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2020年1月16日 (木)

推し武道 第1話

 全力で舞菜を推すえり。彼女のすさまじい熱と応援を受ける舞菜の思いは、、、? アニメ版ではその辺りの描かれ方がポイントになるのでしょうか。

 テレビ放送が始まったアニメ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(略称「推し武道」)を見てみました。第1話のサブタイトルは、「そんな舞菜を愛してる」です。

 桜が満開の並木道を歩いていたえり。呼び止められて振り返ると、いかにもアイドルっぽい衣装を着た2人の女の子が立っていました。近くでライブをやっているので見に来てほしいというのです。えりは、片方の子の様子が気になりました。引っ込み思案らしい彼女の名前は市井舞菜(いちいまいな)、7人組ローカルアイドルユニット「Cham Jam」の中でも目立たない人気最下位の女の子です。ステージで一生懸命パフォーマンスする彼女は、客席にえりを見つけると、笑顔で手を振ってくれました。

 この作品がアニメ化されると聞いた時は、喜んだのと同時に、絵柄的にはどういう描かれ方になるのかなというのが気になっていました。平尾アウリさんによる原作コミックは、たくさんの細やかな線で描かれているためそのままアニメ化するのは難しいのでは、という感じもありました。
 が、実際のキャラのデザインは原作の雰囲気が表れていて、しかも滑らかに動いているのが良いですね。この絵柄でえりや舞菜達の物語が見られるのは素敵かもです。

 またアニメ化された事で、Cham Jamのステージパフォーマンスの流れが見られるのも面白いですね。コール入りの歌も、原作の歌詞そのままにメロディが付き、鮮やかな振りも付いて描かれています。コミックだと曲を歌ったりダンスしたりする表現は限られてしまいそうですけれど、アニメならではの技法でその辺りを見せていってもらいたいかもです。舞菜のメンカラー、サーモンピンクも映えそう?

 えりがCham Jamの、というか舞菜のファンになってから2年たった頃が物語のメインの舞台になっているそうです。えりと舞菜の出会いは、えりの一目惚れみたいな雰囲気なのですよね(舞菜にとっても一目惚れと言えそうです)。
 最初はえりもアイドルファンのあり方のようなものは知らなかった事でしょう。アイドルとはこういうもの、とか、ファンとしてはこう行動すべき、といった事を知らない彼女がCham Jamのステージに通うようになるのは、純粋に舞菜に会いたいから、なのでは。ファンとして推したいというよりも、彼女と仲良くなりたい、彼女の事をもっと知りたいと思ったからこその行動だったとも考えられそうです。

 えりの場合、その行動の元になっているのは百合な気持ちなのでは、と思いたいのですけれど、どうなのでしょうね。というのも、2年たった彼女はもう筋金入りのファン、というかそこら辺のファンが一目置くぐらいの伝説的ファンになっていて、つまり「ファン以上」にはなかなか踏み出さない(踏み出せない)存在になってしまっている気がしちゃうのです。作品的には、えりにはもっと百合な感情や振る舞いを示してもらって、舞菜との距離をどんどん縮め、お互いに甘い関係を築けるようになってもらいたいものです。

 ではその舞菜の方はというと、この話数では彼女のえりに対する対応(塩)は描かれていますが、彼女の本心についてはほとんど語られていません。本当に彼女はえりを嫌っているの? という所がなかなかわからない点では、えりの視点に近い描き方かもですね。
 アニメ版ではずっとそんな感じで進んでいくのかどうかがちょっと気になります。原作では、えりは思った事をすぐ口に出す場面が多いのに対して、舞菜の方はえりへの思いをメンバーにも打ち明けられていないほどですので、舞菜の気持ちの動きはうまく拾い上げてもらいたいように思います。そこは第2話をはじめこれから存分にエピソードとして出てくるのでしょう。

(ちなみに原作の第1話では、舞菜がえりに対して不自然な対応をしてしまう理由として、「毎日かわいい女の子達に囲まれて過ごせるアイドルの生活」も捨てがたいと思っているから、という事が言われています。(なお、原作コミック第1巻は、現在期間限定でまるごと無料配信が行われています。公式サイトのspecialのページなどからアクセスできるようになっています。)舞菜はもともと女の子とのふれあいが大好きで、アイドルでいる事にも前向きみたいです。それでもそのアイドル生活と同じぐらいに、いえそれ以上に、舞菜は、えりと個人的に仲良くなりたいと感じているのかもです。)

 原作では、他の女の子達同士の関係性も描かれています。Cham Jamメンバーの中で、伯方眞妃(はかたまき)と水守ゆめ莉(みずもりゆめり)は、プライベートでは一緒にいる事がとても多いですし、その雰囲気は単なる友達以上のものがあります。またステージやメンバーのブログではそういう所をアピールしていないんですよね。つまり百合営業などではなく、本当に仲良しだという事なのでしょう。
 他には、センターの五十嵐れお(いがらしれお)と二番手の松山空音(まつやまそらね)も、眞妃とゆめ莉ほどではないものの、時折密接な関係をうかがわせています。寺本優佳(てらもとゆうか)と横田文(よこたあや)は、ライバルっぽくもありますがその分お互いの存在を意識し合っているのではという気がします。そういう彼女達のストーリーもたくさん見られると良いですね。

 本作は、アイドルとファンのつながりの強さや、笑えるギャグなども魅力となっています。そこも押さえつつ、女の子同士の親密さも丁寧に描き出していってもらえればと思います。

 この第1話では、アニメ版オリジナルのエピソードも少し挿入されています(2枚のチェキとか)。そのオリジナルな部分でも百合テイストが演出されている感じですし、アニメ版では百合度はさらに上がりそう?

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