戦姫絶唱シンフォギアXV 第8話
テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギアXV」、第8話「XV」です。
とらわれた未来を助け出すために、チフォージュシャトーに残っていた自動人形(オートスコアラー)のガリィ達の手を借りて突き進むエルフナイン。ですが廃棄躯体であった自動人形達は、特殊な血液で力を得たヴァネッサ達に次々と倒されてしまいます。追い詰められたエルフナインは、助けてくれたガリィ達に報いるため、秘めていた力を振り絞ります。
この話数のサブタイトル「XV」は、第5期の作品名から付けられているもの、ですよね。これまでの作品を思い返してみると、第4期の第12話が「AXZ」、第3期の第12話が「GX」、また第1期の第12話が「シンフォギア」とされています。(ちなみに第2期「~G」の第12話は「撃槍」というサブタイトルです。頭文字は「G」、でしょうか。)物語の根幹に関わる部分で大きく展開するエピソードでは、作品名が使われているのかも、と思われます。
それがだいたい第12話に集中しているのに対して、この「~XV」では第8話で早くも使われています。確かに大きな展開がありましたけれど、、、まだ話数は続きますし、この後いったいどうなっていってしまうんでしょうね。
(装者達も、第1話の時以上とも言えるチームプレイを見せていますし、全力を出して戦いに挑んでいる気がします。この後これを上回るような相手が出てきたら、どうしたら良いのか、という点も気になります。)
姿を現したキャロルは、エルフナインがこれまで、自分の中に残された彼女の要素を少しずつ集めて復活させたもののようです。エルフナインは人工生命体として作られましたが、遺伝的な構造はキャロルや彼女の予備躯体と共通しているみたいですから、一時的に体を明け渡す事はできるのでしょう。それに第3期の第13話でキャロルが(キスで(!))伝えた情報も、役立っているのではと思われます。
なぜあの時、キャロルは自分の情報をエルフナインに渡したのでしょうね。いつかよみがえって今度こそ世界を分解させよう、とはもう考えないでしょうし。、、、自分の記憶は消却し尽くしてもう一握りしか残っていないけれど、それを提供する事で、人工生命体だったエルフナインに、1人の人間として生きる権利を与えた、とか。または、もう消えてなくなってしまう自分が、確かに生きていて、苦しい経験もしたけれど楽しい事もあったのだと、誰かに憶えていてもらいたかったから、という事もあるでしょうか。
本当の所は彼女自身しか知りません。でも少なくとも、自分が呼び起こされるタイミングが、「シェム・ハの腕輪」が起動されそうなこの瞬間だとは想定していなかったはず。再び自分の意のままに動けるようになったこの時、彼女がどう振る舞うべきなのかは、自分自身の責任で決めなければならないのかもしれません。
それにしても、しばらく見ない間にキャロルは相当性格がまるくなった感じですね。自分が操っていた自動人形に対してさえ感謝の言葉を述べそうになるほどです。こんな風になれたのは、エルフナインの中にあって、エルフナインの目を通して、響達装者やS.O.N.G.のメンバー達の戦いや普段の生活でのつながりを見守ってきた結果なのかもです。
(ところで前回第7話では、ガリィ達はエルフナインの事を「マスター」と呼んでいました。本当のマスターはキャロルなわけですけれど、自動人形達は勘違いをしている? エルフナインがチフォージュシャトーにいた頃は、目覚めていた自動人形はガリィ辺りだけみたいですから、エルフナインの事を、予備躯体に入ったキャロルだと思っている、とか、、、。いえ、たぶん、キャロルと同じように自分の信念を貫こうとするエルフナインこそは、自分達にとってのマスターなのだと、ミカ達は感じているのかも。)
ヴァネッサ達との戦いで、キャロルは相手を圧倒しています。まあ考えてみれば、70億の絶唱を凌駕する力を持ち、錬金術師の中でも頂点に近い位置にいた彼女と、パヴァリア光明結社の中でも最下層にいてさげすまれ続けてきたヴァネッサ達とでは、比べる以前の問題なのではと思えます。
少し気になっているのは、ヴァネッサやミラアルク、エルザは、レイア、ガリィ、ミカやファラ達「廃棄躯体」の自動人形を見下していたりしないか、という事です。自分達がずっと見下されてきたというのなら、そうされるのがどんな気分なのかはいやというほどわかっているはず。それでも自分達がちょっとでも上の地位に立ったとたん、下にいる者をあざけるような態度に出たりしないでしょうか。第7話で、S.O.N.G.が持ち出した証拠物品を奪おうとして失敗したのも、慎次が強力な現代忍術の使い手だという可能性を考えず、ただの人間だと侮っていたからなのでは、、、? 彼女達が本当にそういう性格の持ち主なのかどうかはまだよくわかりません。これから響達と(拳で?)対話する中で、彼女達の本当の人となりがわかってくるのかもしれません。
響は、以前の戦いで力を使いすぎたためなのか、ここでもなかなか目覚めません。彼女が夢の中で見たのは、自分の前から離れていく未来の姿。
これは響の夢での出来事ですから、現実とは直接の関係はありません(それとも、原罪から解き放たれたという2人は何か通じ合う事ができたりする?)。ここでの未来の振る舞いは、響が最近経験した未来とのやりとりが元になっていると思われます。
以前第2話で、未来は気になる事を言っていました。本人は冗談っぽく語っていましたけれど、彼女のその言葉が、響の胸にずっと引っかかっていたのかもしれません。
未来は、本当に何の気なしにああいう事を言ったのでしょうか。それともずっと前から予感めいたものがあったのでしょうか。もし、あの時未来が言っていたような事が起きたとして、どうしたら良いのでしょう。響は重大な決断を迫られる事になるのかもです。
エンディングでは、これまで描かれてきた未来と響のふれあいが、短いカットで次々と描かれています。これが、第1期から第4期まであちこちのエピソードから拾われているのですよね。
こんな風に並べてみると、キャラデザとかもあれこれ変わってきているのがわかります。ですが、それがかえって、彼女達の一緒に過ごした時間の長さを感じさせます。学校で、街で、寮の部屋で。お風呂の中や、ベッドの上でも。こんなにもいろいろな場面で、彼女達は見つめ合い、語り合ってきたのですね。
そのすべてが、この話数の最後の場面を迎えるために行われてきたのか、、、。そう思うと、胸が締め付けられるような気持ちになります。
けれどそうではない、と思いたいですね。未来にも響にも、もっと先の輝く未来があるはず。それを実現させるためには、彼女達2人が、自分達自身の手で、チャンスをつかみ取っていかなければならないように思えます。苦しみを乗り越えてそこに到達する彼女達の姿を見てみたいですね。
(百合的には、響の夢の中で未来が言っていた言葉に反応してしまいます。「もう友達じゃいられない」というのは、自分が「悪い事」をしてしまうかもしれないから、と言いたかったのかもしれません。が、この部分を、「友人関係ではいられない」と言ったのだと考えると、それはつまり「恋人関係になりたい」という意味なのかな、と思えてきてしまったり。しかもこれは響の夢の中ですので、響にもそういう気持ちがあって、だからこそこういう言葉が出てきたとも考えられそうです。彼女達にははっきりとそういう関係になってもらいたい所ですけれど、そこはどうなるでしょうか。)
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