キャロル&チューズデイ 第10話
テレビアニメ「キャロル&チューズデイ」、第10話「River Deep, Mountain High」です。
オーディション番組「MARS Brightest(マーズブライテスト)」は準決勝に突入しました。対戦カードは、GGK対アンジェラ、ピョートル対キャロル&チューズデイです。この対戦の結果、選ばれた2組が決勝に進出する事になります。
この話数でも出場者の歌とパフォーマンスが披露されています。やはり歌の場面になると、キャラの動きが細かく描かれていますね。ここがこの作品の一つの見せ所、なのかもしれません。
パフォーマンス前のインタビューでは、それぞれのキャラが、自分達の生い立ちや考え方を語っています。それぞれに背負ってきたものがあるからこそ、自分の主張を歌に込め、20万人の参加者の中から本戦、準決勝まで勝ち上がってこられたのでしょう。
そうではあるものの、1人1人のキャラが深く掘り下げられているかというと、そこまでではない感じです。主人公のキャロルとチューズデイに関わってきているのはシベールぐらいだけとも言えそうです(アンジェラは、キャロル達をライバル視していますが、2人と直接意見を戦わせるような場面はまだあまりない感じです)。(一緒に考えられるものなのかどうかはわかりませんけれど)絵の描かれ方の細やかさと、主人公との関係性がそれほど重なっていないためか、何か他の作品との感覚の差みたいなものが見られる気もします。
まあそれはアニメの作画の質の見方なだけかもですね。ストーリー的に、いろいろな要素が後で大きな意味を持ってきたりするのでしょう。
さて百合的には、ここでもシベールが、キャロルとチューズデイの前に姿を見せています。
彼女の場合、前回の記事にも書きましたように、恋愛的な気持ちからチューズデイに接しているのかどうかが気になります。単に支配したいだけなら、ちょっと百合とは別な感じもしますし。
そういった部分も、彼女の人となりなどがわかってくると見える事のようにも思えます。例えばこの番組の会場だけではなく、街でチューズデイ達がシベールと向き合うエピソードなどがあったりすると広がりが出てきそうですけれど、そういう展開にはならなそうでしょうか。
一方で、シベールの影響からでしょうか、キャロルとチューズデイの間のすれ違いが大きくなってきています。この関係に、これから集中していく事になるかもです。
キャロルとチューズデイは、これまでお互いの生き方にあまり干渉してきませんでした。相手にとやかく言う必要がないぐらい気が合っていたから、というのも理由としてあるのでしょう。同じ部屋に暮らして、一緒に音楽活動をしてきた彼女達は、いつもその事に一生懸命で、すれ違う隙がないほど同じ時間を過ごしてきたと言えそうです。
お互いが、相手と一緒にいるためにはどうしたらいいだろう、と考える必要もなかったのでしょう。だから、彼女達の間にちょっとした距離ができてしまうだけで、とたんにかみ合わなくなっているのかもです(キャロルも、「リズムが合わない」と独り言を言っています)。
シベールが意味深な様子で姿を消したため、チューズデイは慌てています。ここでキャロルが、本番直前だから彼女の事は他の人に任せよう、とか、シベールはチューズデイの気を引こうとしてるだけだから気にする必要はない、とか言って引き留めていれば、妙な事にはならないのかもしれません。
でもキャロルはそうはしませんでした。こういった辺りから、チューズデイとキャロルの関係がまだ弱い事がうかがえる気がします。
場合によっては彼女達は、今までになくぶつかり合わなければならないのかもしれません。けれどそれができれば、彼女達は今よりずっと近づく事ができるのではないでしょうか。
彼女達が、お互いに相手を大切に思っているのは間違いないでしょう。他の誰でもない、自分達だからこそ、安心できるし勇気もわいてくる。彼女達がそう感じられるようになると良いですね。
・「キャロル&チューズデイ」レビューリスト
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