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2015年3月26日 (木)

ユリ熊嵐 第7話

 テレビアニメ「ユリ熊嵐」、第7話「私が忘れたあの娘」です。

 紅羽は、薫達クラスメイトからひどい事をされそうになっていましたが、銀子が割って入った事で、薫のもくろみは失敗したようです。その割には、彼女に情報を流していた人物(黒幕?)の前で、彼女は勝ち誇ったような様子を見せていますね。
 その時薫が言っていた所からすると、彼女は「透明な嵐」に排除されない存在になりたくてああいう事をしたみたいです。という事は、彼女にとっては「透明な嵐」は、逃げ出したくなるほど強いプレッシャーだったという事になるでしょうか。
 「透明な嵐」は、人間達が熊に襲われるのを避けるために、自己主張をせず、「透明」になって身を寄せ合っていなければならない、とされた所から始まったようです。空気を読めずに目立った行動をする人間を排除するために、この機能が生まれたようです。
 「透明」にさえなっていれば、熊にも襲われないし、排除もされない。でも、薫はその状態で生活を続けるのが嫌で仕方がなかったのでしょう。
  薫以外の女の子達はどうでしょうか。もし同じように考えているのなら、「排除の儀」なんて事はしないで、もっと前向きに熊に立ち向かうのと同時に、自分達らしさを主張しても良さそうに思えます。以前にも書きましたようにそこで、解放された彼女達が、自分達らしさとして、女の子同士の恋愛関係を築いていったりすると素敵な気がするのですけれど、そこはどうなるでしょうか。

(ところで最初の薫のベッドシーン(?)の前に、嵐が丘学園の校舎がちょっと映っていました。これって、薫ともう1人の女性(熊?)が学園内で何かしていた、という意味なのでしょうか。だとすると、謎の人物は学園の関係者だったりする?)

 1クールの真ん中辺りのエピソードという事もあるでしょうか、ここでは新しい展開も入ってきています。紅羽は、実は子供の頃の記憶が一部ないらしいですね。
 個人的には、紅羽は、小さい頃に「あの娘」と仲良くなって、「大好き」という気持ちを抱くまでになったのに、何かの事件で母親の澪愛が熊に襲われた(犯人が「あの娘」なのかどうかははっきりしません)のをきっかけに、熊を憎むようになり、悲しいけれど「あの娘」も同類として嫌うようになった、といういきさつがあったのかと思っていました。でもそういう感じではなさそうです。
 キャラが記憶喪失になっている場合、演出的には、割と自由度のあるエピソードを設定できそうです(「記憶喪失もの」と言うのでしょうか)。その代わり、紅羽が幼い時に抱いていた純粋な気持ちが無視されてしまう事になったりはしないかとちょっと心配になります。

 他には、銀子の小さい頃も少し描かれています。銀子は昔から、熊の姿の時は王冠を載せていたみたいです。でも身寄りはなく、家族から愛情を受けたという記憶もないようです。
 第4話で描かれていた、銀子とるるが出会った場面でも、彼女は王冠をかぶっています。るるは本当に熊の王国のお姫様だったらしいので、銀子もどこかの王族なのかと思ったのですけれど、ここでの回想の中ではそれらしい箇所は出てきていませんね。実際の所はどうなのでしょう。
 誰からも愛されていないと思っていた銀子は、「クマリア様」からの慈愛を受けるために、進んで人間との戦いの渦の中に飛び込んでいったらしいです。戦場で傷つき倒れてしまった彼女は、紅羽と出会うのですね。
 銀子は、紅羽を自分だけのクマリア様だと考えたようです。前回第6話では、澪愛の書いた絵本「月の娘と森の娘」の中にもクマリア様は登場しますが、澪愛によると、紅羽は「月の娘」で、銀子は「森の娘」なのだそうです(前回の記事では、月の娘と森の娘が彼女達かどうかはわからないというように書きましたけれど、この第7話ではそこの関係が説明されていますね)。そうすると、紅羽がどの登場人物に象徴されるのか揺らいできてしまいますけれど、その辺りはこれから鮮やかに解き明かされていく展開があったりするでしょうか。

 さて紅羽の方は、銀子とるるを自分の家に居候させる事にしました。そしてけがをした銀子の手当てをしています。
 第6話では、るるの口から、銀子が紅羽を愛している事がはっきりと告げられました。それ以来、紅羽の様子がこれまでとちょっと違ってきている感じですね。第5話では、銀子がしきりに「百合アムール」で紅羽との百合妄想をしていましたけれど、ここでは紅羽の方が妄想してしまっています。紅羽も銀子を意識し始めている?
 ではるるはというと、2人を何とかくっつけようとあれこれ策を練っています。彼女は第1話では、銀子の事を「大好きなダーリン」みたいに言っていましたけれど、今は銀子と紅羽の恋路を応援しているようにも見えます。彼女は、自分がどんな風になりたいと考えているのでしょう。

 それから、純花ですね。この話数では、最初の方の場面で彼女の手紙についてちょっと触れられただけで、後は噂話としても登場していません(絵本を読む声だけは聞こえています)。今まであれだけ純花純花言っていた紅羽も、まるで忘れてしまったかのように、思い浮かべる事さえしていないようです。
 紅羽はもう銀子に乗り換えてしまったのでしょうか。それとももともと、彼女の純花に対する気持ちは、今銀子に向けられているような愛情とは別のものだったのでしょうか。どちらにしても、純花の立場を考えると少し寂しいものがあるように感じられます。純花が救われる事はあるでしょうか。

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