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2020年7月27日 (月)

Lapis Re:LiGHTs 第4話

 姉妹であり、ユニットのメンバーでもあるツバキ、ナデシコ、カエデの3人。カエデは、妹として姉達に従いたい気持ちもありながら、メンバーとしては同じ立場で話し合いたいという思いもあるのではないでしょうか。真面目に考え始めると答えを見失ってしまいそうな問題ですけれど、そこは姉妹の愛情と「ろっくんろー」が解決してくれる?

 テレビアニメ「Lapis Re:LiGHTs」(ラピスリライツ)、第4話「Identity」です。

 実家のあるヤマトの国へ帰省していたツバキ、ナデシコ、カエデの3姉妹が、フローラ女学院へ戻ってきました。自分達の新しい音楽を探すために旅立っていたそうで、どうやら何かをつかむ事ができたようです。けれど、一番末の妹のカエデは、あまり晴れやかな顔をしていませんでした。

 この話数では、魔法の源になっている希砂(きさ)や希石(きせき)について描かれ、また、人々を襲う事もあるという魔獣も登場しています。この辺りは、元のプロジェクト「ラピスリライツ ~この世界のアイドルは魔法が使える~」の世界観としても語られている部分ですね。こういう部分のエピソードが広がる事で、アニメ版でもこれからさらに、物語が深みを持ってくるのかもです。

(魔獣のデザインは割と柔らかめな雰囲気もありますけれど、実際の凶暴さなどはどうなのでしょう。それに、第1話で言われていた所では、魔獣を倒す役目は傭兵や魔女に任されているらしく、つまりけっこう特別な力を持っていないと対抗できない、という感じでもあります。その割には、この話数では、魔法じゃなく腕力で(?)魔獣に対抗する場面もあります。魔獣との具体的なバトルがこれからもあるとしたら、どんな戦い方になるのでしょうか。)

 学院の方でもいろいろな活動が紹介されています。ティアラは成り行き上部活見学をする事になり、ナデシコとカエデに案内されてあちこち見て回っています。

 よく見かけそうな部活もあれば、ここでしか見ないような珍しいものもあります。中でも「ばれ~部」が百合的には面白いですね。

 正式名称は「きゃばれ~部」というらしいです。伝説のユニット「ray」のメンバー、ユズリハが始めたものだそうです。

 広い部屋のあちこちに置かれた応接セットでは、かわいらしい年下の女の子達が、年上の女の子達をかいがいしくお世話しています。膝枕をしたり食べ物を「あーん」したり、お世話される側の女の子達は大喜び。彼女達はここで、妹達に癒やされているみたいです。

 部活の名前が名前だけにちょっといかがわしい(?)雰囲気も漂いますが、実際にはどうなんでしょうね。引っ込み思案で寂しがり屋の先輩達後輩達に出会いの場を提供している、なんて事はあるでしょうか。

 妹、という点では、カエデにもこの部活で活躍する素質はありそう? 学院のお姉様達は放っておかないでしょうか。

 でもカエデ自身にはそのつもりはないのかも、とも感じたりします。彼女の振る舞いを見ていると、自分の姉はツバキとナデシコだけだと感じているように思われます。

 夜、ティアラ達の部屋の場面で、カエデはティアラにあるお願い事をしています。それは、「この花は乙女」の分裂を意味してしまうような重大な言葉ですが、カエデはそこまで思い詰めたような表情は見せていません。

 この場面で、たぶん彼女は自分自身を試したのではないかな、という気がします。自分が本当にそれを望んでいるのかどうか、確かめようとしたのではないかと。
 誰か素敵な年上の女性に向かって、具体的に、自分の口からその願い事を声に出してみる。その瞬間、自分自身がどう感じたかによって、彼女は、自分が姉達に抱いている感情を推測しようとしたのではないでしょうか。

 その結果は、、、彼女のその後の振る舞いに見えてくるようです。結局彼女は、一度お願いを口にした後は、繰り返す事もありませんでしたし、必要以上にティアラに迫ったりもしませんでした。カエデは、やはり自分にとって一番大切なのは姉達なんだと確信したのでしょう。

 もう一つ、ナデシコが1人で危険な森に出かけたと聞いた場面でも、カエデの気持ちがうかがえる気がします。カエデは、ナデシコが森へ出かけた理由は、自分が希石をほしがっていたからだとすぐに考えついています。
 これは、姉なんだから妹を助けて当然、みたいに思い上がっているとかではなく(またたぶん脚本の都合(?)とかでもなく)、ナデシコなら、相手の願いを叶えるために自分を顧みずどんな危険な事にでも挑んでいくはず、と考えた結果なのではないでしょうか。口では喧嘩するような事をしていても、妹としてのカエデは姉を信頼しているし尊敬もしているのではと思えます。

 ツバキにしてもそうですよね。森の場面では、カエデが危険な目に遭いそうになったとたん、もう反射的に自分の体で妹をかばおうとしています。普段はマニアックぶりを発揮してカエデから愚痴られているツバキもナデシコも、本当は一番幼い妹を深く愛しているのでしょう。カエデもその事は痛いほどよくわかっているのかもです。

 姉妹という年齢差を持つ関係でありながら、同じユニットのメンバーという対等の位置づけであり続けるのは、意外と大変な事なのかもしれません。けれど、今の彼女達なら、愛情もオルケストラも立派に両立していってくれるのではという気がします。

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