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2017年8月28日 (月)

プリンセス・プリンシパル 第3話

 テレビアニメ「プリンセス・プリンシパル」の第3話を見てみました。サブタイトルは「case2 Vice Voice」です。

 戦争と革命によって、アルビオン王国の首都ロンドンは、巨大な壁で東西に分裂させられていました。共和国側のスパイ、アンジェ達は、王国側に忍び込み、クイーンズ・メイフェア校の学生を装って活動を開始します。その学校には、王国のプリンセスも通っていて、アンジェがプリンセスに成り代わる「チェンジリング作戦」も、ミッションの中に含まれていました。

(個人的に、放送前に公式サイトとかを見ていた時は、「スパイは嘘をつく生き物」みたいに書かれていたので、登場するキャラが皆嘘をついていて、スパイの仲間内でもだまし合いをするような殺伐とした作品なのかなと思ったりしていました。でも実際はそうでもなさそうですね。
  アンジェやドロシー、ちせ達はお互いに対しては、嘘をつくというよりは秘密を明かさずにいる、という位置づけのようです。彼女達は、相手の詳しい素性はわからなくても、スパイとしての腕や律儀さ、秘めた純粋さなどは理解しているのではないでしょうか。安心して相手に背中を預けられるほどの信頼関係を、彼女達は持っているように感じます。
 ちなみにアンジェは時々、「クロトカゲ星」という単語を口にしています。これはもしかしたら、江戸川乱歩さん作の小説「黒蜥蜴」からきているものでしょうか。黒蜥蜴と呼ばれる女盗賊の暗躍を描いている作品のようで、本作のイメージとも近いのかもです。)

 作品の雰囲気としては、王国と共和国の間の緊張状態の中、冴え渡る腕前を持ったアンジェ達スパイが暗躍し、ミッションの相手との虚実入り交じった駆け引き、またそれだけでなく潜入や戦闘といった荒技もこなしていくスリリングでスタイリッシュなストーリー、という部分がありそうです。でもそれに加えて、アンジェ達が抱える苦悩や、到底不可能に思える事を成し遂げようとする秘めた闘志も見えてくる展開があるのかもです。

(ところでチェンジリング作戦では、アンジェが今のプリンセスとすり替わって共和国が優位に立てるようにする、という筋書きが用意されているみたいですけれど、ここにも「嘘」がありそうな気がします。実はアンジェが本当のプリンセスなんじゃないか、、、なんて予想もできそうですけれど、実際はどうなんでしょうね。)

 さてこの第3話では、プリンセスへのベアトリスの思いがクローズアップされています。貴族の娘だったベアトリス(プリンセスからは「ベアト」と呼ばれています)は、小さい頃、発狂してしまった父親の手で、体を機械に作り替えられてしまいました。見た目には何ともないのですが、時には声を出すのもままならない場合があるようです。(体のどの部分までが機械になっているのかはここではあまりはっきりしていません。)
 小さい頃は、この事で周りからかなりさげすまれてきたようです。その中でたった1人、手を差し伸べてくれたのが、プリンセスだったのですね。

 それからは、ベアトリスは常にプリンセスのそばにいて、自分から進んでプリンセスのお世話をしています。アンジェ達がクイーンズ・メイフェア校に来るまで彼女達は2人でいる事が多かったみたいですので、プリンセスの方もベアトリスを信頼し、いろいろな事を彼女に任せていたのでしょう。

 ベアトリスは、そうやってプリンセスのお世話をしながら2人でいられるならそれでいい、と考えていたのかもしれません。だから、アンジェやドロシーがやって来てプリンセスにスパイまがいの事をさせようとした時、ひどく反発したのでしょう。

 ですが、アンジェ達のスパイ活動を手伝う中で、彼女の気持ちは変わっていったようです。大きかったのは、今まで欠点でしかないと思ってきた自分の機械の体が、役に立てるとわかった事なのではないでしょうか。

 こんな、人間とさえ言えるのかどうかもわからない自分でも、何かを成し遂げる事ができる。そう思えた事で、彼女の中には生きる自信がわいてきたのかなと思えます。

 アンジェと一緒に船から逃げた後、ベアトリスは大きな声で叫んでいます。その言葉は、今までずっと胸に秘めてきた気持ち、なのでしょう。
 彼女が抱いていたのは、プリンセスへの愛。プリンセスとともに生きたいという願いだったようです。

(ベアトリスからプリンセスへの気持ちは、他の場面でも見て取れるように思います。彼女の声がおかしくなった時、彼女は部屋に飛び込んで機械の調整をするのですが、その時に声に出していたのはプリンセスの事ばかりだったみたいです。彼女は、できるならプリンセスの事だけを口に出していたいと感じているのかも。)

 ここでポイントなのが、ベアトリスは、プリンセスの隣にいて同じ景色を見たいと望んでいる事なのではないかと思います。プリンセスに憧れているなら、プリンセスの方だけを見ていたい、と考える所でしょうけれど、ベアトリスは、プリンセスと並んで、プリンセスと同じ方向を向いていたいと思っているみたいです。
 今の学校での生活を見れば、プリンセスが華やかなだけの存在ではない、と、ベアトリスは知っているはずです。祖国が分断され高い壁が築かれている状態では、プリンセスの目には様々な陰謀や薄汚い駆け引きが見えているだろいうという事もわかっているでしょう。それでもベアトリスは、それを見たいと願っています。たとえ何が起きても自分だけはプリンセスの味方でいたい、そのためには、プリンセスの痛みや苦しみもすべて一緒に背負いたい、と感じたのではないでしょうか。

 それにしてもああいう言葉を大声で叫んじゃうのは、青春、って感じですね。ここでの経験の後、ベアトリスがより積極的にプリンセスにアプローチしていくようになると面白いかもです。

 本作のオープニング主題歌、「The Other Side of the Wall」の歌詞には、「Get across the wall」という言葉が出てきます。壁で分けられてしまったアンジェとプリンセス、困難を乗り越えて手を取り合う姿がイメージされているのかもしれません。また、女の子同士の恋愛という、この世界観の中では大きな障害となりそうな壁も越えようという意思の表れのようにも思えます。

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コメント

アンジェが逃げようと言ったカサブランカは「百合の女」と言う二つ名を持つ街だそうです。何か意図的なんでしょうか。それと驚くべき真相がありますが、観てのお楽しみ…。

投稿: ジョーンズ卿 | 2017年9月 3日 (日) 12時23分

カサブランカはそういう風にも呼ばれているんですね、
ロマンティックです、、、。本当にカサブランカに行くか
どうかは別としても、彼女達にはアンジェとプリンセスの
間の百合エピソードをたくさん見てみたいですね。
「真相」については、楽しみに見たいと思います。

投稿: ギンガム | 2017年9月 4日 (月) 22時29分

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