スター☆トゥインクルプリキュア 第5話
テレビアニメ「スター☆トゥインクルプリキュア」、第5話「ヒミツの変身☆お嬢さまはキュアセレーネ!」です。
「観星中の月」こと香久矢まどか。父親は政府のお役人、母親は著名なピアニスト、本人もピアノコンクールで数々の賞を勝ち取る実力を持ち、そればかりか弓道の名手であり、お茶やお華などをたしなみ、学校では成績優秀で生徒会長も務める、正に才媛。学校では彼女に憧れる女生徒達が常に彼女を囲み、彼女の一挙手一投足に甘い溜め息や黄色い歓声を漏らしています。
実の所、彼女自身は真面目そのもので、父親の厳しい言いつけもきちんと守り、不審な物事は一つたりとも見逃しません。とはいっても彼女が周りの人に厳しさを押しつける事は全くなく、優しく接しているようですね。自分が模範となって皆を引っ張っていきたい、という願いを胸に抱き、いつでも清く正しくあろうと努めている感じです。彼女のそういう気高さや美しさが、強い魅力となって、女の子達を引きつけているのでしょう。
そんなかぐやが気になっているのが、下級生のひかる。というか彼女の周りにいる、観星中の生徒ではないララや、ぬいぐるみなのに空を飛んだり話したりしているように見えるフワ、リュックの形をしていたのに勝手に動き出したりしているプルンスなど。前回第4話でも、ほんの一瞬の動きを、かぐやは見逃していませんでした。
近所で宇宙人騒ぎが起きていると父親から聞かされていたかぐやは、何か関係があるのでは、と彼女を探します。結果として見つけたのは、公園の森に隠されたララのロケット。ララもフワもプルンスも、地球の外からやって来た存在でした。
ララ達こそが騒ぎの張本人だと感じたかぐやは父親に知らせようとします。が、ひかるは懸命になって彼女を引き留めようとします。
星々の条約に加盟していない地球人に存在を知られてしまったら、その宇宙人は地球にいられなくなる。切実な事情がララ達にあるのを、かぐやは知りません。
彼女の父親もそうでしょう。父親としても、人々の平穏な生活を取り戻すために騒ぎを調査しているのであって、別にララ達をひっ捕まえてこらしめようとしているわけではありません。条約の事を知らない中で、自分達のできる最良の対応をしようとしているだけです。
こんな様々な事情が絡み合っている所へ、さらにノットレイダーの軍団が攻めてきます。大量に投入された戦闘員達のおかげで、キュアスター達はピンチに。フワも狙われます。
この時のかぐやは、事件の全体像が飲み込めていませんでした。目の前に現れたスターカラーペンでさえ、地球上の産物ではないというのに、手を伸ばしてつかみ取り、「伝説の戦士プリキュア」などという得体の知れないものに変身してしまっても良いのか? かぐやのためらいはとても大きかった事でしょう。これは「プリキュアの資格」が問われる瞬間だったのではないでしょうか。
彼女はいったいどんな選択をしたのか、という所が、その後の場面で描かれていきます。彼女の戸惑いはまだまだありそうですけれど、やがて使命に目覚めていくのでは、と思えます。
この時のかぐやの選択には、ひかるが大きく関係しています。ひかるがかけた言葉に、かぐやは背中を押されたとも言えそうですし。それが良かったのかどうかは、少し考える必要がありそうにも感じられます。
途中の場面で、ひかる達からプリキュアについて聞かされたえれなは、「大変だね」と言っていました。闇の勢力、ノットレイダーの野望を退け、宇宙に飛び散ってしまった12人のスタープリンセスを救って星空界を元に戻す、なんて、いくら能力が高くても一介の中学生の女の子が簡単にできる事ではないでしょう。
ひかるはそれぐらい大変な役目に、かぐやを引き込んでしまったとは言えないでしょうか。プリキュアになって良かったと思えるかどうかは、この後のかぐや本人次第なのかもしれません。
少なくともかぐやは、フワやララ達の事を親に隠さなければなりません。これは、今まで何の隠し事もなく真っ正直に生きてきたかぐやにとってはとても強いストレスになる気がします。この事についてかぐやの気持ちが晴れるためには、いろいろな事をはっきりさせていく必要がありそうですね。
ところでかぐやの父親は、かぐやの言う事を聞き入れて事件の現場から去って行きましたけれど、そこで戦いがあったのを、本当に気づいていないのでしょうか。かぐやがこれまで嘘などついた事がなかったために、この場での言葉も信じた、のかもしれません。でもやはり父親ですし、娘の隠し事ぐらい見抜いているかもです。どちらにしても、かぐやはいずれ、父親にはっきりと本当の事を言わなければならないのでは、と思われます。
といった事情はあるとしても、これで4人のプリキュアがそろった事になりますね。彼女達は力を合わせて、困難を乗り越えていこうとするのでしょう。
ちなみにオープニング映像では、ポーズを決めた4人が十字型の星のような光を形作るカットが描かれています。でもその後降ってくる星は五芒星の形で、5つの光が中心から広がっているのですよね。これって、、、「5人目」が現れる暗示だったり? 実際にはどうなるでしょう。
(それと、ストーリーとは直接関係ありませんが、かぐやの胸がアップになる場面が何度も出てきていたような。かぐやが胸に抱いたフワをかぐやの視点から描いているだけ、とも言えますが、それにしては3回ぐらい同じ構図があった? 何かキャラを特徴付ける意味があったりするのでしょうか。)
もう一つ、この話数で描かれたキュアセレーネの変身シーケンスも素敵ですね。特に、キュアソレイユとの対比が見られる気がします。
ソレイユは、スターカラーペンを勢いよく円形に回し太陽を形作っていて、何か一気に燃え上がる炎のようなエネルギーを感じさせます。それに対してセレーネは、1回弧を描いたペンを鮮やかに反転させて小さな弧を作り三日月の形を浮かび上がらせていて、整然としながらも静かにみなぎるエネルギーを感じさせます。
この2人のコントラストは素晴らしいですね。彼女達が昔からの知り合いなのか、仲良しなのか、同じクラスなのかどうかもまだよくわかりませんけれど、彼女達が太陽と月のようにお互いを補い合いどんどん親密になっていくエピソードをたくさん見てみたいものです。
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