Lapis Re:LiGHTs 第2話
学院でピンチな立場にいるロゼッタ達ですが、慌てたりしていないのは、お互いを信じ合っているからなのかもしれません。新しく班に入ったティアラに対しても、彼女達はすぐに同じ思いを抱けたのではないでしょうか。
テレビアニメ「Lapis Re:LiGHTs」(ラピスリライツ)、第2話「Accord & chase」です。
憧れの魔女になる勉強をするためにフローラ女学院に入学し、幼なじみのロゼッタと同じ班になったティアラ。でしたが、メンバーのラヴィ、アシュレー、リネットから意外な事実を聞かされます。学院ではポイント制がとられていて、学業の成績や生活態度で点数が上がったり下がったりします。そして何とロゼッタ達の班は減点が続き、このままでは連帯責任で班の5人全員が退学しなければならないというのです。
前回第1話で、学院に入ったティアラがロゼッタをはじめラヴィ、アシュレー、リネットにそれぞれ会った時、ティアラが同じ班になると聞いて皆複雑な表情をしていたのには、理由があったのですね。入学早々退学させられるかもしれない、しかもその可能性が高いとなると、彼女達はティアラの屈託のない笑顔を見ていられなくなってしまったのかも。
でも心配するなら自分達自身の事もよほど気にかけた方が良いですよね。自分達が退学させられるかもしれない、しかもその可能性が高いというのに、ラヴィ達はあまり焦っている風にも見えません。この余裕のようなものはどこから来るのでしょうか?
この世界の魔女は、「オルケストラ」で人々に夢を与えたり、魔法で魔獣を退治したりと、たくさんの人達から憧れと賞賛を集めているようです。特にフローラ女学院のあるマームケステルの街は、学院を中心にして成立している所もあるようで、街の住人も特別な気持ちで生徒達を見ているのではと思われます。(その割にはアシュレーは学院の制服を着ていても街でごろつきに絡まれたりしていたみたいですけれど、、、。)
そのような学院ですから、そこの生徒になるだけでも相当なハードルを越えなければならないのでは、という気がします(第1話ではティアラはあっさりと入学を認められていましたが、それには何か裏の理由がありそうですね)。なので学院の生徒達は皆、魔女になる勉強をさせてもらえている自分達に誇りをもっているでしょうし、学べる権利を簡単に捨てる気もないのではないでしょうか。
連帯責任で学院を追い出されるとなったら、班の他のメンバーをなじって険悪なムードになったり、自分だけ成績の良い他の班に組み替えてもらおうとしたり、なんて事態も考えられそうです。けれど、ロゼッタ達には全くそういう雰囲気はないのですよね。(ポイントを稼ごうと必死に努力、という事さえしていないのは少し問題かもですが、)お互いを信頼し合い尊重し合っているっぽいのが何となく伝わってきます(ラヴィとアシュレーの言い合いも、本当の喧嘩というよりは、仲良しのじゃれ合いみたいな感じがしますね)。
その暖かな感情は、ティアラにも向けられています。ロゼッタ以外の子にとっては会って間もない、素性もまだよくわからない女の子であるティアラですが、リネット達は彼女を優しく迎え入れています。
第1話では、ラヴィは体全体を使ってティアラに愛情表現をしていますね。自分達を差し置いてティアラの心配をするのも、実は彼女達の優しさの表れなのかも。
(そういえば、第1話でラヴィが、「愛してる!」なんて言いながらティアラに抱きつく姿を見て、ロゼッタはちょっと反応していました。あれはどういう理由だったのでしょうか、、、。
貴族でもない一介の女の子が、身分を隠しているとは言え一国の姫君に飛びついちゃうなんて許されない事態だ、と怒ったのか、それとも、自分よりも親しく接する、どころか距離を縮めていくラヴィに焼き餅を焼いたのでしょうか。ロゼッタのティアラへの気持ちが行動に表れるエピソードは、これからもあるのかな?)
いつ知り合ったのか、とか、相手が何者なのか、なんていう事は、彼女達には関係ないのでしょう。出会って、とても気が合いそうだと感じた、それだけで十分だったのかもしれません。やはりティアラは、ロゼッタ達の班に入って良かったのでは、という気がします。
それはそれとして、ポイントを稼がない事には一緒に学院で学んでいく事さえままなりません。ティアラ達のポイントアップ作戦は、これからが本番になりそうです。
この話数では、学院を飛び出して街を駆け回るティアラ達の姿が、ちょっとコミカルに描かれています。(「あいびき」と聞いてハンバーグが食べたくなってしまったらしいラヴィの発想も面白いですね。)もっと速いテンポでギャグっぽいエピソードを詰め込んでいくとさらに笑える展開になりそうな気もします。けれどそこまでになっていないのは、やはりティアラ達の気持ちのつながりを確かめ合うエピソードだから、なのかもですね。
街でロゼッタが見知らぬ女性と話しているのを見て、リネットは、彼女がロゼッタの恋のお相手なのでは、と推理を働かせています。リネットの話しぶりからすると、彼女的には、百合は「あり」だと思っているのでは。だったら彼女自身が女性と恋愛するパターンについて、彼女はあり得ると考えているでしょうか。その辺りを描く友理奈ストーリーとかもあると素敵かもです。
同じ場面で、リネットの推理を聞いたティアラは、あまりピンときている感じではありません。ティアラとしては、女性同士の恋愛という考え方にはなじみがなさそうにも見えます。
というか、相手が女性であろうが男性であろうが、ロゼッタが秘密の恋をしているかもしれないという状況になっても、ティアラはあまり焦ってはいないっぽいですね。恋愛がどうのという以前に、幼なじみとの時間をとられちゃうかも、みたいな寂しさのようなものは彼女の中には湧き上がってはいない? まあまだ現実的にロゼッタが自分から離れて行ってしまうかもしれないみたいな意識を、ティアラは持っていないのかもしれません。でも例えばそういう事態が本当に起きそうになったら、彼女はどう感じるでしょうか。そばにいてくれるのが当たり前、というような意識を見つめ直し、ロゼッタが寄り添ってくれている事の大事さを、ティアラにはきちんと感じてもらいたいような気もします。
街の中を駆け回っていたティアラとラヴィ、アシュレーがピンチに陥った時、ロゼッタが手を差し伸べた相手は、、、やはり彼女でした。そうなったのは、偶然一番近くにいたから、もしくは何があろうと王女様をびしょ濡れになんかさせられないから、それとも、、、基本的に、ロゼッタが見ているのはティアラだけだから、でしょうか。
この直後の場面で、ロゼッタがティアラを見る表情はやはり、幼なじみとか友達とか自分の国の王族とか、そういったものではない感じがします。1人の女の子として、1人の女の子を愛する、周りの雑音など関係しない純粋な気持ちが、ロゼッタの中にはあるように思えます。
ティアラの方は、まだマームケステルに来たばかりで街の事や魔女達の舞台に目を奪われてしまっています。彼女はどこか恋愛には鈍そうな印象もありますけれど、自分に向けられる愛情を(王族だからといって)当たり前に感じる事なく、きちんと受け止めて自分からも愛を返してあげられるようになると良いですね。
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