やがて君になる 第7話
テレビアニメ「やがて君になる」、第7話「秘密のたくさん/種火」です。
生徒会主催の演劇の脚本を作るための参考にしたいから、と、友達の叶こよみは侑に、燈子の人となりについて質問しています。文武両道で人当たりも良く完璧な人、と皆が知っている通りの事を言ってはみますが、実際の燈子が違う面を持っているのを侑は知っています。それを友達にも教えられない事に、彼女は少し歯がゆさを感じているようです。
前回第6話の時、沙弥香が燈子に出会ったのがいつなのか気になっていました。この話数の語られ方によると、2人が初めて会ったのは高校に入ってからだったようですね。
そうなると、沙弥香は、今から7年前に起きた燈子の姉の出来事を知ってはいても、その場に居合わせたわけではないと言えそうです。7年前の出来事の前まで燈子がどういう子供だったのか、姉の何が彼女に影響を与えたのか、については沙弥香もわかってはいないのでしょう。であれば、沙弥香の言う事がすべて本当で、にわかに知り合いになったばかりの侑が燈子に感じている事は間違っている可能性がある、とまでは言い切れないような。それどころかこの話数で描かれている様子では、高校入学の時からずっと一緒にいる沙弥香よりも、侑の方が、本当の燈子に近い場所にいる感じがしますね。燈子と本当の意味で愛し合えるのはやはり侑しかいないでしょうか。
というかそれよりも沙弥香の過去が、、、。かなり百合ですね。沙弥香って、女性同士の交際については知らないか、もしくは知っていても非現実的だと考えるタイプなのかと勝手に思っていたのですけれど、そうではなさそうです。
中高一貫のお嬢様学校で、中学生の時に、沙弥香は「先輩」と知り合い、恋仲になりました。それまでの彼女は、女の子同士の関係なんて考えられなかったみたいですが、先輩との関係はどんどん深くなっていったのですね。
ところが、という出来事があって、沙弥香は高校生になる時に別の学校へ進学します。そこで彼女は、燈子と出会うのでした。
沙弥香が女性同士の恋愛しかできないと感じるようになったのは、先輩のせいだけではないのではと思えます。沙弥香がどこへ行っても、周りに魅力的な女性がたくさんいるから、というより沙弥香自身が相手の魅力に気づきもっと近づきたいと願うようになる感性を持ち合わせているから、とも言えるような気がします。
その事について、後ろ向きになりやるせない気持ちになってしまったとしても、それも自分自身の選択なのでしょう。自分が誰を愛し何をしたいのか、その意味を素直に受け取れるようになれれば、自然と自分の進む方向は見えてくるのかもしれません。
この話数では、大人達がそのヒントを沙弥香に与えてくれています。それにしても侑達の学校の教師の箱崎理子と、喫茶店「Echo」のマスターの児玉都が、、、こんなに近い所にもカップルがいたのですね。
(沙弥香も、理子がカップに口をつける様子とかを見て2人の関係に感づく辺り、なかなかなのでは。)
そういった感じで、これまでは侑と燈子の関係が、物語の大部分を占めている感じでしたけれど、ここで一気に百合が展開している感じです。こんなにあちこちで女性同士の恋愛感情が花開いていると、やはり華やかですね。話数的にも1クールの折り返しになっていますから、ここから怒濤の百合ラッシュになっていってもらえると良いかもです。
特に、沙弥香関係はエピソードが盛りだくさんになっているような。前回もそうでしたし、ストーリー紹介を見ると次回も彼女にまつわる出来事が巻き起こりそうです。
彼女については、スピンオフノベル「やがて君になる 佐伯沙弥香について」が発行されています。第2巻も5/10に発行予定ですし、彼女の過去から現在に至るまでには、たくさんの語られるべき百合がありそうです。
ところで、この話数では、エピソードを印象づけるキスシーンがいくつか描かれています。これからも様々なシチュエーションで女の子同士のキスが繰り広げられていくと麗しいビジュアルになりそうです。
その時は是非、2人の女性が恋愛関係にある事を示す記号としてだけのキスではなく、2人の間でつながり合っている所や、反対に離れてしまっている所などを象徴するようなキスの仕方の演出などがあると素敵なのではと思います。愛のあふれる、ドラマティックなキスシーンで作品が印象づけられると良いですね。
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