね。

 このエピソードでは、アズールレーンの前線基地の様子や、レッドアクシズの一員である重桜の暮らしの様子が描かれています。こうしてみるとどちらも似ていて、穏やかな空気が流れ、小さな船達も安心して暮らせているようです。

 また、姉妹の関係についても、同じであるように感じられます。姉は妹を優しく見守り、妹は姉を信頼し、できるだけ一緒にいて、仲良く過ごしています。

 こんなにも近しくて、同じように愛にあふれた世界。なのに、なぜ2つの陣営は戦い合わなければならないのでしょうか。この疑問はたぶん、戦いに関わっている艦船のすべてが抱いている疑問なのではと思われます。
 相手が攻撃してきたから応戦した、というのは言い訳でしかない、はずです。ところがそれは、戦うために作られた彼女達にとっては、ある意味正しい反応とも言えそうです。どちらをとれば良いのかがわからない、それが彼女達すべての胸の中にあるわだかまりなのかも。

 ベルファストは、以前も言っていたように、いえ、さらに断定的な言葉で、自分達を「ヒト」だとしています。人である、という事が何を意味するのかも気になりますけれど、彼女達が人として生きていくためには何が求められるのか、また人になった時に彼女達は何を手に入れられるのか、何を失うのか、という所も気がかりです。ベルファストからの「命題」とも言えそうなこの言葉について、このアニメシリーズの中で、その答えは出されるのでしょうか。

 本作のこれまでの話数では、本当の人間(?)は姿を見せていないようです。基地に集結するのも、海へ乗り出すのも、戦いを繰り広げるのも、人工的に作り出された艦船だけ。ではありますけれど、彼女達がお互いに対して抱く愛情は、作られたものではないですよね。

 特に姉妹の間の関係は、上にも書いたように特別なもののようです。目の前にいる姉や妹を大切にする気持ちはとても強いみたいです。、、、では、会う事ができない相手への愛情は、いったいどこへ向けられるのでしょう。

 愛する人に会えない、という意味では、エンタープライズも赤城も同じと言えそうです。そのために自暴自棄な行動をしているらしい点も、近いのかもしれません。
 エンタープライズの場合は、ベルファストがそばにいてくれた事で、少しずつ変わってきているように感じられます。良い方向へ進めている、とも思われます。
 赤城の場合は、、、そばには妹の加賀がいますが、彼女は姉の成し遂げようとする事にとことんついていく考えらしく、(少なくとも今は)姉に忠告なんてするつもりはなさそうです。姉を信頼する妹としては模範的な振る舞い、なのかもですけれど、果たして本当にそれで良いのかどうか。加賀自身にも迷いはあるみたいですし、そこが赤城を変えさせる原動力になるのなら、これも姉妹の姿、と言えるようにも感じます。

 ところでこの話数では、姉妹の間の悩み以外のテーマも描かれているっぽいですね。悩んでいるのは、ロイヤルのユニコーンです。

 彼女は、自分の体格をとても気にしているみたいです。周りに似た子もいないためか、自分だけが変なのではないかと、胸を痛めています。(原作ゲーム版などの立ち絵で、彼女が「ユーちゃん」と呼ぶ小さなユニコーン(、、、第1話では走り回ったりしていたので、ぬいぐるみとかではないんですよね?)を胸にぎゅっと抱きしめている姿があります。あんなポーズをとっているのは、自分のコンプレックスを隠すためだったのかもですね。)

 その気持ちはとても強いようで、ジャベリンやラフィと話している時にも、思わず泣き出してしまうほど。彼女の中ではその事は、とても重い意味を持っているようですね。

 ユニコーンの気持ちを感じたラフィとジャベリンは、彼女に優しく語りかけています。彼女達の言葉は、ユニコーンに変化の気持ちを落ち着かせています。実はこの言葉は、ベルファストの命題に対する一つの答えなのかもしれません。

 それにしても、世界には様々な人がいる、という事をユニコーンに説明する時に、その例としてお風呂を行き交うまっぱの女性達を見せるというのも、、、。でもユニコーンにとっては、直接参考になる例だったのかもですね。

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