« 戦姫絶唱シンフォギアXV 第3話 | トップページ | キラッとプリ☆チャン 第67話 »

2019年7月25日 (木)

スター☆トゥインクルプリキュア 第24話

 テレビアニメ「スター☆トゥインクルプリキュア」、第24話「ココロ溶かす! アイスノー星の演奏会☆」です。

 夏休みに入ったものの、暑さでぐったりしているひかる。夏休みの宿題もはかどらない様子です(これはいつもの事、なのかな?)。一方でまどかは、夏休み2日目で早くも宿題の半分を終わらせたそうです。でもその表情にはどこか憂いが漂っていました。

 まどかは、ピアノのコンクールでは、正確無比な演奏で常にトップであり続けているようです。彼女が優勝する事には誰も文句を言いません。ですが、まどか本人には、何か引っかかる思いがあるようです。

 まどかが目を奪われていたのは、表彰台にさえ上らなかった女の子でした。審査員の評価は間違ってはいなかったのかもしれませんが、一つ一つの音に感情を込め、一生懸命鍵盤を叩くその子の事を、まどかは気になっていたようです。

 一番にまどかの印象に残っていたのは、その子の笑顔、ですね。うまいとか下手とかは関係なく、音楽を演奏する事自体が嬉しくて、抑えようもなくあふれてくる笑顔。それが、まどかにはうらやましくて仕方なかったのかもしれません。

 確かにまどか自身も、ピアノを始めた頃は、同じ感情を持っていたのでしょう(だからこそ笑顔が気になったとも言えそうです)。それがいつの間にか、、、失われた?

 香久矢家の人間なら優勝できて当たり前。それどころか1位以外などあり得ない。そういう風に育てられてしまったのでしょうか、彼女は失敗だけはしないために、何事にも全力で取り組んでいます。(まどかの父親も、別に家柄を鼻にかけて娘につらく当たっているわけではないのではと思われます。香久矢家には人々を導いていく役割がある、という使命感から、自分にも家族にも厳しい目標を与えているようです。)

 彼女の中では、ピアノにしても弓道にしても、トップになる事が目的になってしまっていたのかもしれません。自分の楽しみのために、とは考えられなくなっていたのかも。

(何というか、ひかる達の中ではまどかだけが、ずっとつらい状態にいるような気がしてきてしまいます。ひかるは、父親が1年中ほとんど家にいませんが、会えばいつでも仲良くできていますし、離れていても気持ち(と口癖)は一緒です。えれなは、弟達や妹達が悩んだりする事もありますけれど、両親とも朗らかで、大家族の愛情にあふれています。ララは、家族についてはまだほとんど語られていませんが、惑星サマーンでは彼女は一人前の大人として扱われていますし、彼女は自分の意志でロケットに乗り地球までやって来ています。ユニは、親とも言えるオリーフィオをはじめとした惑星レインボーの仲間達を石にされてしまっていますが、そうなる前までは、他の星の人々に迷惑をかけないように仲間達だけで穏やかに暮らしていました。
 こうしてみると何か、まどかだけが、生まれた時から家柄を背負わされ、誰にも頼れず、悩みを打ち明けられる友達も作れず孤独に人生を過ごしてきているように見えてしまいます。今はひかる達がいますけれど、それまでの彼女の寂しさをいやしてあげられるような人(女の子)が必要なのでは、という気がします。同じ学年で、観星中の「月」、「太陽」と並び称されるえれなとかがお似合いのように思えます、、、。彼女達の関係は進展していくでしょうか。)

 プリンセススターカラーペンを探してアイスノー星に来たひかる達は、ユキオの願いを聞き入れて、アイスノー星の女の子、イルマを笑顔にさせようとします。その楽しませ方に選ばれたのが、音楽なのですね。演奏ならまどか(ユニ(=宇宙アイドル マオ)は歌うのがメインなので)、というように役割を与えられてしまったまどかは、これまでと同じように自分の使命を果たすために演奏に取り組もうとするわけですが、結果は、、、となっていきます。

 この話数では、まどかは自分が自分らしく生きていくためにはどうするべきかを知る事ができたように思えます。でもそれは気づいただけで、まだ実際にそういう生き方をしたりそのおかげで喜びを手にしたりするまでにはなっていない感じもします。

 まどかが、本当の自分らしさを手に入れるまでには、もっと超えていかなければならない壁があるような気がします。それらをすべて乗り越えて初めて、今のひかる達と同じ場所に立てるようになるのではないでしょうか。
 いつかそうなれるとして、その時は既にひかる達がまどかを置いてもっと先に行ってしまっている可能性もありそうです、、、。そんな事にならないよう、まどかのそばに誰かが寄り添っていてあげられると良いのでは、という気がします。その誰かが、同い年ぐらいの女の子で、その子と親密な関係を築いていけると良いように思います。

・「ふたりはプリキュア」レビューリストレビューセンター

|

« 戦姫絶唱シンフォギアXV 第3話 | トップページ | キラッとプリ☆チャン 第67話 »

百合レビュー」カテゴリの記事

作品 ふたりはプリキュア」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 戦姫絶唱シンフォギアXV 第3話 | トップページ | キラッとプリ☆チャン 第67話 »