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2017年8月 7日 (月)

キラキラ☆プリキュアアラモード 第25話

 テレビアニメ「キラキラ☆プリキュアアラモード」第25話「電撃結婚!? プリンセスゆかり!」です。

 ある日突然、ゆかりの前に現れた男性は、スイーツ作りが盛んなコンフェイト公国のナタ王子でした。街で見かけたゆかりに一目惚れし、自分のプリンセスにしたい、と結婚を申し込んできます。一緒にいたいちか達は驚き、もしゆかりがプリンセスになって自分達から離れてしまったら、と、寂しい気持ちになっています。

 本作では、なかなか百合的な展開が見られないと思っていたのですけれど、このエピソードはなかなかですね。作品の放送が1年間あるとすると、そのちょうど真ん中辺りでこういうストーリーがあったのは、けっこう重要かも。ここからは反転攻勢(?)で女の子同士の甘い関係がクローズアップされてくる、とか?

 まあそれはそれで期待しておくとして、ゆかりとあきらの関係は、着実に進展しているようです。中2チームのいちか、ひまり、あおいは3人でわいわいやっていて、そこへ新しく仲間になったシエル(=キュアパルフェ)が加わってよりにぎやかになっています。高2チームのゆかりとあきらは、これまでだと何かと2人で行動する場面がありましたけれど、これからは、単にプリキュアの中で同級生だから、とかいうのではなく、お互いに相手に寄り添っていたいから、という大切な理由を持って2人で一緒に居続けようとするのではないでしょうか。

 最初、キラパティにいたゆかりを王子が連れて行こうとした時、ゆかり本人は何も言わず手を引かれるままに歩き出していました。これはたぶん、王子や公国に興味があったから、ではないのでしょう。自分が連れて行かれようとするのを見て、周りにいる誰かが何かをしてくれるのを、見守ろうとしたのかな、と思われます。

 案の定待ったをかけたのは、メインヒロインのいちか、じゃなくてあきらでした。そこから、どういうわけか、あきらと王子の対決が始まります。

 この辺りからもう、ゆかりとあきらの関係が細やかに描かれていますね。連れて行かれそうになるゆかりをあきらが止めた時、ゆかりは密かに、嬉しそうに微笑んでいます。が、あきらが自分を引き留めた理由を聞いて、わずかに不満そうな(悲しそうな?)表情を見せています。
  この瞬間に、ゆかりは、あきらの中で自分がどういう位置づけにあるのかを知ってしまった気持ちになっていたのでしょう。たぶん彼女は、あきらにとって自分が、他の女の子達と同じ、例えば冒頭の場面であきらに群がっていた女の子達と同じ扱いをされているんじゃないか、と考えたのでは。

 そんな事はゆかりのプライドが許さなかった、というよりは、彼女の胸の奥に、あきらへの強い思いがあふれていたのかなという気がします。プリキュアとして一緒に戦う仲間である以上に、1人の女の子として自分を求めていてほしい、と。
 でももしそうだとしても、この場面ではまだ、ゆかり本人でさえ、そういう気持ちには気づいていないのかもしれません。あきらと王子の対決も、今までの彼女らしいやり方で、黙って眺めていようとしているように見えます。

 自分からは何も言わず、人の気持ちを試すような振る舞いをし続ける。ゆかりは、自分のそういう態度が、周りにどういう影響を与えているのか、だんだん気になり始めています。きっかけになったのは、あきらのやりとりだったのでしょう。

 あきらの方も、自分がどうしてこんなにゆかりにかまってしまうのか、考え始めているみたいです。いつも皆に対して優しく(言い方を変えれば「当たり障りなく」?)接しているのに、ゆかりのする事を見過ごせなくてつい強い言い方をする。あきらは理由を見つけようとしますが、彼女だけではうまくいかないみたいです。

 そこで背中を押しているのが、シエルですね。彼女はあきらの感情を、ずばりストレートに言い切っています。
 シエルのこの表現が当たっていたのかどうか、わかったのはあきらだけなのでしょう。でも後の場面での彼女の行動を見れば、結果ははっきりしていますね。

 あきらがこれまで抱いてきた愛情というのは、例えば病弱な妹を大事にする家族愛や、周りの人々に優しくする博愛のようなものだったのでしょう。それに対して、彼女がゆかりに抱いた愛情は、全くの別物だったのでは。

 ゆかりの方は、最後の方の場面で、「今まで恋をした事がない」という言い方をしています。これはつまり、これから恋をする可能性がある、というか今もうその準備ができている、と言っているようにも感じられます。お相手は、やはりあきらなのでしょう。

 といった感じでこの話数では、ゆかりとあきらのふれあいがドラマティックに描かれていますね。珍しくゆかりが取り乱したり弱みを見せたりする場面もあり、彼女の内面が掘り下げられている気がします。
(作品的には、ゆかりは「美人なおすましお姉さん」というポジションにいる感じでしたけれど、こういう風に彼女の本心が描かれているのを見ると、彼女はもっと別の描かれ方をしていきそうにも思えます。彼女の人間味のある魅力とともに、あきらとのエピソードが重ねられていったりすると面白そうです。)

 ゆかりとあきら、少なくとも2人は、お互いに相手が自分をどう思っているのかがわかった事でしょう。いちか達中2チームがまだ気づいていないその気持ちを、彼女達2人だけで育てていってもらいたいものです。そうやって、これからの話数のあちこちで、彼女達にはいちゃついていってもらいたいです。

・「ふたりはプリキュア」レビューリストレビューセンター

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