推し武道 第3話
ライブに通い、握手会にも参加して、たくさんの愛の言葉を舞菜に語るえり。自分が相手を大好きな事は誰から見ても明らか、なはずですが、舞菜の反応は複雑、、、。彼女達が思いを通じ合わせるためには、もっと何かが起きる必要がありそうです。
テレビアニメ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(略称「推し武道」)、第3話「わたしのこと好きですか?」です。
定期公演のMCで、空音がテニス部所属だと知り、基は愕然とします。大好きな空音が「ちゃらい部活」をしているんじゃないかと思うと気が気ではないようです。そう、基は空音をファンとして追うというよりも、リアルに恋愛したいと思うタイプなのでした。えりやくまさにとって、その考え方は自分達の中にはなかったみたいです。
えりが舞菜の事をどう思っているのか、というのがつい気になってしまいます。基のような、ファンとアイドルが恋人同士になる、みたいな考え方には否定的らしいです。けれど「ふんわか動物園」での握手会の時には、舞菜が自分にファン以上の気持ちを抱いてくれないのではないかと感じて不安になっています。
舞菜には皆のものになってほしい、と日頃は言っておきながら、いざ他の女の子と楽しそうに話しているのを見ると複雑な気持ちになっています。でも、この話数のサブタイトルにあるせりふを舞菜に言われると、軽薄とも言えるぐらい簡単に愛の言葉を連発しています。
、、、こうしてみると、えりが抱く舞菜への愛情が、ファンとしてのものなのか、恋愛対象としてなのかがよくわからなくなってしまう気がします。えりの行動を近くで見ているくまさの感想も「モンペ」(モンスターなペアレントの意味、でしょうか)だそうで、そうなるともう過保護な親の愛情みたいな位置づけになっちゃいそうです。
ですが、彼女の外に向かっての振る舞いはファンらしいものであっても、胸の奥底で感じている気持ちは、恋愛なのではないかという気がします(、、、百合をひいき目に見ているからそう見えちゃうのかな)。えり本人も気づいていない所で、彼女は舞菜に恋しちゃっているのではないでしょうか。
ではなぜえりはその感情に気づけないのか、、、それは、アイドルとファンの間に何となく存在するマナーのようなものを、えりが必死に守ろうとしているからなのかなと思われます。アニメシリーズの第1話からこの第3話の間までにも、えり達からは、「推しがチラシを配っている時にみだりに話しかけない」とか、「推しが出ていない場面でも盛り上がる」、「推しの私生活には介入できない」など、相手と自分達との間にきちんと線を引く掟のようなものが語られています。
こういう風になっているのはもしかしたら、何となく取り決めのようなものを作る事で、皆が気持ちよく応援し応援されるような環境を作ろうとしている、という事なのかもしれません。アイドルとの恋愛を望むあまりこじらせすぎて危うい行動に走りそうになるファンを知っていたりすると(基の場合はそういう事にはならないと思います、、、)、よけいに自分達はマナーを守らなきゃ、と、かたくなな姿勢になったりするのかも。
えりが舞菜のファンになったのは2年前ぐらいらしいです。その時にはモブ、、、じゃなくくまさに話しかけられていましたから、その後ファンとして舞菜を応援するようになると、くまさから、ライブだけでなく物販や握手会への対応の仕方を教えてもらった可能性もありそうです。その中で、上に書いたようなマナーについても聞かされたのでは。最初の頃からファンとしてのあり方みたいなものをたたき込まれた(?)事で、えりは舞菜とのふれあいについて柔軟に考えるのが難しくなってしまった、なんて流れがあったりするでしょうか。
自分が相手に対して抱いている愛情がどんなものなのか、えりにはちゃんと考えてもらって、本当の思いに気づいてもらいたいように感じます。けれど今のままではなかなかそこまで行けないような雰囲気もあるような、、、。お互いに思い合っているのに徹底的にすれ違っている2人の巻き起こすドタバタ、も作品的には盛り上がる要素ではありますが、いつかは彼女達の思いが通じ合って愛し合えるようになるのを期待したいです。
さてここでは、噂の(?)基の妹、玲奈が登場しています。彼女はアイドルの現場に来るのはこれが初めてだそうですが、舞菜を応援しているそうで、えりとは話題が合いそうです。えりも、玲奈と舞菜が仲良くしているのを見るとちょっと胸が苦しくなっているようですが、「推し被り」だからといって別にライバル視したいわけではなく、仲間として一緒に舞菜を推していきたいと考えているみたいです。えりが玲奈にアイドルファンとしての手ほどきをしていく事になるのかどうかは何とも言えませんけれど、少なくとも玲奈は、えりの振る舞いを否定するような人にはならないような気がします。
ところで玲奈が舞菜のファンになったきっかけは、第2話に描かれている「岡山ガールズフェスタ」で見かけて、そのかわいらしさが気になったから、らしいです。それはたぶん、舞菜が客席にえりの姿を見つけた瞬間の事、なのではないでしょうか。自分の姿を一番見てほしいと思ったその相手が来てくれていた事が嬉しくて、舞菜の表情はもう恋する乙女そのものだったのでは。玲奈が気になってしまうぐらいの美しい表情は、舞菜からえりに向けられたものだったのでしょうね。
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