戦姫絶唱シンフォギア オープニング曲「Synchrogazer」
テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」(第1期)のオープニング主題歌、「Synchrogazer」のレビュー記事を書いてみたいと思います。第1期の放送はかなり前ですけれど、今は第1期から第4期までの期間限定全話配信が行われていて、この曲も聴くチャンスが増えていますので、、、。
この曲が最初に流れてくるのは、第1話のエンディングです。この第1話がかなり濃い内容になってますね。
雨の中泣き崩れる未来、使命を帯びて歌う翼と奏、「ライブ会場の惨劇」で傷を負いやがて何か邪悪とも言えそうな力を宿す響。また、奇怪な姿をしたノイズの攻撃、歌いながら戦う装者、技が決まるたびに技名の文字が画面いっぱいに広がる演出などなど、、、。追いつくのが難しいほどめまぐるしく展開していくエピソードの後、作品を象徴するようなこの曲が始まります。歌っているのは、翼役の水樹奈々さんです。
最初の歌詞「Listen to my song」を、天にも届くほど高く歌い上げる所から、この作品の世界観に引き込まれていきますね。響達は、最初はギアをまとっていても飛行する能力はありません。その代わり彼女達の歌が、願いを乗せて空へ解き放たれていく感じがします。
その後曲調は熱を持って積み上げられていきます。歌詞でも、「誰よりも熱く 誰よりも強く」とか「震える心 揺さぶればいい」など、激しい気持ちが包み隠さずつづられています。ストーリーの怒濤の展開、だけではなく、登場人物達それぞれの胸の中に渦巻く熱情が表されているようです。
「生まれた日から 出会える日を」や「ともに奏でた」の辺りは、翼と奏の関係を示している雰囲気もあります。1番の歌詞は、もしかしたら彼女達の生き方を示しているのかもしれません。
これに対して2番の歌詞では、「触れあうたび もどかしさが」や「傷つけないように 傷つかないように」など、相手との距離感や、相手を思うがゆえに何もできなくなる自分の姿が見えてくるようです。これは、途中までの響と未来の関係を暗示しているでしょうか。
テレビ放送のオープニング映像では、1コーラス目だけが流れるわけですけれど、その中でも、すれ違う彼女達の様子が描かれていますね。通り過ぎる響に、未来は手を差し伸べようとしてためらっています。その背後には暗い闇が広がって、、、。このカットを見た時、これは未来が闇に染まって良くない事が起きるのでは、なんて思ったのですけれど、そこまでにはならなかったみたいです(その代わり第2期では、、、)。
サビの所では、「もう二度と君を離さないよ」と歌われています。これは響の、または未来の、決意の表れなのでしょう。
その後、曲は間奏に入るわけですが、この部分も激しいですね。音階がだんだん上がりながら、さらにスピードもアップし、限界と思われる域を突破してさらに上へ、そしてついには裏返ってしまうほど上昇していきます。こういうメロディの感覚が、この作品を盛り上げているように思えます。
間奏が落ち着いた後に響く歌声は、装者達の心情が表されているようです。何があっても大切な人のために歌う、響達のそんな気持ちが感じられます。
といった感じで、熱く感動的な歌になっていますね。この歌が始まると、作品の熱量がすぐに湧き上がってくる感じがします。
(ところでこの歌の歌詞では、一人称が「僕」とされています。作中でメインになるキャラにはボクっ娘はいないので、この一人称だけはちょっと違和感を覚えてしまったりします。(特にオープニング映像では、地面に降り立った翼と響が上を見上げるカットにちょうど「僕ら」という歌詞が重なって、彼女達もそのように歌っているように見えます。)一人称が別になっていると良いかもですけれど、これはなかなかそうはいかないのでしょうか。)
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