推し武道 第6話
ここではメンバー達の過去エピソードが描かれています。れおと空音の関係、文と優佳の関係、、、それぞれに思いがありそうな気がします。
では舞菜とえりはというと、2人の気持ちが通じ合った、、、のかな? 彼女達のこれからが気になる所です。
テレビアニメ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(略称「推し武道」)、第6話「ぼくの全てが君だった」です。
オフの日に一緒にショッピングモールへ出かけた空音とれお。れおは、この前のライブで前列でのパフォーマンスをしたゆめ莉が嬉しそうだった事を喜んでいます。メンバー皆でセンターを目指すのは素敵な事だと彼女は言いますが、空音は反対でした。空音は、センターはれおじゃなきゃいけない、と言葉を強めます。
過去エピソードは、空音の視点が中心になっています。空音はちょっと覚めた目で世間を見ていて、一生懸命になっている人や、その人を見て感動を覚えるような人の気が知れない、といった事を考えていたようです。
でもそれは、うわべだけなのかなとも感じられます。学校でテニス部に所属している彼女は、周りから「チャラい」なんて言われても、真面目に練習をこなすような女の子だったのではないでしょうか。
なのに、いくら自分が真面目に物事に取り組んでも、また何者にも負けない熱意を持っていたとしても、周りがそれを受け止めて反応してくれなかったのかなという気がします。いつも当てが外れていた彼女は、いつの間にか投げやりになり、世の中を斜めから見るようになった(そうする事で自分の気持ちをあきらめようとしていた)のでは。
だから、近所の粗末なステージで、まばらなお客を前に一生懸命パフォーマンスするアイドル達なんていうのは、彼女が一番冷めた言い方をしたくなる相手だったのかもしれません。れおが以前所属していたアイドルユニットが目にとまった空音は、「努力する人達」の代表のようなものを見せつけられた気持ちになったのかも。
ところが、その後彼女は、アイドルユニットChamJamに、練習生として加わる事になります。いったいなぜそうなってしまったのでしょう。
それは空音が、この場所でなら、自分がずっと見ないようにしてきた本当の自分を、受け入れてくれるかもしれないと思ったからなのではないでしょうか。いつも世の中に不平や不満ばかり言うような人間ではなく、自分にまっすぐ向き合って自分らしさを力の限り出し尽くせるような人間になりたい、と彼女は望んだのでは。
では、なぜその場所がChamJamだったのでしょう。それは、そこにれおがいるから、なのかなと思えます。
前に見たライブでれおは、端っこに立っていて全然目立たないのに、精一杯の歌とダンスを披露していました。人気者になりたいとか、ちやほやされたいとかじゃなく、ひたすらに自分の納得のいくパフォーマンスをしようとするれおを見て、空音は、自分もあんな風になれたら、と思ったのかもしれません。他の誰でもなくれおのようになりたい、れおをずっと見ていたい、それが彼女の偽りのない気持ちなのかも。
(事務所に入ったのは、空音のおばさんが勝手に応募したから、というのが直接の理由みたいです。けれど、ChamJam事務所にれおがいるとわかったから、空音は自分から事務所へ出かけていったのかなという気もします。)
空音とれおの会話の感じでは、空音にとってれおこそが「アイドル」であって、れおがセンターでリーダーじゃなきゃいけない、とまで考えているようです。これは、、、空音がれおを、目指すべきアイドルの理想像として見ている、という事なのでしょうか。そこまで彼女はれおに憧れている?
果たしてそれは本当に、同業者としての憧れ、だけなのでしょうか。れお以外のメンバーではなくれおにしか目が行かなかったのは、何か他に理由があるのでは、なんて考えてしまいます。
そういう空音に対してれおは、、、愛の言葉を語っています。2人きりの時に言っていますから、この言葉は空音にだけ向けられたものなのでしょう。
じゃあ実はれおも空音の事を? このエピソードではそこはちょっとうやむやになっていますね。「いつも隣にいてずっとれを見てきた」空音によれば、れおの愛は皆に向けられるものらしいですけれど、本当にそうなのかな?
れおはこれまでにも、特定の1人だけを愛するのはアイドルらしい振る舞いではないという意見を言ってきました。この話数でも(空音をいたわる意味も含めて)そう言っています。
そのれおは、たとえ空音に対して同じユニットの仲間として以上の気持ちを持っていたとしても、空音にだけ特別な愛情表現はできないでしょう。(れおが空音に対して本当にラブなのかどうかはわかりませんが)「アイドル」であるれおにできる表現はあれが精一杯なのかもしれません。
れおや空音が百合な恋愛に踏み込んでいくのかどうかは気になる所ですね。是非その辺りもアニメで描いてもらいたいものです。
さて、では他のメンバーはどうでしょう。過去エピソードでは、空音が事務所に入った時、既にれおとゆめ莉と眞妃がいました。
ゆめ莉と眞妃の出会いがこのChamJamなのか、それとももっと前から知り合いだったのかが気になるのですけれど、この2人ついてあまり描かれていませんね。まあ前回第5話でいちゃいちゃな姿を披露していましたし、ここではちょっとおとなしくしているのかも?
文と優佳は、ChamJamで初めて出会ったようです。アイドルとして上を目指す意気込みを持っている文に、何も考えていないような天真爛漫な優佳は絡んでいきます。
優佳の雰囲気って、周りの空気を読まずに自分の意見を口走ったり、相手がどう感じるのかを気にせず思う通りに振る舞っている印象があります。それはある面では当たっているようですが、実は彼女はけっこう他の人達性格をよく見ている気もします。
文の場合、自分のなりたい姿や未来の予想をちゃんと自分の中で持っているため、周りから多少いじられても動じませんし、いつも自分の方向性を確かめて必要なら大胆に軌道修正する事もあります。優佳はそれを理解しているから、自分みたいなそそっかしい人間が無神経にいろいろ言っても文なら全部受け止めてくれる、というかはじき返すぐらいのパワーを持っていると感じたのでしょう。
これで例えば、相手が舞菜だったりすると、成立しなさそうですよね。優佳のいつもの調子で舞菜にちょっかいを出したら、舞菜はすぐさま落ち込んでしまいそうな気がします。
実際、以前の話数の時、人気投票で(えりが積んだおかげもあって)一時的に最下位から3位まで浮上した舞菜の順位がまただんだん下がってきた事を、優佳がうっかりいじった時、舞菜は暗い表情になってしまいました。その後すぐに、優佳は舞菜に謝っているんですよね。優佳は舞菜の性格やその時の気持ちもちゃんとわかっているし、この状況で自分が何を言っても舞菜にとってはマイナスになるだけだと理解していたのでしょう。
だから優佳は、何か言う時は文にふっかけているのかも。文の方も、上等だとばかりに真正面から受けて立っています。こうして彼女達は、自分達だけの世界観を作り上げているのでは、という気がします。
それなら彼女達にラブはある? どうなのでしょうね。以前、文とれおと舞菜が事務所でグッズの袋詰めをしていた時、文は誰にも何も言われなくても、白のグッズだけを詰めていました。白は優佳のメンカラーです。文の中ではいつの間にか、優佳がとても大きな存在になっているのかな、と思えます。
こんな風に、ChamJamの中でもいろいろな百合が見られそうな予感、なのですけれど、えりと舞菜も気になります。ここでの彼女達は、この所のお約束のように、握手券1枚分(+アルファ?)ぐらいの接点しかないようです。
そのわずかな時間の中で、何だかお互いに相手に思いを伝えられているような? 、、、確かに愛情は伝わっているみたいなのですけれど、どうもまだお互いが抱いている「ラブ」の意味が少し違っている感じもするのですよね。勘違いしてお互いの間のギャップが広がりすぎない内に、彼女達にはもっと接近して本当の恋愛感情を確かめ合ってもらいたいものです。
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