ユリ熊嵐 第12話
紅羽が屋上で「排除」されそうになっている所へ、銀子が姿を現します。紅羽が排除されるのは、熊である自分と「友達」だから、と考えた銀子は、紅羽と自分との関係を必死に否定しようとします。
この様子は、第11話で紅羽が銀子に対して見せていたものとちょうど逆のシチュエーションですね。2人とも、お互いに相手をかばうために嘘をつこうとしています。そこから彼女達は、相手も自分を同じように深く思ってくれている、と確信する事ができたのではないでしょうか。
自分が過去に何をしたのかはっきり思い出した紅羽は、1つの願いを口にします。それが「承認」される事で、物語は次へと進んでいきます。
、、、その社会で認められない関係の2人が、手を取り合って別の世界へと旅立つ、というのは、どこか駆け落ちパターンに近い気もします。旅立った先で、2人は誰にも邪魔されずに暮らせるかもしれません。でも2人が元いた社会は何も変わらず、今までと同じように、価値観が異なる人達を認めようとはしないでしょう。そこにどうしてもやるせなさや希望のなさを感じてしまいます。
本作の場合も、紅羽と銀子のいない世界が淡々と描かれています。紅羽と銀子は、少なくとも亜依撃子とメカこのみには影響を与えたみたいですけれど、このままでは彼女達も紅羽達と同じ道を歩むだけ、のようにも思えてしまいます。
結局、紅羽と銀子は、大木蝶子の望み通り「排除」された、という事なのでしょうか。だとするとちょっと寂しい感じもします。例えば、嵐が丘学園の生徒を含め世界中の女の子達が自由に百合な恋愛を謳歌できるようになったりすると素敵なのでは、とも思います。
紅羽と銀子のふれあいの方も、もう少しいちゃついてもらいたかったかもです。「キス」についてはやはり1回だけだったようですね(2回目もしそうになっていましたけれど、はっきりとは描かれていないみたいです)。その後エンディング映像の中で、家族愛としての男女のキスが描かれていた事も、百合度を下げてしまっていたような?
紅羽と銀子がもっと愛の言葉をささやいてくれたら良かったかもですけれど、特にそこまでのものはない感じです。唇を重ねるのも、それが「約束」だからであって、恋愛的な意味かどうかははっきりしていません。その辺りにも踏み込んでもらいたかったように思います。
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