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2015年9月14日 (月)

ラブライブ! The School Idol Movie

 テレビアニメ「ラブライブ! School idol project」は、第2期までが放送されました。その後制作された劇場版アニメ「ラブライブ! The School Idol Movie」を見てみました。

 テレビアニメ版の第2期は、絵里、希、にこが卒業する日に、驚きの知らせが舞い込んでくる、という所までが語られていました。劇場版では、そのすぐ後の場面から始まるのかなと思っていたのですけれど、その前に、穂乃果、海未、ことりの小さい頃のエピソードが描かれていますね。
 雨上がり、 公園にできた水たまりを飛び越えられるかどうか、穂乃果はチャレンジしていました。それまで何度やってもうまくいかなかったらしく、ほとんど意地になって続けている感じです。ことりも海未もやめさせたいと願っていたようですが、穂乃果はあきらめきれませんでした。
 その時、どこからともなく「歌」が聞こえてきます。すると、穂乃果はたちまち気持ちが楽になり、体から余計な力が抜けていきます。一緒に歌を口ずさみながら、水たまりへまっすぐ向かっていった彼女は、という流れになっています。

 穂乃果達は、こんな小さい頃にも、「歌う事」について思い出を持っているようですね。彼女達が音ノ木坂学院を救うためにスクールアイドルになって歌おうとしたのも、こういう思い出があったからなのかもです。この過去があったから、今の彼女がある、という意味なのでしょう。またそうだとすると、これから先、未来の彼女はどうなるのかも気になりますけれど、その点については本編の中でほのかに語られている気がします。
 途中で穂乃果が出会う女性シンガーって、髪の色だったりとか、穂乃果が後で手にする事になるマイクを持っているなど、何かつながりがありそうです。彼女が何者なのかについては、穂乃果はいつか気づくのでしょうか。

 さて現在に戻って、穂乃果達に届いた知らせというのは、「ラブライブ」からのオファーでした。スクールアイドル達の活躍を、より多くの人達に認めてもらうために、第2回ラブライブの優勝者であるμ'sにステージパフォーマンスを行ってほしい、というものだったようです。
 しかも場所は海外(どうもニューヨークらしいです)。穂乃果達は、絵里達の卒業とともにμ'sをやめる決意をしていましたけれど、他のスクールアイドル達の活躍の場を広げられるなら、と、この申し出を受ける事にします。

 そこからは、9人の旅の様子が、エキサイティングに、コミカルに描かれていますね。いろいろな場所へ出かけたり、皆で食事をしたり、ホテルでくつろいだり、穂乃果にハプニングが起きたりなど、これまでとはまた別の、様々な経験を彼女達は一緒にしたようです。
(それにしても、この街の空気を感じて、「アキバに似ている」と言ってしまう辺りはさすがかもです。)

 これだけ盛りだくさんに描かれると、海外でのステージを成功させるまでがこの劇場版のメインなのかな、このエピソードだけで穂乃果達の物語がもう見られなくなってしまうのかな、とも思ってしまったのですけれど、そうじゃなかったのですね。ちゃんと(?)ストーリーは続いています。海外ライブから帰ってきてからの彼女達は、さらに大忙になっています。

 そんな、穂乃果達に、周りは少し期待している所があったかもしれません。彼女達9人が、仮にそうでないとしても9人の中の誰かが、μ'sを続けていってくれるのではないか、と。
 こんな風に思われてしまった原因は、穂乃果達が、μ'sのこれからについて周りに話していなかった事にもあるのでしょう。こんなに成功しているスクールアイドルグループだから、続けるのは当然だと思われても仕方ないとも言えそうです。

 でも、μ'sをやめるという彼女達の決意は固いものです。穂乃果達は、周りの人達と、自分達との気持ちの差に悩んでしまうのですね。
 彼女達が、どのようにして自分達なりの答えを出したかについては、テレビアニメ版第2期第11話でもはっきり描かれています。そこでは、彼女達の思いも深く表されていますので、視聴者としては、彼女達が「やっぱりμ'sを続ける」と言い出す事はもうないという感覚がある気がします。
 その意味では、この劇場版のストーリーには、驚くようなどんでん返しはない、と思って見ていたかもしれません。(途中の場面で穂乃果が、自分達自身の事なのに、「限られた時間の中で輝く」自分達の価値を冷静に評価しているような部分も、どことなく彼女達を、達観した遠い存在に見せてしまっている感じがします。)映像には、ゴールに向かって突き進んでいくμ'sのメンバー達の姿が全面に描かれているように思います。

 テレビアニメ2期と劇場版には、共通の雰囲気があったように感じます。登場人物はほとんど女性で、テレビアニメ版では秋葉原の街の様子が描かれる時も男性の姿はあまりありませんでしたし、劇場版で海外の大都市に行っても、街を歩いているのがほとんど女性だったというのも、なかなか良かったかもです。ちなみにキャストもほぼ女性でしたでしょうか?
 テレビアニメ版第1期では、希の「わしわし」が、直接的な女の子同士のスキンシップとして描かれていましたけれど、第2期ではその場面が全く出てきませんでした。劇場版で復活、という事もなかったっぽいですね。一方で、第2期で発揮された花陽のご飯好き属性(?)は、劇場版でも健在でした。
 劇場版では作画がさらにきれいになり、ストーリーと合わせて華やかな印象となっています。その中にあっても、穂乃果達の一生懸命な姿や、女の子同士のふれあいが、変わらずに描き出されている感じがします。

 劇場版はとても人気が出ているようで、前にも書きましたように、興行収入が3週連続1位になったりしていますし、上映が始まってからロングランが続いています。私も上映開始からしばらくしてから見たのですけれど、観客の数はかなり多かったです。
 この後、この作品シリーズはどうなっていくのでしょう。エンディングテーマ曲では、キャラ達の名前が歌詞に織り込まれていて、いかにもクライマックスという感じですし。
 今は、キャストの方達によるライブ活動や、ゲーム版などが盛り上がっていますし、このままアニメ版が制作されなくなってしまうというのもちょっと寂しいですよね。アニメ版が何かの形で続いていくと良いように思います。

 それで、気になるのは百合な場面があるかどうか、だったりします。実際には、数は多くはないものの、所々でなかなか良い雰囲気が出ていた気がします。
 海外ライブのために外国へ渡ったμ'sのメンバーは、仲間と一緒な事もあってでしょうか、それぞれにいつもと同じように過ごしています。ことりと海未は2人だけでトランプ遊びをしています。(主に海未が)ゲームに熱を入れてますけど、これも彼女達らしいやり方なのかもです。
 凛と花陽は、2人きりで部屋の明かりを暗くして、並んでベッドに横たわり。何をしているかというと、夜の街明かりを眺めています。仲良しの相手とお互いに体をくっつけ体温を感じていれば、知らない街の明かりも素敵なイルミネーションになるのでしょう。

 もう一つ、音ノ木坂学院に帰ってきたμ'sが、新しい曲を作って披露する事になり、真姫が作曲作業に取りかかります。同じ秋葉原を拠点にするA-RISEのツバサが手伝ってくれるのですが、音ノ木坂の音楽室で2人きりになっている時、突然ツバサが真姫に近づき唇を寄せてきます。
 これに驚いたのは、真姫本人よりも、部屋の外から様子をうかがっていたにこでした。ショックで顔を引きつらせながら、でも目をそらす事ができずにやきもきしながら見守っています。
 ツバサ的には、作曲に熱がこもって距離が近くなった、ぐらいのつもりだったのかもです。それに対してあれだけ反応するにこは、やはり真姫の事を恋愛的な意味で意識しているのではないでしょうか。といっても音楽室に殴り込まない所が、彼女と真姫との今の関係性を示しているような。彼女達はまだ、お互いが一番の存在なんだと確かめ合っていないのかも。
 にこは、音ノ木坂を卒業してしまいます。彼女達はもう、今までのように部室でじゃれ合ったりする事も簡単にはできなくなるでしょう。早くお互いに気持ちを伝え合って、これからの未来も寄り添っていけるようになると良さそうです。

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