グランベルム プリンセプスのふたり 第6話
テレビアニメ「グランベルム プリンセプスのふたり」、第6話「魔石」です。
グランベルムの戦いで、ジーグァンロンを操る寧々を、ホワイトリリーで倒した満月。その寧々が満月の通う学校に突然姿を現します。寧々は、満月がどこの家系の魔術師の子孫でもない事に驚きつつも、彼女のこれからの戦いを手助けすると申し出るのでした。
新月は満月に、グランベルムについてまた一つ事実を明かします。戦いのフィールドには魔力が満ちていて、それを使う事で、参加者達はアルマノクスを操り、強い攻撃を繰り出せるのだとか。
満月の率直な感想は、皆が魔力を使えるならそれでいいんじゃないか、別に荒そう必要はないのでは、というものでした。確かにそんな気もしますね。
新月は、魔術師候補が最後の1人になるまで戦い続ける事を、マギア・コナトスが望むから、戦わなければならないと言っています。けれど彼女の言い方は、どこか実感がこもっていないというか、何となくそう言われているからその気になっているだけ、のようにも感じられます。新月も、満月のように、一度先入観を捨て去ってシンプルに考えてみると良いのでは、とも思えますね。そうしたら案外、戦いなんて無駄な事をしなくても皆で魔力を分け合い、自分達の望みを実現していけるようになるのかもしれません。
(実際ジーグァンロンを操る寧々は、魔力の使い方をうまく制御する事で、戦わずに1年以上もフィールドに参加し続けられたわけですし、戦いが望まれているとは言い切れない気もします。満月なら、そういう点に気づいて、戦わずに魔力を分け合う方法を実践していけるのでは、とも思えます。、、、けど、彼女は、自由にアルマノクスを操って戦える事に喜びを覚え始めているらしく。少なくとも今は、戦いをやめさせようとは思っていないのかもです。)
サブタイトルにもある「魔石」は、より強い魔力を発揮するために必要なアイテムらしいです。グランベルムにとっては重要なものっぽいですが、その割にはこれまであまり詳しく説明されてこなかった気もします。そのためなのか、魔石を持つフーゴ家内部の事情や、アンナが抱いている怒りに似た感情、彼女に対してこれまで新月がとってきた態度の意味など、けっこう物語の大きい部分があっさりと描かれてしまったような印象もあったり、、、。まあこれからもいろいろと、魔術師候補者達やその周囲の人達の関係性がたくさん語られていくのでしょう。
(それにしても新月とアンナの間にあった出来事が、ここで語られたもので全部だとすると、アンナとしては相当見くびられた気分になったでしょう。また新月も、大事な事をずっと黙っているという行為はあまり良くないような。でも2人とも、落ち着いてお互いの誤解を解けるような行動ができるほど大人にはなりきれたいないのでしょうね。だから、アンナは気持ちをかき乱され続けていたのでしょうし、新月も胸の中に苦しい思いを抱え続けてきたのかもです。)
そういえばフーゴ家では、ロサはまだ働けているようですね。グランベルムからステージアウトしてアンナに閉め出されたような描き方がされていましたけれど、普通に使用人の1人として仕えているのかもです。(彼女は戦いへの参加券を失っただけで、魔術師の家系特有の「術」とかはまだ使えるのかな?)
彼女と同じくアンナの「弟子」としてフーゴ家にいる水晶は、何かを察知している様子です。彼女は周りの人達には言っていない目的を持っていそうで、それもこれから明らかになっていくのではと思われます。彼女が歌っていた歌にも意味がありそうです。
九音は、水晶とは違って、自分達の内情を満月や新月にすんなりと教えています。姉の四翠の病状や、自分が何のためにグランベルムに参加しているのかなど。
一時は協力関係だったものの、いつかは戦わなければならない相手に、自分の弱みにつながりそうな事をあれこれ伝えてしまうのは、自分の立場を危うくさせるだけのような気もします。それなのに九音が自分の事を話したのは、、、体調を崩して冷静な判断ができなかったとか、それとも満月達とは駆け引きなしで堂々と戦いたかったとか、じゃなければ、ずっと寝たままで自分の顔を見てくれない姉と2人きりで生活し続けなければならない寂しさを誰でもいいから誰かに知ってもらいたかった、とか、、、。またはそういうのは置いておいて、自分のためだけに誰かが作ってくれた手料理を久しぶりに食べて温かい気持ちになれた、なんていう理由も考えられそうでしょうか。
彼女達はそれぞれ、自分自身の強い願いをかけた戦いに挑んでいます。でもそれ以外の部分では、ごく普通の女の子なのかもしれません。同じぐらいの年頃のかわいらしい女の子がいたら、仲良くなりたいと思う気持ちは自然にわいてくるのでは。彼女達が本当に求めるのは、そういう穏やかな暮らしをし続ける事、なのかなとも思えます。
寧々も、九音と同じように、自分の素性を満月達に明かしています。その上満月に協力するつもりがあるようにも言っています。
彼女は、グランベルムの結末がどうなるのか知りたいらしいです。それ以外にもたぶん、自分を打ち負かした人間には勝ち進んでいってもらいたいという気持ちがありそうに感じます。
少し気になっているのは、寧々に勝った満月が、彼女の願いや、願いにまつわる過去のいきさつを知ってしまった事を、寧々本人は知っているのかどうかという事。戦いに参加する人達の願いはプライベートなものも多いようですから、それを他人に知られるのは嬉しくないのではという気がします。寧々がそこをわかっていて満月に協力しようとしているのか、それとも全く知らないのか、その状況によって、この後の彼女の対応が変わってくる可能性もありそうに思います。
仲良くしている希望の姉の満月だったら、別に自分の事を知られてもかまわない、と寧々は思うでしょうか。寧々の中で希望がどれぐらいの位置づけにあるのか、希望に何かあった時に寧々は自分の力を尽くして彼女を救おうとするのかなど、気になる点はあります。彼女達の間に、お互いに友達以上だと思う感情が芽生え、育って行っていると良いですね。
またここでは、寧々の妹の菜々と美々もやって来ています(香港から正式に移住してきたのでしょうか?)。彼女達にとっても希望は好みのタイプ(?)っぽいですし、希望は、林の家の姉妹達に愛されまくっちゃうかも?
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