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2019年11月11日 (月)

神田川JET GIRLS 第3話

 テレビアニメ「神田川JET GIRLS」、第3話「おのぼりん」です。

 ミサは凛を、オルカーノが置かれている倉庫へと連れてきました。ここに、ジェットレース部の入部希望者が現れるというのです。息を潜めてうかがっていると、扉が開き、1人の生徒が入ってきます。彼女は同じクラスの吉徳キリコ(よしとくきりこ)。ジェットレース用マシンの整備やチューニングが大好きな子でした。

 ジェットレース部を立ち上げるために、凛は何とか部員を集めようとします。けれど、以前第2話でも描かれていたように、浅女の生徒達はジェットレースに興味を持ってくれないようですね。たぶん凛は、瞳をうるうるさせて「お願い」したでしょうから、女の子達も相当気持ちがぐらついたのではと思われますけれど、それでも部に入ってくれるまでにはならなかったのかもです。

 生徒会長の新紫集院文ヶ(しんしじゅういんふみか)も、生徒会の運営については厳しいようで、「おまけ」はしてくれなさそうです。が、やはり「紫集院」という言葉には反応してしまうようで。ジェットレースとは違う所に狙いがありそうですが、少なくとも今は、凛達と利害が一致しているみたいです。

(ところで生徒会室の場面で、凛が文ヶに迫っている時の、そばにいた2人の役員の反応が面白いですね。片方は微笑ましく見守っている様子ですが、もう1人の方は頬を膨らませてちょっと不満そうです。もしかしたら彼女は、生徒会長が大好きで会長のそばにいるために生徒会に入ったのに、自分でも迫った事がないほどの距離に凛が近づいていくのを見て、寂しかったりうらやましかったり、自分もそんな風にしてみたいと思っていた、とかでしょうか?)

 結局集まった部員の中で、ジェットレースの競技自体をしてくれそうな人はほとんどいない感じです。まあこの後どうなっていくのかはわかりませんけれど、少なくとも今は、凛がジェッター、ミサがシューターとなる1チームだけ、、、と思っていたら、ミサの反応は凛が予想していたのとはちょっと違っていました。

 凛が、ジェットレース部を作る、と言った時のミサの答えは、確かにどんな風にでもとれそうなものでしたね。ミサとしては、第1話、第2話ではレースはしたものの、自分の気持ちをはっきりさせられない状態でジェットレースに関わるのはためらわれたから、ああいう返事の仕方をしたのかも。それに、今までずっと自分1人で悩み続けてきたのに、急に現れた凛に引っ張られるようにレースに復帰するのは、ちょっと面白くなかった、という気持ちもありそうでしょうか。

 でも彼女の中には、実際にオルカーノにまたがった時に抱いたあの感覚が、忘れられないどころかどんどん強くなってきているのではと思われます。ジェットレースをやりたいのかやりたくないのかと聞かれたら、是非ともやりたいと感じていたのではないでしょうか。

 それに、凛の気持ちを大切にしたいという思いもあったようですね。ミサがジェットレースをやりたがっていないんじゃないかと思ってしまった凛は、急におとなしくなっています。いつもぐいぐい迫っている自分のせいでミサが言いたい事も言えなかったのではないかと考えたのでしょう。
 いつも明るく元気に振る舞っている凛は、たぶん昔から、自分が考え出した楽しい事に周りをどんどん巻き込んできたのかなという気がします。その中で、相手が本当は迷惑しているのに無理矢理誘ってしまったという場合もあったのではないでしょうか。
 自分が楽しいと思う事に、同意してくれる人もいれば、そうじゃない人もいる。凛は、本質的な部分では、皆で笑顔になりたい、そのためにがむしゃらに突っ走りたいと感じているのかもですが、それがうまくいかない事も思い知らされているのでしょう。だから、相手のちょっとした戸惑いの仕草を見ただけで、すぐに縮こまって反省してしまうのかもしれません。

 どんな時でも元気いっぱいの凛しか見てこなかったミサは、凛がこんなしおらしい一面を持っているとは思わなかったのでは。彼女は、凛のそういう所にも魅力を感じちゃっているっぽいです。
 だから、というわけではないでしょうけれど、ミサは凛の言う事を聞いていますね。凛の方も、他でもないミサが自分を受け入れてくれたのが嬉しいんじゃないかなという気がします。

 という感じでジェットレース部の部活が始まります。皆けっこうキャラがばらばらでまとまりがないようにも見えますけれど、ジェットレースの試合に出て勝つ、という点では一致しているのかもです。これから部活はどうなっていくでしょうか。

 そういうのもありつつ、後半では凛が浅草観光をしています。住んでいる場所の近くではありますが、東京へ来たらまずは浅草を見てみたい、と彼女は考えていたようです。

 彼女の案内はミサがしています。ちょっとぶっきらぼうであまり楽しくないようにも見えたりしそうですが、実は何日も前から綿密にプランを立てて、観光スポットの情報もあらかじめインプットしておいたみたいです。凛が大はしゃぎしているように、ミサも本当は、彼女と一緒に出かけられるのがとても嬉しいのでしょう。
(「あれ、これってデートなんじゃない?」みたいな場面がないのは、2人が寮の同じ部屋に住んでいて、着替えも外に出るのも一緒だったからそこまで意識できなかった、なんて理由があるでしょうか。いつか2人ともお互いを意識して、アツアツのデートをしてもらいたいかもです。)

 お出かけは順調、のはずでしたが、「おのぼりん」な凛がミサとはぐれてしまいます。浅女の寮に帰るぐらいはできたかもしれませんけれど、それよりも凛は、ミサを見つけて観光の続きをしたかったのかもです。

 が、ミサの痛恨のミス(彼女の今までの生き方ではそれが当たり前だったようですけれど)のおかげで、簡単に再会、とはいかないみたいです。そうしている間に、凛は、ジェニファー・ピーチとエミリー・オレンジに出会います。
(この3人は第1話で近くにはいたみたいですけど、ちゃんと話し合うのはこれが初めて、という感じなのでしょうか。それにしても、3人で食堂みたいな場所にいる時、やたら胸が強調されてますね。作品的にはこれが普通?)

 日本の文化が大好きらしいジェニファーとエミリーはとにかくハイテンションで(というか元々こうなのかな?)、彼女達は凛をあちこち連れ回しています。その突っ走る様子に、凛はたじたじになっています。

 これまでミサやひなをはじめ周りの女の子達に、テンション高くお近づきになりまくっていた凛がこんなにおとなしくなってしまうなんて珍しいですね。凛は、元気さではジェニファー達に勝てない? いえ、そんな事はないと信じたいものです。
(凛的には、せっかく厚意で案内してくれているのだから、それを断るような言い方はしたくない、と考えていたのかもです。)

 これだけなら、凛に外国のお友達ができた、ぐらいのエピソードになるのでしょう。けれど、それだけでは済まないのが本作みたいです。彼女達は、これからもっと激しい形で仲良くなっていくのではと思われます。

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