ＨＵＧっと！ プリキュア 第１５話

　テレビアニメ「ＨＵＧっと！ プリキュア」第１５話「迷コンビ、、、？ えみるとルールーのとある日」です。

　ここでは、第９話に登場した愛崎えみるのエピソードが取り上げられています。プリキュアに憧れる彼女は、手作りのコスチュームを身につけ、「キュアえみる」と名乗ってご町内の平和のために尽くしているみたいです。
　彼女は、本物のプリキュアのように闇の勢力と戦うわけではなく、困っている人の手助けをしています。自分よりも他人の事を優先してしまう彼女らしい行動とも言えそうですね。第９話ではクラスメイト達に、意地悪をしているんじゃないかと誤解されかけていましたけれど、彼女自身は、他の人にどう思われようとも誰かを救いたい、という気持ちがあふれてしまうのでしょう。

　彼女がプリキュアの真似をしているのは、プリキュア達の行動に共鳴するものがあるからなのかもしれません。正体を明かす事もなく、危険な前線に立って傷つきながらも弱い人達を助けようとする、だけじゃなく、きらきらのかわいらしいコスチュームで華麗に振る舞う美人のお姉さん達の姿を見てしまったら、憧れないわけがないのでしょう。

（ところで、本作のプリキュアのキャラデザって、他のとはちょっと別になっている気がします。何というか、胸があるんですよね。
　通常のタイプだと、胸はあまり強調されていなかったり、大きなリボンがあしらわれて目立たないようになっていたりします。高校生プリキュアのムーンライトやショコラ辺りも、スレンダー(?)に描かれています。エール達と同じように「変身すると成長する系」のプリキュアだと、ミラクル、マジカル、フェリーチェ、エースとかがいますけれど、こちらも部分的な発育はあまり表現されていません。
　デザイン的には、ピーチやベリー、パイン、パッション、マカロンとかで表されていますでしょうか。胸のふくらみの描写については基本的にあまりしないのかもですけれど、本作では、はなの「なりたい自分」は「イケてるお姉さん」ですから、プリキュアになった時は、育ち具合も含めて彼女の憧れが反映されている可能性もありそうです。）

　さて人助けに余念がない(?)えみるが特に注目したのが、ルールーでした。これまでの町の人達とは明らかに違って、えみるはルールーにぐいぐい迫っています。えみるはなぜそこまでルールーにこだわるのでしょう。
　ルールーが深い悩みを抱えていそうな顔をしていたから？　それはそうかもしれません。でもそれだけじゃない、というのはどうでしょう。えみるはルールー本人にも惹かれていたりするのではないでしょうか。

　友達づきあいが苦手そうな（失礼）えみるが、あれだけ積極的にルールーに関わっていこうとしていますし、出会ったばかりの彼女を自分の家へ案内し、家族にさえ秘密にしている自分の趣味を打ち明けています。ルールーの気持ちをいやしてあげようとして思いついた精一杯の作戦だったとしても、何歳も年上に見える相手に、あそこまで自分をさらけ出して、もっと深い所で触れあおうとするのは、えみるが他の誰よりもルールーと仲良くなりたいと考えているからなのでは。

　ではそういう姿勢のえみるに対して、ルールーはどう反応しているでしょうか。常にクールな彼女は、えみるの暑苦しいまでのアピールに正直引き気味のようにも見えます。が、えみるの優しさや愛情に触れるたびに、はっとした表情を見せています。
　それと、えみるが、兄の偏見にさらされているのを見て、これまでに抱いた事もないような憤りを覚えています。えみるに指摘されて初めて気づいたルールーは、えみるを前にするとどうしてこんなに気持ちが動いてしまうのか、自分でもわからないみたいです。
（それにしても、えみるの兄の考えは、もう時代遅れとも言えそうです。けれどえみるにしてみれば、実の家族にこういう事を言われるのはとてもつらいのでは。ルールーが相手の立場をすべて理解するのは難しいかもしれませんが、えみるの事をいやしてあげられるようになると良いですね。）
　えみるのおかげで、ルールーは人を愛する気持ちに気づいていくかもしれません。そうなった時、彼女はどういう選択をしていくのかが気になる所です。

　といったストーリーがありつつも、全体にギャグテイストがちりばめられていますね。（一方でえみるが、オシマイダーの前に生身で飛び込んでいって闇の力の恐ろしさを思い知らされるというエピソードもあったりします。）えみるとルールーの掛け合いもテンポ良く進んだりします。

　けっこうはじけているのはえみるの方で、第９話とはまた別のキャラを見せています。「ギュイーンとソウルがシャウトするのです！」って２回言っちゃったり、ルールーと自分の新しいプリキュアユニット「えルっと！ プリキュア」を考え出したりしています。
（こうして「２人でプリキュアになりましょう」と言ってしまうと、フラグ的にはプリキュアになれないんじゃないかなと思ってしまったり。実際はどうなんでしょうね。）
　演出的には、本作ではこれまでにない感じとも言えそうです。これからまたこんな風に、ギャグな雰囲気のストーリーがあったりするのでしょうか？

　「ルールー・アムール」と「愛崎えみる」、２人の名前はちょっと似通っている気もします。フランス語の「アムール」という言葉の意味は「愛」、ルールーとえみるには「る」という文字が共通しています。まあもしかしたらそれだけなのかもですけど、２人は気持ちの上でもつながり合った女の子達なのでは、とも思えます。

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