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2019年9月26日 (木)

戦姫絶唱シンフォギアXV 第11話

 テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギアXV」、第11話「ハジメニコトバアリキ」です。

 帰還用ジェムを使って戦線を離脱しようとしていたヴァネッサ達を追う翼。彼女を孤立させないために響達も後を追いかけますが、ジェムの力でたどり着いた先は、何と月でした。月面の遺跡内には空気が存在し、地球並みの重力も再現されています。けれどいつまでその状態が続くか保証はありませんし、遺跡のシステムが反応して攻撃用の機械がちりぢりになった響達に襲いかかります。彼女達はこのピンチを脱する事ができるのでしょうか。

 最初のカットでは、高速で移動する2つの光の球が、何か激しいバトルを繰り広げている様子が見えています。装者達の戦い方ってこんなだったっけ? と思っていたら、不意に登場した見覚えのないキャラがあまり聞き覚えのない声で語っています。、、、チャンネル間違えたかな、と一瞬思いましたがそうではないのですね。

 これは、太古の、人類を超越した存在の記憶だったようです(単なる夢、ではないみたいです)。男性体の方はエンキという名前で、女性体の方が、シェム・ハです。エンキは第1話の最初の場面にも(顔は見えていませんが)登場しています。その時も、この第11話でも、「フィーネ」という名前が出てきていますから、フィーネとも何か関係があるのでしょう。

 エンキによれば、シェム・ハは地球上の生命体の遺伝情報に手を加えて進化させる役割を担当していたそうです。それが反旗を翻してエンキ達に戦いを挑んだと言われています。

 が、なぜそうしたのかまでは説明されていません。自分を記号に置き換えてまで存在し続け成し遂げようとした事って、いったい何なのでしょう。

 もともとエンキ達は、目的があって生命体を進化させていたらしいです。それってつまり、人間を含めすべての生き物を、単なる道具として使おうとしていた、という事になる? これは、「人間」である響達にとって見過ごせない事のように思えます。
 シェム・ハが反乱を起こしたのも、それが原因だったりするでしょうか。そうなのだとしたら、シェム・ハは人間やすべての生命に対して、「生きる」権利を与えようとしているのでしょうか。(「生きるのをあきらめるな」という言葉はこの辺りに起源がある?)実際にどうなのかは、これから描かれていくのかもです。

 ところで、エンキが翼やマリアと対話する場面では、最初にエンキが言葉をチューニングして彼女達に聞こえるようにしていました。「統一言語」で話せないのは、やはり「バラルの呪詛」のせい? でも、神とも言える存在であるエンキにとっては、呪詛を乗り越えて翼達に語りかけるなんて簡単そうな気もしますけれど、実はそうでもないとか? エンキやシェム・ハ、フィーネの力関係がどうなっているのかは気になる所です。
(また、「エンキ」という名前は、遺伝子を構成している「塩基配列」を連想させるような。こちらも生物の進化と関係が深い? もしくは、バベルの塔にも通じる「エテメナンキ」という言葉との関係もありそうでしょうか。この話数では、同じようにバベルの塔との関連のある「マルドゥック」という言葉も出てきていますし、何かだんだん物語が核心に近づいてきているのかもです。)

 言葉といえば、ちょっと関係ないかもしれませんけれど、ヴァネッサ達の言葉遣いもやや気になります。ミラアルクは、ここでは(ここでも?)かなりぶっ飛んだ言葉遣いをしてますね。これは本作の特徴なのかもです。
 それと、ヴァネッサとエルザは、時々それぞれ「フンガー」とか「ガンス」と発音している気がします。これはどうも、アニメ化実写ドラマ化された作品のキャラ達の口癖らしいです。そのキャラというのは、フランケンシュタイン、ドラキュラ、人狼がモチーフにされています。機械化された体のヴァネッサ、コウモリのような翼で空を飛べるミラアルク、オオカミのような耳やたてがみ、しなやかなしっぽをもつエルザも、特徴は似ているかも。何かその作品へのオマージュとかがあるのでしょうか。

 さらにもう一つ、言葉というと、この話数のサブタイトルにも「コトバ」と書かれています。このサブタイトルの文は、新約聖書の言葉、「はじめに言葉ありき 言葉は神とともにあり 言葉は神なり」といった所に通じるように思えます。言葉をばらばらにしてしまった「バラルの呪詛」、言葉の中に自分の存在を移し込んだシェム・ハなど、「言語」に関係する物事が多く描かれていますし、この辺りが物語のポイントになるのかも。またそこに、「音楽」や「歌」がどう関わってくるのかも、作品の見所になるのでしょうね。

 とまあいろいろ書いていますけれど、ここで一番注目したいのは、未来が話す場面があった事ですね。前回第10話の記事で、未来の言葉が聞けていないと書きましたけれど、ここでほんのちょっとではあるものの聞く事ができました。

 彼女がシェム・ハに体を乗っ取られたのは、未来が望んだ事でもあったようです。けれど今はそれを後悔しているみたいですから、今の状態は彼女が願っていたのとは違うものなのではと思われます。

 以前の話数で、未来の姿で現れたシェム・ハは、響を突き放すような態度をとっています。未来にとっては、自分が響に対してそうしてしまったというように感じて、自分の選択は間違いだったと感じたのかも。

 未来が、シェム・ハの器になってでもしたかった「望み」とは何だったのでしょう。未来と響が離ればなれになるきっかけとなった第5話(もう6話分も前ですね。あれ以来2人は離ればなれ(第8話とかでは少しだけ会う事ができましたけど)だなんて、、、)の辺りにもヒントなどがあるでしょうか。未来の事ですから、ささやかな、でもとても大事な思いがそこにはあるような気がします。
(というか彼女達には早く再会して、以前と同じようにいちゃついてもらいたいものです。まあここまで待たせるのであれば、彼女達のそのような親しい結びつきが、この後感動的に描かれていくのでは、と期待したくなります。)

 途中の場面で、響は圧倒的なパワーで機械の群れを倒しています。最初響達は、翼を援護するために月の遺跡へと飛び込んでいく事になりましたが、その後、何かを感じたのではないかという気がします。
 この先へ進めば必ず未来がいる。そう予感したからこそ、彼女はあれだけの力を発揮できるのかも。響と未来、2人の女の子達がお互いを求め合う気持ちで、道を開いていけると良いですね。

・「戦姫絶唱シンフォギア」レビューリストレビューセンター

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