私に天使が舞い降りた！ 第１２話

　テレビアニメ「私に天使が舞い降りた！」、第１２話「天使のまなざし」です。

　前回第１１話の最後からの続きで、花達のクラスの劇が始まります。タイトルは「天使のまなざし」です。

　この演劇（ミュージカル？）は、作中のちょっとしたエピソードみたいなものではなく、かなり本格的に描かれていますね。花達が歌う歌も、メロディや音を伸ばす部分などが、小学生の演劇向けどころではない雰囲気です。
　流れる音楽が豪華だったり、天使達が空を飛んじゃったりするのは、そういうイメージ、という事なのでしょう。（途中の場面で香子と友奈の小学生ではない姉妹が出てくるのもイメージ、でしょうか。）まあ少なくともみやこにはそう見えているのかもです。

　ストーリーは、、、人が地上に、天使が空に住む世界が舞台です。天使は人々に愛をもたらすため、地上を見守り、天使の矢を使って人と人とを結びつけています。
　そうして続いていた世界の中、天使のアネモネが天上に新しく現れます。他の天使達に助けられながら、アネモネは天使のお仕事を始めます。
　ある日、地上を見守っていたアネモネは、パン屋を始めようとしている２人の女の子を見かけます。その中の１人、デイジーに、アネモネは惹かれていきます。
　彼女の前にアネモネは姿を現し、２人は仲良しになります。楽しい日々は続いていたのですが、アネモネが天使だと知ると、デイジーは、２人がずっと一緒にいられない事を嘆き、会うのをやめてしまいます。
　落胆してしまうアネモネ。でもやがて、彼女はある決心をします。

　アネモネの役を花が、デイジーをひなたが、カルミアとカルムとマリーを乃愛が、スイを小依が、レンを夏音が担当しています。マリーの髪型がみやこそっくりなのは、アニメの脚本的な意図でしょうか、それとも乃愛辺りが仕掛けた？

　ちなみにアネモネの花言葉は、「あなたを愛します」、「あなたを信じて待つ」など、デイジーは「無邪気」、「希望」など、カルミアは「優美な女性」、「野心」など、睡蓮は「清純」、「信頼」などとなっています。アネモネやデイジー達の性格だったり、花やひなた達のキャラなどを思い浮かべながら見てみると面白いかもですね。

　劇のストーリーは、、、これって完全に百合ですよね。天使には性別はないとも言えそうですが、人間のアネモネは女性になっています。その彼女と、デイジーやマリーとの関係は、友情という枠は軽々と超えて、深い愛にあふれている気がします。すべての人間を平等に愛さなければならない天使の役割を捨てようと考えたアネモネの、デイジーに対する気持ちは、もはや博愛ではなく恋愛感情だったのではと思えます。
（デイジーも、以前は恋に恋するような気持ちを抱いていましたが、アネモネと出会った事でその気持ちが本物へと変わっていったのでしょう。恋への憧れではなく、アネモネを愛する感情へと。）

　また、２人の女の子達の間にあるこの気持ちを、天使の側も人間の側も「いけない事」だとは決して言わないのも素敵なように感じます。彼女達が結ばれる事を誰もさげすんだり嫌な目で見たりはしません。そこにあるのは「試練」だけです。自分の居場所を抜け出して相手に会いに行く気持ちが本物かどうかが、そこで試されるのでしょう。

　この「天使のまなざし」は、花達のクラスの先生が考えた脚本なのだそうです。小学生の女の子達に百合な関係を広めるこの先生（本編の中にも登場しているあの先生、でしょうか）もなかなかのものかも？　まあ花達の学校は女子校らしいですし、人と人との間の愛情を語ろうとすると基本的にこういう形になってしまうのかもしれません。

　劇の後、みやこは花達に会います。が、連れて行かれた教室では、クラスの他の女の子達から握手攻めに。ひなたがいつも自慢している「みゃー姉」はとても人気があるようですね。
　ひなたの体面を保つためにも、何とか女の子達に応えたみやこ。その影響なのでしょうか、かなり疲れてしまったみたいです。

　かなりというのがどれぐらいだったかというと、花を目の前にしても写真を撮りまくったりする事もできないほど。これは彼女にしては珍しいかもです。

　でもそのおかげで、花と落ち着いて話し合う時間が作れていたのではないでしょうか。花の方も、あまり警戒する必要がなく、いつもより笑顔が多いように見えます。

　ここでみやこはまた、あの「もにょっとした気持ち」を感じています。それが何なのか、少しわかった上で、彼女はその感情を受け入れているようです。
　これでようやく、彼女も百合な方向性に進む気持ちの準備ができた、のでしょうか。花との間の年の差な女の子同士の関係がどうなっていくのか、気になる所です。

・私に天使が舞い降りた！ レビューリスト