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2019年7月 3日 (水)

八月のシンデレラナイン 第11話

 テレビアニメ「八月のシンデレラナイン」、第11話「全国大会がはじまる」です。

 サブタイトル通り、女子硬式野球の全国大会が始まります。里ヶ浜高校は球場近くのキャンプ場をキャンプ地に割り当てられました。一部のメンバーは、バーベキュー設備も完備されたこの場所を気に入って大騒ぎしています。
 そこへ、同じ場所に宿泊し、1回戦の対戦相手でもある高校のバスが到着します。現れたのは、神宮寺小也香のいる清城高校のメンバーでした。

 清城は、監督の起こした不祥事で去年1年間活動ができなかったのだそうです。そのためでしょうか、2年生の部員はいません。でも、影響はそれだけではないのですね。
 一応1年生の部員はいるようですが、3年生と1年生とでは実力差が大きすぎて、チームのバランスをとるのが難しくなっています。絶対的な部員数もこれまでよりは少なくなっているでしょうから、3年生だけではチームを作れず、かといって1年生を投入しても、入部数ヶ月では連携をとるのは簡単ではないでしょうし、2年も年上の先輩の前で萎縮してしまう事も考えられます。
 また、去年の実績がない分、周りに理解してもらって支援を受けるのも生易しくはないと思われます。遠征の費用を集めるのにも苦労したのではないでしょうか。

 何もかもが逆境でしかないこの状況で、それでも小也香があきらめなかったのは、「名門 清城」を復活させるため、らしいです。伝統ある強豪校を、自分の代で落ちぶれさせては先輩達に申し訳が立たない、例えばそういう気持ちが、彼女の中にはあったのでしょうか。

 理由はどこかにあるとして、試合に勝ちたい、と思うのは、実は翼達と共通しているのでは、という気がします。ベストとは言えないコンディション、まだ野球が上達していないメンバー、そういう中で彼女達は、力をぶつけ合っていきます。

 キャンプ場で夕飯を食べている時、小也香と翼が話し合う場面があります。「甘い友情」などでは大会を勝ち抜く事は決してできない、と言う小也香を、翼は否定しませんでした。
 翼自身も、リトルシニアの大会をはじめたくさんの試合を戦う中で、小也香と同じ経験をしてきた事でしょう。その上で出した答えが、今の里高での野球のやり方だったのかもです。野球初心者ばかりだから仕方なく、ではなく、仲間と熱く打ち込める何かを皆で一緒につかもうとする、そういう気持ちを持てる事を大切にしたい、と、翼は考えていたりするのかもしれません。

 ところで小也香は、第6話で翼と智恵のぶつかり合い(痴話喧嘩?)を目の前で見せつけられているんですよね。「甘い」友情なんて言葉を使ったのも、彼女達2人の事を特に意識したからなのではないでしょうか。
 小也香の目には、翼と智恵の関係はどんな風に見えたのでしょう。幼なじみ、クラスメイト、親友、同じ野球部の仲間、、、それぐらいの表現では片付けられないほどの、熱い、甘い、特別なつながりを感じたのではという気がします。

 女の子同士でそこまでの関係になれる相手は、小也香にはいるでしょうか。ちょっと気になっているのは、清城のキャッチャーをつとめる牧野花だったりします。
 花は、話している感じだと小也香の同級生(3年生)みたいです。名門復活を焦るあまり、自分だけでなく周りにもきつく当たってしまう小也香を、花は心配しています。それに、小也香が、野球初心者の他校生、智恵の練習につきあっているのを不思議に思ってもいるようです。
 花は、小也香についてはいろいろ知っているようですし、知らない事があればもっと理解したいと感じているように見えます。それは、ピッチャーである小也香の「女房役」のキャッチャーだから、だけではないでしょうね。花も、小也香と一緒に、熱い、甘い関係を作りたいと思っているのではないでしょうか。

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