となりの吸血鬼さん 第2話
テレビアニメ「となりの吸血鬼さん」、第2話「灯の友達」です。
灯のクラスメイトで幼なじみの夏木ひなたは、灯の最近の行動が気になっていました。何と実家を出て誰かの家で同居しているのだとか。昔からおっとりした所のある灯の、大胆とも言える振る舞いを、ひなたは心配してしまうのでした。
灯の幼い頃を知っているひなたにとって、灯は、何かと危なっかしくてつい保護してあげたくなる存在だったようです。それがひなたの思い違いだったのかどうかは、当事者の彼女達にしかわからない事情なのでしょうけれど、少なくとも今の灯は、(第1話で「人形の館」を探しに夜に1人で出かけるぐらい)自分の目的のためなら押しが強くアグレッシブになれるみたいです(それがあやういのかもですけど、、、)。
ひなたはそういった部分にはあまり気づかなかったのでしょうか、灯の中のはかなげな可憐さや優しさを見て、いつでも灯を助けてあげられる強い人間になりたい、と思っていたのかもしれません。自分が苦手なものでも、灯の前では何でもないふりで強がってしまうのも、灯に頼られるためにはそうならなければならない、と、自分で決めたからなのでしょうか。
、、、灯は裁縫や料理が得意でいかにも大和撫子な女の子。それに比べて自分は、かわいらしくもないしがさつだし、、、という引け目みたいなものが、よけいにひなた自身を追い立てているのでは、という気もします。そこまで自分を取り繕わなくてもいい、素直な自分を見せても灯は受け入れてくれる、と信じられるようになれば、ひなたと灯の距離感はもっと縮まるようにも思うんですよね。いつかそういう日は来るのでしょうか? まあ、つい強がっちゃったり、何があっても灯ラブだったりするひなたというのも、ストーリー上は大事なのかもです。
(ところでコミック作品とかの場合、ひなたみたいな位置づけの女の子って、男子っぽい雰囲気(顔がきりっとしていたり話し方がワイルド風だったり)の場合が多いようにも思いますけれど、ひなたはそういう印象ではないですね。擬似的な男女関係みたいにはならず、女の子が女の子に惚れてる、という雰囲気が出ているのは百合的にも素敵なのでは、と思えます。)
ひなたを家に連れてきた灯は、友達の多さをソフィーに自慢していますが、でもそこまで言うほど多くないような、、、。灯が趣味の事ばかりにかかりきりで友達を作れていないのか、それともひなたががっちりガードしすぎて誰も立ち入れないのかはわかりませんけれど、ソフィーや(まだ登場していない)エリーとのおつきあいを手始めに、交友関係は広がっていくのかもしれません。
灯の別の友達、朔夜や夕(灯、ひなた、朔夜、夕、、、皆、光や明るさに関係する名前になっているっぽいですね)の出番が増えてくるまで、当面は、灯とソフィーの2人暮らしがエピソードのメインになっていきそうです。この第2話では、ソフィーが欠かさず見ているアニメの原作漫画家のサイン会に行くエピソードが描かれています。
(ちなみに原作のこの部分に当たる話数では、漫画家についてはあまり書かれていなかったように思いますが、アニメ版では情報が付け加えられていますね。漫画家の名前(ペンネーム)は「スルメ」、作品のタイトルは、「いもうととかあちゃんの相手は苦労する、、、」だそうです。描かれているビジュアルを見る感じでは、優柔不断な主人公の男子が、美人の母親と妹(見た目はそっくりです)にはさまれて苦労しながらもラッキーな経験をしまくる、みたいなストーリーでしょうか。ソフィーがこの作品のどこに惹かれたのかがちょっと気になりますけど、まあその辺りは深く考えなくても良い?
そういえば、ソフィーの本棚には、この作品の他に、「イカした彼女」というタイトルの本もありますね。「イカ」とか「スルメ」とか、何だか「イカ推し」が激しいような。原作本のタイトルも、「いもうと」と「かあちゃん」の頭の文字を合わせると「いか」になりますし、もしかしたらあちらの作品との関係が何かあったり、なんて?)
灯は深夜アニメにはあまり詳しくないようですが、ソフィーと一緒にサイン会の会場へ向かっています。彼女にとっては、ソフィーと一緒に街を歩ける事がとても嬉しいのですね。ここではちょっとしか寄り道できませんでしたけど、家の外でのソフィーとのふれあいを楽しみたい、と強く願っているのでしょう。(アニメシリーズの中でそういうエピソードが取り上げられていく事はあるでしょうか? もしそうなら、喜びでいっぱいの灯の姿(と、それを見てちょっと嬉しそうなソフィーの姿も)が見られるのかもです。)
でも、昼間に出歩くのは、吸血鬼にとっては大変な試練のようで。出かける前から周到に準備しているソフィーの様子を見て、灯も緊張してしまうようです。
実際に外に出てみて、ソフィーはどんどん体力が削られて行っているみたいです。そして、ちょっとした出来事から、とても危険な状況に。
この事は、灯にとってはとても怖い経験だったでしょう。吸血鬼の生態についてまだよくわからないですし、出かける前にソフィーがもしもの時の準備なんてしていたからよけいに心配になっていたのでは。
もしかしたらここでソフィーを失ってしまうかもしれない、、、。そう感じてああいう反応になってしまったのでしょう。
実際は、吸血鬼は意外とタフだったみたいです。けれど、これからは灯を心配させないためにも、ソフィーはもっと気をつけなければならないのかもしれません。
(今度の事で、灯も昼間にソフィーと出かけないようにするのでは、とも思うのですが、原作コミックでは、時々積極的に連れ出したりしているみたいです。暗い館の中や、夜の散歩とは違った素晴らしい場所がこの世界にはあり、是非ソフィーと自分とで一緒にそこへ行きたいという気持ちが、灯の中ではとても強かったりするのかもですね。)
灯とソフィーがサイン会の会場へ行く場面で、原作とはちょっと別の描かれ方がされている所があります。ソフィーが太陽の光を避けるために日陰を選んで歩いている途中で、日なたしかない道にさしかかりました。原作では、ソフィーが何も言わずに灯の影の方に場所を変えているのですが、アニメ版では、灯が自分の影の方へソフィーを誘っています。
ちょっとした事でも、困っているソフィーを助けてあげたいという灯の気持ちが表れているエピソードになっているのではないでしょうか。彼女達の間には、確かに強い愛情と結びつきがあるように感じられます。
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