グランベルム プリンセプスのふたり 第１３話

　テレビアニメ「グランベルム プリンセプスのふたり」、第１３話「世界で唯一のふたりのために」です。

　消えてしまった満月が託した、ジーグァンロンの力を使い、新月はマギアコナトスへ到達しようとします。けれど、水晶は素早く追いつき、再び激しい戦いが繰り広げられます。

　新月は、戦いに勝ちたい気持ちはとても強いのでしょう。でも、勝って魔力を手に入れた後どうするつもりなのかについては、悩んでいたのではという気もします。以前の生活の中では、魔力を消し去りたいと願う気持ちが強かったものの、満月との日々に楽しさを感じるようになり、魔力がなければ満月が存在できなくなると意識した事で、自分の決心が揺らぎ始めたとも考えられそうです。

　その結果として彼女はどうしたのか、については、あまりはっきりとは語られていない感じですね。新月や他の女の子達の生活が描かれていますけれど、魔力が存在している状況でもいない状況でもこの場面は成り立ちそうに思えます。

　魔力がなくなったら新月の「存在が不安定になる」という、ややぼかした言い方になっているのも、どちらともとれそうな曖昧さを与えているのかもです。まあその辺りは見る側で考えて、というメッセージなのでしょうか。
　新月の暮らしぶりは、どことなく以前の満月の生活ににている気がします。こんな風に、立場を変えて繰り返される世界は、果たして彼女達が求めていたものなのかどうか、と考えさせられてしまうかもです。

　ところで、戦いの場面（だけじゃなくその後の場面も含めて）で、空気を読まずに水晶が復活してきたりしないかと（期待しているわけではないです）気になっていました。これまでの戦いの中で、いろいろな人から様々な攻撃を浴びせられて、コックピットで苦しそうな表情を見せても、「なぁんちゃって」と言って無傷で復活してきたという実績(?)があるので、そういうパターンもあったりするのかなと。
　そのため（以前別の記事にも書きましたように）、そちらの方ばかり気にしてしまって、作品の作り手が伝えたいと考えているかもしれない内容がなかなか聞こえてこなくなっている感じもしちゃいます。実はそれも狙いだったりするのでしょうか。
　もし水晶が完全に打ち倒されたと示す場面を作るとしたら、例えば、「なぁんちゃって」と言いかけている時に対戦相手が痛烈な攻撃をヒットさせるとか、あるいは言っている途中で本人の体に異変が起き始めるとか、そういう描き方も必要になるのかな。一時的にステージアウトしていてかなり後になってから復活するというパターンの場合も、何かこういう演出が必要になるかもです。

　さて百合的には、、、。満月と新月の関係に期待したい所ですけれど、今の状態ではなかなかそこまでは行かないっぽいでしょうか。彼女達が愛を分かち合うためには、満月が、新月の思い通りに動く人形という立場から脱却する必要がありそうです。が、そういう雰囲気はあまり描かれていないようにも見えます。例えば、新月では思いつかないような事をするとか、新月の気持ちを無視してわがままを言うとか、個性を見せつけるような振る舞いが必要そうですけれど、満月のキャラ的には難しかったりするのでしょうか。それに、たとえそういう振る舞いをしたとしても、その先に恋愛感情が表現されていなければ百合的とは言いづらくなりそうです。

その場合期待したくなるのは、希望と寧々、でしょうか。これまでの話数の中では、希望が寧々にいちゃついていって、寧々はうるさがっているように見せながら実は喜んでいる、みたいな構図がある気がします。
　この話数にあるように、２人の立場が変わったとしても、気持ちが変わらないのだとしたら、彼女達のいちゃいちゃをもっと描いてもらいたいかもですね。例えば、見た目にも大きな差がある寧々に、希望が果敢にアプローチして、寧々の方は、お姉さんぶりながらも希望に触れられてまんざらでもない表情を見せる、とか。実は菜々や美々達が見ていない所で、２人は愛し合っちゃっていたりするえしょうか。

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