ゆるゆり さん☆ハイ! 第1話
テレビアニメ「ゆるゆり さん☆ハイ!」を見てみました。第1話のサブタイトルは、「それは、すなわち、娯楽の始まり」です。
夏休みが明けたようで、あかり達は七森中にあるごらく部室に集まっています。まだまだ暑いらしくて、先に来ていたちなつ、京子、結衣はだらだらと過ごしています。
ちなつは足を投げ出し肩も少しはだけて、下敷きをうちわ代わりにあおいでいます。こんなあられもない姿を結衣に見られたら嫌われちゃうかも、と考えそうな所ですけれど、目の前に本人がいても、ちなつはこの格好をやめられないみたいです。それだけ暑いという事なのでしょう。
前半のエピソードでは、部室で生徒会のメンバーも一緒に「王様ゲーム」をしています。ここでは、王様になって結衣ともっと触れあいたいと熱望するちなつが、ストーリーをぐいぐい引っ張っていっていますね。きっちり結衣との間接キスを成功させていますし、彼女とのラブラブな関係をじっくり想像しています。
ちなつの妄想の中は少女漫画チックな世界観になっています。りりしい結衣に深く愛されたい、という彼女の気持ちは、まだ憧れの方が強いのかも。千歳の妄想がリアルなのに比べると、ちなつはまだ初心者だったり?
他には、櫻子が王様になった場面もあります。彼女は自分以外の誰か2人をキスさせようと命令しています。けど彼女が、そういう色恋っぽい発想が出てくるのって珍しい気がします。ちなつと結衣の間接キスは目撃していないはずですし、部室に来る前に何かがあった、とかなのでしょうか。
ともかく、キスさせられる羽目になったのは、綾乃と向日葵でした。2人とも照れて真っ赤になり、しおらしい反応をしています。どうせお遊びなんだから、と、ふざけたり騒いだりしても良い所ではありますけど、そうならないのは、たとえ女の子同士でも、キスには恋愛感情の意味がある、と2人とも思っているからなのかもしれません。
綾乃と向日葵の反応を見た櫻子は、急に慌てています。自分が言い出した事の重大さに気づいたみたいです。誰か関係ない2人がキスをするならまだ許せたのでしょうけど、向日葵が自分以外の誰かと、となるとたまらなくなってしまったのでしょう。
向日葵が他の子とキスする所なんて見たくない。その気持ちが何を意味するのか、櫻子には一度きちんと考えてもらいたい気もします。(こういう時、ちなつにアドバイスを求めると、百合的には進展しそうでしょうか。)
後半のエピソードでは、1年生達は教室で、櫻子の家に集まる相談をしています。2年生は家庭科で調理実習をしていますね。
ここでは、七森中の生徒達がたくさん描かれています。テレビアニメ第1期や第2期では、「モブかわいい」と言われるほど、周りにいるキャラ達が丁寧にかわいらしく描かれていました。スタッフが一新されたOVA「なちゅやちゅみ!」や、特別編の「なちゅやちゅみ! +」は、夏休み中の出来事がメインだったため、学校の風景はあまり出てきていません。今度の第3期ではどんな風になるのか気になる所でしたけれど、前と同じように細やかに描かれていますね。周りの女の子達の方にも彼女達なりのストーリーを想像させるような描き込みに、この後も期待したいです。
また、この話数では、先生も割と前面に出てきています。これまでだと、登場してもちょっとしたせりふがあるぐらいでしたけれど、ここでは京子達に話しかけるなどメインキャラとの関わりも見えてきています。
あかり達のクラスの担任は南野つばさ先生、調理実習で教えていたのは北宮初美先生という名前らしいです。これまでは、爆発好きで、生徒会長のりせと「イケナイ関係」にある理科教師、西垣奈々先生や、原作コミックに描かれている奈々の同級生の東先生などが登場しています。名字が「東西南北」という事もありますし、この後この4人の先生のエピソードなどあったりするでしょうか。そこに
百合な関係性などがあるのかどうかも気になります(原作では、奈々と東の間には何か雰囲気がありそうではあります。)
休みの日、あかりは櫻子の家に行くために、公園でちなつと待ち合わせしていました。そこに現れたのは、櫻子の妹の花子。といってもこの段階では2人は面識がないようです。
以前「なちゅやちゅみ! + +1」の中で、あかりと花子が街ですれ違うカットがありました。あの時も彼女達はお互いが誰なのか知らなかったのですね。でもこれからは、もうちょっと親しく触れあう事ができるようになるのでしょう。
この場面では、自動販売機の前で、ほしい飲み物のボタンに手が届かなかった花子を、あかりが助けています。花子はお礼を言いますが、あかりは彼女から「お姉さん」と呼ばれた事がとてもうれしかったようです。
あかりは、大学生の姉のあかねと2人だけの姉妹です。いつも優しい姉に甘えさせてもらって、良い姉妹関係を築いている(あかねの方には何か思いがあるようですが)ようです。でも、いつか自分も、あかねのように優しいお姉さんになりたい、と思っていたのかもです。
実際、花子にとっては、自動販売機のボタンを押してくれて、間違って買った飲み物を交換してくれただけでも、十分にあかりの優しさを感じていた事でしょう。けれどあかり本人はそれに気づいていないようで、もっと何かしてあげたい、と考えています。
ところが張り切れば張り切るほど、失敗が続いてしまいます。しかも、いつもならとっさの用意がいろいろできている(前半でもかばんの中に割り箸を忍ばせていました)はずなのに、ここではティッシュも絆創膏も持ち合わせていないという失態を見せています。あかりは慌てると失敗しやすい性格なのでしょうか、それともあかりと花子の取り合わせではいつもこうなってしまうのでしょうか。
たとえそうだとしても、花子はあかりと仲良くしたいと思っているのでは、という気がします。2人が最初に会った時は、花子は丁寧な口調でどこかよそよそしさもありました。けれどあかりと話し合っている間に少しずつ、いつもの口癖の「~だし」が増えてきています。この人にはありのままの自分を見せてもいい、と感じたから、いつの間にかそういうしゃべり方になっていたのかなと思えます。決してあかりを下に見ているわけではなく、もっとたくさんお話を聞きたいと、花子は思っていたのでは。
この後あかりと花子が会う機会が多くなるのかどうかはわかりません。けれど、彼女達なら優しさに包まれた姉妹関係を築いていけるように思います。
といった感じで、百合的には前半にエピソードが多いように感じます。ちなつが暴走気味な代わりに(?)、千歳の妄想はここではでてきていませんね。綾乃と京子を題材に千歳が生み出す百合妄想は、第1期ではモザイクがかかるほど過激でしたけれど、第2期ではそこまでではありませんでした。この第3期ではどうなるのか気になる所です。
というかちなつや千歳の妄想だけではなく、彼女達の生活の中での百合エピソードをたくさん見てみたいですね。この第3期では、その辺りは充実していく事になるでしょうか。
| 固定リンク
「百合レビュー」カテゴリの記事
- 月開発で百合(2023.04.21)
- アサルトリリィ BOUQUET 第2話(2022.11.07)
- 「艦これ」いつかあの海で 第1話(2022.11.07)
- ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第3話(2022.11.06)
- となりの吸血鬼さん レビュー(原作コミックを中心に)(2022.01.12)
「作品 ゆるゆり」カテゴリの記事
- 2022年3月辺り発行の百合なコミック作品など(2022.03.20)
- 2021年12月辺り発行の百合なコミック作品など(2022.01.12)
- 2020年12月辺り発行の百合なコミック作品など(2020.12.21)
- コミック百合姫関係の作品配信情報など(2020.07.28)
- 2020年5月辺り発行の百合なコミック作品など(2020.05.01)
コメント