キャロル&チューズデイ 第24話
テレビアニメ「キャロル&チューズデイ」、第24話「A Change is Gonna Come」です。
火星政府の方針に反抗的な音楽家が弾圧されていく中、何か自分達にできる事はないかと考えたキャロルとチューズデイは、できる限りたくさんのミュージシャンに集まってもらって、音楽の素晴らしさを世界に伝える事を計画します。実行するのは年が明けた直後、1回きりのネット配信を仕掛けます。準備は誰にもわからないように極秘で進めましたが、果たしてミュージシャン達は来てくれるのかどうかなど、心配事もいろいろありました。
今の世の中は住みづらくなっているのではないか、より良くしていく方法が何かあるのではないか、そう思う気持ちが、キャロルやチューズデイや、皆を突き動かしているようです。1人1人の力は小さいかもしれないけれど、同じように考えている人達が声を上げる事で、皆の関心が集まり、話し合う機会が広がっていくのかもしれません。
その第1歩になったのが、キャロルとチューズデイが企画したステージだったのですね。第1話から流れていた冒頭のナレーションのように、素晴らしい出来事が彼女達を待っているのではと思われます。
、、、彼女達のステージで何が変わったのか、については、具体的に語られていない感じがします。全世界同時配信を狙ったわけですから、この配信を見た人達が何を感じ、どう行動を起こすのかが気になる所なのですけれど、その部分は描かれていないような。アーティスト達を取り巻く親しい人々が様々な表情を見せているものの、その人達が世の中に向けてすぐに何か行動を起こしたという雰囲気ではなさそうです。
音楽家達が弾圧されている現状に対して行動したのは、チューズデイの兄のスペンサーだった、とも言えそうです。自分の母親を政治的に失脚させるという苦しい選択でしたが、今を変えるための、地に足のついた活動だったのでは。
スペンサーが行動を起こすタイミングについては、妹のチューズデイのアドバイスが生かされていました。このタイミングを選んだ事は大勢には影響がないかもしれませんが、チューズデイの家族にとってはとても大切な事だったのではと思えます。
キャロルとチューズデイの人となりや考え方に共感して、自分達には何が必要なのかを考え行動する人達がたくさんいる、みたいな場面が見られると盛り上がってくるのかなとも感じられますけれど、まあそれはそれなのかもです。歌の場面ではできるだけ周りの雑音は入れずに、アーティストの全力の歌声に耳を傾けるのが良いのかもしれません。
後は百合、ですね、、、。キャロルとチューズデイはアーティストのお出迎えと、皆で歌うための先頭に立つという責任ある役割を任されているためなのか、あまり自分達だけの世界や空気感を作りづらくなっていた雰囲気があります。
アンジェラとケイティにも期待したい所ですけれど、少なくともここでは何か起きているという感じではなさそうです。アンジェラの一方的な誤解でひどい目に遭わされたはずのケイティが、それでも相手のために尽くそうと寄り添っているのは、そこに愛情があるからなのではという気もします。アンジェラ本人の周りではいろいろな事が起き続けていますが、少しだけでも冷静になって、誰が一番自分の事を考えてくれているのか、アンジェラには考えてもらいたいようにも思います。
・「キャロル&チューズデイ」レビューリスト
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