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2019年10月15日 (火)

アズールレーン 第1話

 テレビ放送が始まったアニメ「アズールレーン」を見てみました。第1話のサブタイトルは、「【起動】海を駆ける少女たち」です。

 大きな船を築き海へと乗り出した人類は、海の覇権を巡って争いを繰り返しました。そこへ人ならざるもの、セイレーンが現れ、人々を蹂躙していきます。人類は自分達の争いをやめ、主義や思想を超えた大連合、「アズールレーン」を組織し、セイレーンに対抗します。戦いに投入されたのは、鋼鉄の艨艟(もうどう、戦う船といった意味らしいです)の名前と能力を与えられた少女達。彼女達の活躍で、セイレーンはほぼ撃退されました。それから時間が過ぎ、新しく建設された基地に、「ユニオン」陣営と「ロイヤル」陣営の艦船が集まってきます。かつてともに戦った、「鉄血(てっけつ)」陣営と「重桜(じゅうおう)」陣営の、不穏な動きに備えての事でした。

 アバンの最後のせりふ「戦いはいつの世も変わらない」から続いてオープニング曲「graphite/diamond」の最初の歌詞「それでも前に進むの、振り返らずに」につながっていく所が、鮮やかでかっこいいですね。印象的に紡がれたこの言葉が、作品を通しての鍵になっているのではという気がします。

 セイレーンが現れる前も、圧倒的な力に抵抗している最中も、海を取り戻した後も、人々は、戦い続けています。何が起きても起きなくても、結局人類は争いをやめない。、、、いえ、やめられない? いくら正義や理想を高く掲げても、やっている事はいつまでたっても同じ。それが良い事なのかそうでないのかは、誰もわからないのかもしれません。

 では、戦いとは何なのでしょう? 赤城は、一つの答えを自分の中に持っています。

 戦っている間は、相手を意識し、そのわずかな振る舞いさえも見逃さず、チャンスがあれば肉薄して、大きな一撃を与える。これは、よほど相手を気にかけていなければできない事ですよね。

 その感情は、まるで愛のような、、、。相手に興味も愛情もなければ、意識したり触れたりする事さえしませんから、戦っている相手には、それはもう特別な気持ちを抱いているはずだ、と赤城は言いたいのでしょうか。

 その上で、彼女がとっている行動を考えると、彼女が本当にしたい事が見えてくる気がします。彼女は、相手と愛し合いたいのではないか、と。

 この気持ちを、アズールレーンの艦船達が理解するのは、難しい? 同じ重桜に属する加賀や瑞鶴でさえわかっているかどうか定かではないですし。
 でも、わからないからといって拒絶してばかりいるのは、争いを鎮めるどころか、無理解と分断、結果としての憎しみしか生まないのでは、という気もします。そうして戦いが、断ち切られる事なくつながっていくのかも。

 だったらいったいどうすればいいのでしょうか、、、? それは、自分達がどうしたいか、にかかっているのかもです。戦いを始めるのが人間なら、終わらせられるのも人間、という事なのかもしれません。

 その時に重要になるのが、ジャベリンやラフィー、ユニコーン、それに綾波達が、自分達が何者なのかを意識する事なのではという気がします。(彼女達が、元は人間で、戦う能力を後から与えられたのか、それとも人ならざるものとして技術力によって生み出されたものなのかはよくわからないのですけれど、)自分達には戦う事しかできないと考えてしまうと、答えの幅は狭まってしまいそうです。
 彼女達にも、愛について考えてもらいたいですね。そうして、お互い女の子同士で愛し合う事を意識できるようになったら(さらに実際に愛し合うようになったら)、世界は変わっていけるように思えます。

 といった感じで、戦いだけでなく愛もテーマになりそうな雰囲気がありますね。この第1話ではあまり百合な展開は見られない感じですけれど、これからのエピソードで、戦いを超えた女の子同士の恋愛をたくさん見せていってもらえると素敵なのではないでしょうか。

(それにしても、赤城に、加賀(2人は姉妹らしいです)、瑞鶴が登場していて、綾波は「吹雪」型駆逐艦だそうですので、どうしても別作品を思い出してしまいます。作品としては直接関係はないのでしょうけれど、たくさんの女性達が紡ぎ出す物語の中で、女性同士の絆が大切な意味を持つようになってくると良いですね。)

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