キャロル&チューズデイ 第1話
テレビ放送が始まったアニメ「キャロル&チューズデイ」を見てみました。第1話のサブタイトルは「True Colors」です。
人々が火星に定住するようになった未来。火星の田舎町、ハーシェルシティに住むチューズデイは、生まれて初めての家出を決行します。持ち出したのは、大きなトランクと、ギターケース。大都市アルバシティへ向かう最終列車に飛び乗ります。
アルバシティで一人暮らしをするキャロルは、いつも何か物足りなさを抱えながら生活していました。その日も、路上演奏をしますが、誰にも見向きもされません。ところが気づくと、目の前に1人の女の子が、目を潤ませて立っていました。
物語の舞台は未来ですが、人々の生活は現代とそれほど変わっていないようです。「ググる」や「インスタ」といった単語も出てきていて、文化的にも近いものがありそう?
それに、GibsonやNordなど現代に存在する楽器メーカーの名前が出てきています。またシンディ・ローパーといった実在の人物名も語られていますね。
(ちなみにこの話数のサブタイトルにもなっている「True Colors」とは、シンディ・ローパーの歌のタイトルらしいです。)
街の雰囲気といい、別の惑星ではあっても地球とあまり変わらない環境で物語は展開するのかもです。
ストーリー紹介によると、音楽などのエンターテインメントはAI(人工知能)が作り出しているそうですけれど、人々が全く創作活動をしなくなったわけではないようです。アンジェラのような女優もいたりするようです。
それと、キャロルが橋の上でキーボードの演奏をしていた時、警察官が彼女を見つけて「ここは路上演奏禁止だぞ」と言っています。まだ路上演奏の存在自体が忘れ去られているわけではなさそうなので、この世界観では、人間が音楽を演奏する事はある、という意味なのでしょう。作詞作曲をする人間はいない、とかなのでしょうか?
ともかく、偶然であったとしても、キャロルとチューズデイは出会いました。もうその瞬間から、彼女達は共鳴し合っていて、2人で音楽したい、という気持ちでいっぱいになっている感じですね。
都会でしたたかに生きるキャロルなら、突然目の前に現れた見ず知らずの人間を、信じて自分の部屋にまで上げたりはしないはず、と思われます。ところがチューズデイは簡単に連れ込んでいます。
それはなぜなのでしょう。チューズデイの見た目は、服は高級そうだけどどこか田舎くさく(失礼)垢抜けていない感じなので、キャロルの目から見ても相手は無害そうだと判断できたのかも。
そしてもっと重要なのは、2人が抱えてきた思い、自分に欠けている何かを求める気持ち、皆に伝えたい言葉、それに彼女達自身の感性が、とてもマッチしていた事なのでしょう。それに、自分を補ってくれる何かを相手が持っている、と感じられた事も大きいかもしれません。
挨拶や身の上話などすっ飛ばして、彼女達は本能のままに音を奏で重ね合わせます。寝る事さえ惜しんで傾けた情熱は、確かに何かを形作っていくのでしょうね。
2人そろった彼女達は、何者かになれるのでしょうか。答えは彼女達も知らないでしょう。でもこの先、何かを起こせそうな予感が、彼女達の中にはありそうです。
さて本作で気になるのは、百合的にどうなるかという事、、、。他の誰とも違う、この人しかいない、というものは、彼女達はお互いに対して見つけているような気がします。それがやがて、もっと特別な感情に変わっていく、とか?
彼女達の場合、自分達が主張したい事とか、音楽を作り出す素晴らしさとかを、たくさんの人達に知ってもらいたい気持ちが強いように感じられます。彼女達は常に寄り添っているかもしれませんが、目を向けている先はお互いではなく、一緒に未来や周りの人達を見ているのかもという気がします。こういう場合、彼女達はお互いに「仲間」という意識を強く持っているのでは、とも思えます。そうなると百合的には発展しなさそうな勢いですね。でも実際にどうなるかは、この先を見てみないとわからないのでしょう。
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