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2019年5月 2日 (木)

戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITEDキャラクターソングアルバム1

 スマートフォン用ゲーム「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」より、ゲーム中で使用されている楽曲を集めたアルバム「~キャラクターソングアルバム1」を聞いてみました。

 このゲームでは、原作アニメ「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズと同じように、装者と呼ばれる特殊能力を持った人物が歌を歌う事で力を発揮できるようになります。ゲーム内では、テレビアニメ版のキャラソンが使われている他、ゲームオリジナルの楽曲も取り入れられています。それがこのアルバムに集められているのですね。(楽曲自体は追加されているためこのアルバムに収録し切れていない楽曲もたくさんあります。)その楽曲について、収録順に書いてみたいと思います。

1.逆光のリゾルヴ(天羽奏(CV:高山みなみ))
 タイトルだけでなく、歌詞の中にもちりばめられている「逆光」や「黄昏」という言葉からは、アニメ第1期第1話で描かれたライブの場面を思い起こさせます。歌の雰囲気からも、奏がどういう気持ちで戦いに向き合っているかを感じさせますね。
 その中でも、歌唱ユニット「ツヴァイウィング」を結成していた相手、翼を思わせる部分もあります。「背を見つめる者」の辺りは、装者である事にまだ不安を抱いていた翼に勇気を与えようとしている感じです。「翼が描いたあたしでいる為に」は、弱音を吐きそうになっても、自分を頼りにしてくれる翼が思い描いている強い自分であり続けるために、自分を奮い立たせているように感じられます。奏も翼も、お互いに相手がいるから、このつらい状況を生き抜こうとしているのだと思えます。
(ところで、この曲の歌詞には、「神様も誰も知らないヒカリで創る歴史」という部分があります。7月から放送予定の第5期「戦姫絶唱シンフォギアXV」のロゴには、別の記事にも書きましたように、英語で「Create a history, with the light God could not know」と書き添えてあります。この言葉と、曲の歌詞の意味が何となく近いような。この辺りに、第5期のヒントもあったりするでしょうか。)

2.裸になって、、、夏(マリア・カデンツァヴナ・イヴ(CV:日笠陽子))
 タイトル通り開放的(?)で明るい陽差しを感じられる曲ですね。マリアは、第2期「~G」でF.I.S.とともに世界に宣戦布告し、その後身柄を拘束されてから、第3期「~GX」では、行動を監視される意味も含めアイドル(=偶像)として翼と同じ芸能活動をする事となります。その立場にいる彼女の歌、という雰囲気もありそうです。

3.永愛プロミス(小日向未来(CV:井口裕香))
 曲全体を通して打ち出される激しいビートは、固く閉ざされた扉を開こうとたたき続ける音のように感じられます。この曲をモチーフとしているゲーム内イベント「翳り裂く閃光」では、聖遺物ギャラルホルンの力で並行世界へ渡った未来が、その世界にいる響を闇から救い出そうとするエピソードとなっています。その時の未来の心情が、この曲にははっきりと描かれている気がします。
 「再びキミに歌う」や、「もう二度と泣かせない」という歌詞には、未来と響が過去に苦しい経験をした事、それを乗り越えて再び結ばれようとする気持ちが感じられます。曲の後半、最後の部分に向かっては、未来の強い意志が、歌詞にも、また未来の歌い方にも表されているのではないでしょうか。
 第2期の未来のキャラソン「歪鏡・シェンショウジン」では、戦うたびにガングニールに侵食されていく響を見守るしかできない悲しみと、何とかして助けてあげたいと願う気持ちが入り交じった曲調でした。それに対してこの曲では、どの世界の響であろうと、自分が彼女を助けるんだという前向きな思いが感じられますね。響とともに未来も、強さを身につけていっているのかもです。
(この曲では、Aメロ前には、未来がまとっていたギア、シェンショウジンを起動する時の聖詠のようなメロディが流れています。また、2番の途中には、「歪鏡・シェンショウジン」のオープニングのようなメロディが聞こえてきます。楽曲の間のつながりがあるようで、世界観の広がりが感じられます。
 また、ゲームで使われている「永愛」のシンフォギアカードのデザインでは、ウェディングドレス(!)のような見た目のギアをまとった未来の姿が描かれています。必殺技のエフェクトも、まるで披露宴のキャンドルサービスのような雰囲気、、、。曲の歌詞には「I love you」というコーラスも入っていますし、もう未来と響は結婚しちゃってもいいですよね。)

4.SAKURA BLIZZARD(雪音クリス(CV:高垣彩陽))
 タイトルに「SAKURA」とあるように、桜の花吹雪が舞うような和風な曲調となっています。が、歌詞の方は、いかにもクリスらしいアグレッシブで挑発的な内容になっていますね。歌い方もパワフルです。

5.誰かのためのヒカリ(セレナ・カデンツァヴナ・イヴ(CV:堀江由衣))
 マリアの妹、セレナの楽曲です。彼女はアニメ版では、第2期の回想場面に出てくるぐらいで、ギアをまとう場面も描かれてはいません。ほとんどマリアの記憶の中だけで登場するはかなげな存在です。(ゲーム版では並行世界で生存している彼女が登場しています。)その彼女らしいと言えるでしょうか、2分半という短い楽曲ですが、可憐なメロディが奏でられています。
 歌詞では、「小さなハート」や「大好きとはにかむ」といった言葉が出てきています。これは作詞家の人がセレナをイメージした言葉、とも言えそうですが、歌っているのはセレナですから、セレナ自身が自分のあり方や振る舞いを自分で理解した上でそう言っている、ともとれてしまいそうです。
 それだとセレナはあざとい女の子なのでは、と見なされてしまうかもですけど、実際は違うのでしょう。セレナは姉が大好きで、姉にも自分を愛してもらいたいといつも願っているのではないでしょうか。姉に気に入ってもらい、姉のそばにいさせてもらうためにどうしたらいいのか彼女なりに考え抜いて行動しているのかもです。
 聖遺物アガートラームを持つ彼女も、姉と同じように戦う力を与えられています。命を落としてしまうかもしれない戦いの場であっても、彼女は愛する姉とともにありたいと感じているのかもしれません。

6.此の今を生きて(セレナ・カデンツァヴナ・イヴ(CV:堀江由衣))
 続けてセレナの曲となっています。こちらも3分ぐらいの短い曲ですね(ゲーム版ではどの曲もだいたい1コーラス分が流されるため、ゲーム専用の曲ならこの長さでも良いのかもです)。
 歌詞には、「命が燃やされ尽きて」や「儚き一瞬」など、失われゆくものが表されている気がします。和テイストな曲調と相まって刹那的なはかなさを感じさせます。また、メロディの中にたくさんの歌詞が詰め込まれているのも、生き急いでいる雰囲気です。
 でも、あたら命を費やしてしまおうという思いは彼女にはないのでしょう。「番う(つがう)」という言葉には、愛する相手と力を合わせる意識を感じます。その相手と寄り添い合って、未来を迎える気持ちが、彼女の中にはあるのではないでしょうか。

7.サンタが街にやってくる(暁切歌(CV:茅野愛衣))
 有名なクリスマスの歌を、切歌が歌っています。アニメ本編では冬のエピソードはあまり描かれていませんけれど、もし彼女達がクリスマスを一緒に過ごす事になったら、切歌は率先してイベントを楽しむかもですね。

8.ご奉仕、、、メイドモード(月読調(CV:南條愛乃))
 調のメイド型ギアにちなんだ楽曲となっています。歌詞には、「ご主人様」に「ご奉仕」する様子が描かれていますけれど、彼女自身は、誰かに仕えるという雰囲気はあまりないような気もします。誰かの役に立つ事で自分の胸に芽生える暖かみを知った彼女は、愛する人を笑顔にするために力を尽くすのかも。
 他の歌詞には「ギコギコキュイーン」といったものもあります。彼女のまとうギア、シュルシャガナはのこぎりのイメージですし、彼女の醸し出すそこはかとないサディスティックな雰囲気が、この歌にも表れている感じです。

9.疾風迅雷(風鳴翼(CV:水樹奈々))
 こちらの曲も和風になっていて、翼のイメージに合っていますね。言葉遣いも古風ですし、歌い方も他の楽曲とはちょっと別っぽいです。でも、歌詞の中には「友」という言葉が何度も出ていますし、志を同じくする仲間とともに戦いへと向かう彼女の姿が浮かんでくるようです。

10.エンドレス☆サマータイム(立花響(CV:悠木碧))
 大好きな人と一緒に夏を楽しむ、一緒に生きていく。大変な事があっても2人でなら乗り越えられる、そういう気持ちが歌われている雰囲気です。響にとってその人とは誰なのかというと、、、。歌詞に「永愛」と記されている事からも、未来の事を思っているのでしょう。成長して大人になっても寄り添っていたい、という気持ちが感じられます。

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