スター☆トゥインクルプリキュア 第９話

　テレビアニメ「スター☆トゥインクルプリキュア」、第９話「友情のリング！ スタードーナツ☆」です。

　前回第８話では、宇宙でのミッションを成し遂げたひかる達。全部で１２本あるプリンセススターカラーペンを集めるという目標に向けて、皆の気持ちはますます高まっています。

　が、まどかの表情は冴えません。いえ、表情だけではないですね。授業の時も生徒会活動中も、いつもの彼女らしくない様子を見せています。
　周りは、珍しい事もあるものだ、ぐらいに感じているみたいです。けれど本人の方は、自分でわかっていてもどうする事もできない、苦しい状況に陥っているようです。

　政府の役人であるまどかの父親は、この頃多発している宇宙人目撃騒動を調査しています。謎の飛行物体や宇宙人というのは間違いなく、自分達の乗っているロケットやララ達の事。もし見つかってしまったら何が起きるかは想像もできません。それに、宇宙の条約の関係で、ララ達が宇宙人だとばれたら、地球にはいられなくなってしまいます。
　これは、第５話の辺りでも問題になっていた事ですね。もしかしたらまどかは、彼女がプリキュアになって以来、ずっとこの悩みを抱え続けてきたのかもしれません。

　そんなにプレッシャーなら、プリキュアをやめてしまえばいい、、、。まどかは、そんな風には決して考えないでしょう。星空界を救う、そのための力が自分に与えられているのなら、全力で立ち向かう気持ちがあるのではと思われます。

　問題なのは、この事実を父親に隠さなければならない事なのかなという気がします。父親も自分も、それぞれ間違った事はしていないはずなのに、自分の抱えているものを打ち明けられないのは、今まで正直に生きてきた彼女にとってはつらいでしょう。
　それだけではありません。父親の鋭い眼力で、いつ自分の秘密を見破られてしまうのかと思うと、常に緊張していなければならなくなってしまいます。本当は相談したいのに、知られてはいけない、この矛盾した考えが、彼女を悩ませています。

　では結局、この話数で何かが解決したのかというと、、、全く何も変わっていないように見えます。相変わらずまどかは板挟みの生活を強いられそうです。

　それでも、彼女の表情は明るくなっていますね。それは、ひかるやララ、それにえれなが、自分に手を差し伸べてくれているから。自分を見守り応援してくれる人がいるとわかったから、まどかは前向きに、今の状況を受け入れ、その上で問題を解決しようとする気持ちになれたのかもです。
　これからもまどかは、難しい立場に居続けなければならないようです。でも、素晴らしい仲間達のおかげで、ひるむ事なく進んでいけるような気がします。

　この話数では、まどかとえれながちょっとだけ近づけている感じがします。スタードーナツを食べる場面で、まどかは私服姿のえれなに出会っています。まどかが制服以外の服装のえれなを見た事があるのかどうかはわかりませんけれど、弟や妹達に囲まれて太陽のように穏やかな笑顔を浮かべるえれなの様子は、何かまどかの胸に響くものがあったように思われます。
　それに、えれなのお気に入りの場所に連れてきてもらったまどかは、景色の美しさに癒やされているみたいです。いつものような自動車での登下校では、こういう気分にはなれなかったでしょう。

　まどかを街へ連れ出してくれたのはひかるとララでしたが、ベンチに座った時は、ひかるとララ（とフワ、プルンス、えれなの弟や妹達）とは離れた場所に、まどかとえれなは座りました。彼女達はひかるより年上で、しかも学校では同じクラスです。４人の中では、まどかとえれなの距離感は近いのではないでしょうか。

　４人の関係については、第６話では「南十字座（南十字星）」と表現されています。オープニング映像では、ポーズを決めた彼女達が十字型の光に包まれ飛び立っています。それに、まどかがプリキュアに変身する時にも、彼女の胸に十字型の光が輝きますね。

　十字型の星座は、縦に並んだ２つの星と、横に並んだ２つの星を線で結んで形作られます。４人の中では、ひかるとララ、まどかとえれなが、この星のように結ばれているのでは、という気がします。

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