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2015年10月11日 (日)

戦姫絶唱シンフォギアGX 第1話

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 テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギアGX」を見てみました。第1話のサブタイトルは、「奇跡の殺戮者」です。

 最初の場面から、この作品らしく壮大な、驚愕の、アクションが展開していますね。月に向かった「フロンティア」を探査していたシャトルが地球に帰還する途中、墜落の危機に陥ってしまいます。そこへ救出に乗り出すのが、響、翼、クリスのギア装者達でした。

 膨大なパワーを宿したギアをまとっているとはいえ、女の子3人だけで巨大なシャトルの暴走を止めるのは至難の業。でも響達は決してあきらめずに、持てる力を最大限に引き出して困難に立ち向かっています。
 ここで重要なのは、響達だけが一方的に助けているわけではない、という事ですね。苦しみながらも道を開こうとする彼女達の姿を見て、シャトルの操縦士達も絶望の底から這い上がり、自分達自身を助けるために行動を起こしています。

 「生きるのをあきらめないで」、、、。本作の第1期第1話から続くキーワードが、ここでも活きているのですね。

(救助の場面で、パイロット達を保護しながらシャトルを安全に止めようとする間、響達は森の中に突っ込んで木々をなぎ倒したり、それどころか地形まで変えてしまっています。自然を大切にするという見方からすれば、彼女達のしているのはほめられない事ではあるのでしょう。けれど、生き延びるために、今まで命を失っていった大切な人達への思いを胸に抱いて生き続けるために、どんな事でもしてのける、という意志が、彼女達やパイロット達の中にはあるのではないでしょうか。この場面では、そういう強い気持ちがされている気がします。)

 アクション以外の場面も充実していますね。第2期第1話のように、翼とマリアが同じステージでライブをする様子が描かれています。曲は「星天ギャラクシィクロス」です。(このライブの場面は、PVとしてネットで配信されています。)
(演奏している場所はイギリスらしいですけれど、2人が川の水面を滑るように動いていく演出が入っています。いえ、それだけじゃなく空まで飛んじゃってます、、、! ワイヤーワークで飛んでいるように見える、みたいな設定なのかもですけど、それにしてもかなり現実離れしている感じで、これも本作らしさ、でしょうか。)

 マリアは、調や切歌と同じく、以前はF.I.S.と行動をともにしていて、世界に対して宣戦布告したり、翼達を倒そうとしたり、その後はF.I.S.から離脱して単独行動をとったりしていました。世界を混乱に陥れた行為は犯罪と見なされていたようで、最初のシャトルの場面の時は、3人とも囚人服を着せられていました。
 やがて、このライブのように、歌手として表舞台に出られるようになったのは、人の目の多い場所に置く事で妙な行動をとれないようにする、という意味があるようです。でも、今の彼女達は世界に対して謀反を起こそうという気持ちはないでしょうし、またLiNKERの助けなしにギアをまとう事ができないみたいですから、あまり厳しく当たる必要はないようにも思えます。これからのエピソードで、彼女達3人がまたギアをまとえるようになるとしたら、そこには何か大きな展開があるのかもです。

 翼達のいた特異災害対策機動部二課は、今は超常災害対策機動部タスクフォースS.O.N.G.という組織として、国連に所属しています。「ノイズ」の脅威はもうないらしいですけれど、ここでは何か新しい存在が見え隠れしていますね。(相手がどういう勢力なのかは、ここではまだはっきりしていません。けれど、本作のCMでは、響が「錬金術師」という言葉を使っていますので、そういう力(決して「金儲け」の方の錬金術ではなく)が出現するのでしょう。)響達は、再び戦いに巻き込まれていくのかもしれません。

 第2期第13話で、力を消耗した響達に代わって、未来はソロモンの杖を解き放ちながら、彼女の胸の中にあった願いを叫びました。「響が、皆が戦わなくていい世界に」と。
 この第3期でその世界が実現しているかというと、どうもそうではなさそうです。ノイズがいなくなっても、争いは絶えないようです。

 もし響がまた戦いに駆り出されたら、未来はどう思うでしょう。響がまた、自分から命を危険にさらしながら皆のために戦うのだとしたら、彼女は何を感じるでしょう。願いが叶わなかった未来の気持ちも、深く丁寧に描いていってもらいたいです。

 さて百合的には、、、女の子同士の深い愛情が見えてくる場面は、今は(まだ)なさそうです。その代わりというか、軽いいちゃつきのようなものが、主にリディアン音楽院の場面で見られますね。
(また、行動をともにしている翼とマリアも、ライブ中もそれ以外でも、呼吸の合った所を見せています。)
 クリスと同じように晴れて学院の生徒になれた調と切歌が、手の指を絡め恋人つなぎをしています。本人達は理由をつけていますけれど、何にしても彼女達は、自然に手をつなぎ合えるような親密な仲なのでしょう。

 それから、調と切歌から二の腕の秘密(?)を聞いた未来が、響にボディタッチしてますね。彼女達も小さい頃から寄り添って(連れ添って?)いますから、こういうふれあいは、人前でも別に関係なくやってのけられるのかもです。

 そこで目のやり場に困っているのが、クリスです。女の子達のいちゃいちゃを見せつけられた彼女は、たまらず響(だけ)にツッコミを入れています。
 でもその後の彼女のせりふがまた良いですね。「そういう事は家でやってくれ」って、、、。響と未来のふれあいが、愛情表現なんだという事は、クリスもわかっているのでしょう。

 といった感じで、百合っぽい雰囲気はありそうです。けれど、ここでの彼女達の振るまいは、ある意味サービスショット的なものにとどまっている印象もあります。胸の奥底からあふれ出る恋愛感情でお互いを求め合うような、または絶望と狂気の底から相手を優しく包み込んで救い出すような、強い愛情も見てみたいかもです。

・「戦姫絶唱シンフォギア」レビューリストレビューセンター

 

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