グランベルム プリンセプスのふたり 第７話

　テレビアニメ「グランベルム プリンセプスのふたり」、第７話「ミス・ルサンチマン」です。

　フーゴ家に伝わる魔石が何者かに奪われました。アンナとクレアの母親は重傷を負い、アンナは行方不明です。満月と一緒に駆けつけた新月は、彼女がフーゴ家から去ってからすべてがおかしくなった、と新月に詰め寄ります。新月を責めるように話すクレアを、満月は思わず制止しました。

　ルサンチマンとは、フランス語でressentiment、哲学用語で、弱い者が強い者に抱く憎しみという意味らしいです。サブタイトルに「ミス」と付いているのは、アンナの事を意味しているのかもしれません。（でも「ミス～」なんて言われると、まるでルサンチマンな人の代表みたいな感じもしたり、、、。アンナがルサンチマン代表だと本人が聞かされたらどう思うでしょうね。）

　アンナも最初は、家の事とか跡継ぎの事などいろいろな理由から新月に対抗していたとも考えられます。けれど今となってはそういう事はもう関係ないらしいです。でもそういう気持ちは、自分が意識していないだけで、実は意外と最初の頃から抱いているもの、だったりするでしょうか。何にしてもアンナは、新月と対決したがっているようです。

　それに対して、新月は、今までの話数でも言い続けてきたように、アンナは自分に勝てないと話しています。そこまで言える理由は、それだけ強力な術を新月が操れるから、らしいです。

　それほどの自信は、どこから来るのでしょう。新月は、今ある力を身につけるための努力は特にしなかった、と言っています。いつの間にか強い力が使えるようになったから、誰にも負けない、という意味？

　でも、いつの間にか備わった力なら、いつの間にか失われてしまう可能性もありそうです。新月としては、小さい頃から、高校生になる今までずっと力が維持できたから、この先も変わらない、と考えているのでしょうか。

　仮に魔力が維持できるとしても、術者の側の力量はどうでしょう。新月は、フーゴ家の魔石を使おうとするアンナに対して、強い魔力を扱うには術者の技量が必要らしい事を言っています。新月本人がこれから、けがや病気で体力を維持できなくなったり、年齢を重ねて衰えていったりしたら、魔力を使いこなすのは難しくなるのでは、という気もします。（もしかしたら寧々と同じように見た目の年齢が変わらなくなる（＋けがも病気も一切しない）のろいがかかっていたりする？　（そういえば第６話では、戦いの後、九音は体調を崩していましたけれど、新月はそんな様子はなさそうです。））

　術者が使える魔力が一時的にでも弱くなる可能性はいろいろありそうですけれど、新月は変わらずに自分の強さを主張しています。これほどまで言えるのは、何か確証があるからなのかもしれませんね。
　これまで何度も、自分の能力を下げるための努力を繰り返してきて、それでも全く強さが変わらない、もしくはより強くなっている。そんな事が、嫌になるほど続いたから、自分はもう負けない人間なんだと考えるようになった、とか。

　その割には、戦いの最中にちょっと危うくなるような場面も見えてきています。新月は、炎と氷を自在に操るアンナに追い詰められた時、フィールドに少し手を加えてアンナの気をそらし、ピンチから抜け出しています。
　もし圧倒的な力を持っているなら、こういうその場凌ぎな技は使わずに、正々堂々と真正面から圧倒しても良さそうな気はします。本当はこの時、アンナの力の方が新月を上回っていたのでは？　とも感じられます。（考えてみれば、第４話辺りではジーグァンロンの攻撃にひるんだりもしていましたね。こういう所からも新月の力の度合いがわかりそう？）
　それとも、やはり本当は新月の方が全然強かったのでしょうか。その力量があるのにああいう感じの目くらましみたいな技を使ったら、アンナの気持ちをかえって逆なでしそうにも思えます。新月は実はアンナをおちょくっている、、、なんて事はないですよね。（「私に◯◯を出させたのだ。胸を張れ」みたいなせりふも悪役っぽいですけれど。）

　以前第３話で、新月が満月といっしょにいて、アンナに頬を叩かれそうになった時、新月はアンナの手を止めて殴らせませんでした。でも別の場面で、アンナの家族が見ている前で同じような状況になった時は、新月はあっさり殴られていました。これだと、アンナがいつも新月に暴力を振るっていて、新月は黙ってしたいようにされている、みたいな印象を家族に与えてしまいそうです。それが新月の狙い、、、とは思いたくありませんけれど、新月の行動はどこか妙な感じですし、ストーリー上彼女の振るまいに注意する必要があるのかもしれません。

　百合的には、、、この話数でのアンナから新月の感情は、百合な雰囲気とは別物のようです。希望が寧々の家で小籠包を作る時、寧々にちょっかいを出していたのは、かまってほしいから、なのかも？

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