けものフレンズ２ 第１話

　テレビ放送が始まったアニメ「けものフレンズ２」を見てみました。第１話のタイトルは「きおくのかなた」です。

　どこかの建物の中、何かの機械に埋め尽くされた部屋で、１人の人物が目覚めます。崩れた壁から外へ出ると、そこはサバンナのような大平原。倒れていた看板には、「ようこそジャパリパークへ」と書いてありました。

　舞台設定や登場人物の雰囲気、ストーリーの流れなどは、第１期の第１話とかなり近い感じですね。記憶がなく自分の巣（家）がどこかもわからない、一人称が「ボク」の、男の子か女の子か今ひとつ不明なヒト（まあ人間じゃないかもしれませんけど）が、サーバル達と出会い、若干アバウトに名前を決められ、他のフレンズにも助けられながら巣を探しに出かける、とか。後半の展開も何だか似ている印象です。
　さすがにシリーズ全体で同じストーリーラインを繰り返すわけではないのでしょうけれど、第１話をここまで似せるのには何か理由があるのでしょうか？　今度の第２期で新しいエピソードが描かれるとしても、「やっぱり『けもフレ』はこうだよね」と納得して楽しめるような仕掛けが用意されているのかどうかは気になる所です。

　ところでこれだけ似ていると、ちょっとした違いがかえって目立ってきちゃいますね。キャラデザは（スタッフが一新した事もあって）ちょっと別になっている感じで、動きを（わざと？）かくかくさせて第１期風にしているイメージでしょうか。せりふでは、第１期のネタ(?)にもなっていた「食べないでー」も出てきてますけれど、何かとってつけたような雰囲気？　また、後半の逃げる場面では、フレンズが「建物」の中に隠れようと言うのですが、人間の文明をあまり知らないフレンズなら、建物という言葉は思いつかず、例えば「あの巣穴みたいなの」とか言ったりするのでは、という気もしてきます。それと、サーバルが戦う時って、爪を使っていたように思いますが、ここでは別の戦い方になってますね。

　そういう事から考えて、「～２」のジャパリパークは、第１期のものに似ているけど別の世界にあるものだった、という設定もあり得そうでしょうか。けれど、「～２」のサーバルは、第１期に登場するかばんを知っているっぽいんですよね。そうなると、物語は同じ世界で繰り広げられ、時間軸としては「～２」は第１期の後、となりそうです。その辺りが伏線になるエピソードなども描かれていくのでしょうか。

　後は、サーバルがかばんの事をほとんど憶えていない感じなのがやや衝撃でした。あんなに長い間寄り添っていて、たくさん笑ったり驚いたり苦労したりしながら、他のフレンズ達がいる時も２人きりの時も、一緒に旅を続けてきたかばんの事をはっきり思い出せないというのはちょっと寂しいかも、、、。
　フレンズの生態として、意外と忘れっぽいとか、実は何百年も同じ姿で生き続けられるためにいろいろな事がありすぎて昔の出会いを忘れてしまったとか、そういう設定もあるのかもしれません。けれど、第１期で輝かしく描かれたサーバルとかばんの記憶は、残っていてもらいたい気がします。

（第１話の前に放送された、作品をガイドする番組「＃０」では、ナレーションを担当された内田彩さんが、第２期にラッキービーストの声で参加する、とお知らせした後に、「え、それだけじゃないのお?!」と叫んでいました。これは、「～２」にもかばんが出てくるという意味なのでは、と思いました。けど第１話で、彩さんはラッキービースト以外に、第１期にも登場していたミライの声で、CM前後の解説のおしゃべりをされていました。もしかしたら「それだけじゃない」って、このミライの事？　何かの形でかばんにも登場してもらって、感動的なエピソードが描かれると良いかもですけど、どうなるでしょうか。）

　百合的には、、、やはり（第１期と同じように）今度のヒトが男の子か女の子かで変わってきそうですね。そこは視聴者の想像に任せるとかではなく公式的にはっきりさせておいてもらいたいかもです。
　サーバルとかばんの場合、第１話での追いかけっこ（狩りごっこ）と押し倒した後の息がかかるほどの距離感があったから、２人の関係が一気に親密になれたのではという気がします。今度の「～２」でも仲良く旅を続けていくのだとしたら、２人の距離を縮められるエピソードがあった方が素敵かも？