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2019年7月 6日 (土)

戦姫絶唱シンフォギアG オープニング曲「Vitalization」

 テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギアG」(第2期)のオープニング主題歌、「Vitalization」のレビュー記事を書いてみたいと思います。

 最初に力強く歌い上げられているのは、胸に秘めた感情を解き放ち、点にまでも響かせようという相手への呼びかけのように感じられます。響の視点で考えれば、この相手とは、同じ装者である翼やクリスとも思えますし、気持ちを通じ合わせたいと願っている未来なのではという気もします。第2期では、特に後半で、響の身を心配する未来との関係が重要になってきますし、この歌はやはり響と未来をイメージしているものなのかもと思えます。

(それだけに、(これまで何度も書いてしまっていますけれど)歌詞の一人称が「僕」なのがやはりちょっと、、、。第5期「~XV」の主題歌「METANOIA」ではこの辺りはどうなっているでしょうか。)

 なお、この曲には、オープニングの部分に弦楽器のアレンジが入ったバージョンもあります。作中でも使われていて、響達に重大な事態が迫っている感覚が、不安げなコードで表されていますね。このバージョンは「Aufwachen
Form」と呼ばれていて、歌を担当されている翼役の水樹奈々さんのアルバムSUPERNAL LIBERTY」に収録されています。

 続いて流れるメロディは、低く押さえつけるような音階がメインになっています。特別な人に心惹かれてじっとしていられなくなる気持ちが歌われていきますが、その後は、求める相手に手が届かない切なさも聞かれます。アニメでのこの部分の映像では、クリスが何かに触れようと手を伸ばしてもがく場面が描かれています。第1期を通じて響達と同じ道を歩むようになった彼女も、第2期が始まった時には自分の居場所がなくて(何しろ少し前まで敵対していた二課のメンバーと一緒に戦う事になったわけですから)心細かったでしょう。その心情がこの場所の歌詞には映し出されている気がします。

 やがて旋律はサビへとつながっていきます。「虹」や「飛び立とう」など、視点を空に向けるような歌詞になっている感じでしょうか。
 虹という言葉も、シンフォギアの装者達、響、翼、クリス、マリア、調、切歌、それに未来を暗示している感じですね。第2期が始まった時は、未来はシンフォギアシステムとは直接関わりがない位置づけだったわけですけれど、その後、、、となる時には、この歌詞が重要な意味を持ってくるのでしょうね。

 続いて2番の冒頭ではうちひしがれたような叙情的なメロディの中で、悲しみに沈み「飛び立つ」事ができない主人公の心情が歌われています。何かに迷って前へ進めずにいるみたいですが、それを打ち破るのが、「愛」なのですね。

 第2期本編の中でも、有名な(?)「なぜそこで愛?!」というせりふがあるように、愛は言葉で語られる場面は少なくても、登場人物達の胸の中には常にあるものなのでしょう。

 またこの後の展開が熱いです。体が震えるほど「君」への深い愛情を抱いている主人公。その望みは、相手との間にあった誤解やすれ違いを解き放ち、強く抱きしめて離さない事。2人でともに進む事なのですね。

 これはやはり、響と未来の事を表しているのでしょう。彼女達がこの第2期を通じて、同じ場所に立てるようになったのかどうかはまだはっきりと示されなかった感じではありますけれど、お互いの気持ちはよりはっきりとわかるようになったのではと思われます。

 第2期の最初の頃は、未来は響の友達の1人みたいな位置づけになってしまった気がして少し寂しい感じがしていました。が、後半になるにつれて響と未来の結びつきが重要な意味を持ってきて、また彼女達のふれあいが印象的に描かれてくる展開になっています。この主題歌と併せて、やはり彼女達の関係は、物語の大事な部分になっている気がします。

・「戦姫絶唱シンフォギア」レビューリストレビューセンター

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