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2015年2月16日 (月)

ユリ熊嵐 第1話

 テレビ放送が始まったアニメ「ユリ熊嵐」を見てみました。第1話のサブタイトルは、「私はスキをあきらめない」です。

 百合の花が咲き乱れる花壇のそばで、見つめ合う2人の女の子がいます。亜麻色のロングヘアで背の高い子は椿輝紅羽(つばきくれは)、ウェイビーな短い黒髪で背の低い眼鏡の子は泉乃純花(いずみのすみか)、2人とも嵐が丘学園の生徒です。
 彼女達は普段から、指を絡めて手をつないだり、肩を寄せ合ったり、愛の言葉を紡いだりしているようです。人目のある所では遠慮しているみたいですけれど、本当はいつもそうして触れあっていたいのかもしれません。

 こんないちゃいちゃがこれから毎話描かれていくのなら素敵です、が、彼女達の話している様子では、本当にお互い愛し合っているのかどうかよくわからない感じもしたりします。どちらかというと、純花から紅羽への一方通行になっているような。

 純花がいくら「好き」とはっきり言っても、紅羽の返事は、「私は『好き』をあきらめない」というものばかりです。この言葉は、「愛する事をあきらめない」と言っているだけで、「誰」を愛するのかははっきりさせていないのですよね。本当に純花を愛しているなら素直に「愛している」と言えばいいはずですけれど、そうしていないのが何か引っかかります。
 他の場面でも、謎の電話の声から「あなたの『好き』は本物?」と聞かれた紅羽は、一瞬、言い返す事ができませんでした。これは図星を指されたからなのでは、とも思えてしまいます。

 そういう紅羽を、純花はどう思っているでしょう。仮に純花が控えめな女の子だったとしても、ほしい言葉をくれない紅羽が、自分をどれだけ愛してくれているのか不安になってしまうのではないでしょうか。
 紅羽は自分を「守る」と言ってくれている。せめてそれだけでもありがたく思わなければいけない、そんなあきらめに似た寂しさが、純花の胸の中を支配しているのでは、なんて考えてしまいます。

 本当にそうなら、紅羽の愛は誰に向けられているのでしょう。途中の場面で描かれている感じでは、幼い頃に一緒に遊んだ「あの子」が鍵を握っているように思えます。幼い紅羽は、「あの子」の事は何のためらいもなく「大好き!」と言っています。
 ではその相手は何者なのかと考えると、オープニングの映像のイメージでは、「熊」でしょうか。映像の中で、子供の手と熊の手が触れあっている場面があります。
 でも今の紅羽は、熊を憎んでいます。森で熊さんに出会った時に、何かが起きたのかもです。その辺りのいきさつは、この後描かれるでしょうか。

 この作品の世界観では、ある時地球の近くで爆発した小惑星「クマリア」の破片を浴びた熊達が一斉蜂起して人間を襲い始めた、とされています。人間は「断絶の壁」を築いて熊と自分達を分離しましたが、時々壁を越えて熊が人間達を襲いにくるようです(「熊警報」が発令されたり、注意を呼びかける垂れ幕を下ろす装置が整備されている所からすると、熊は何度も壁を越えてきているのでしょう)。

 学園に転校してきた百合城銀子(ゆりしろぎんこ)と百合ヶ咲るる(ゆりがさきるる)も、見た目は女の子ですが、本性は熊です。2人とも、学園の女の子を食べようとしているみたいです。
(この2人も断絶の壁を越えて人間の世界へやって来ているらしいです。人間を食べるには、セクシー、クール、ビューティのライフ3人組に「ユリ承認」してもらう必要があるようですけれど、そのためのハードルは割と低そうです。)
 目移りしているるるに比べて、銀子は、なぜか紅羽に狙いを定めています。その理由はまだ語られていませんけれど、もしかしたら紅羽の小さい頃の思い出と関係があるのかもです。

 また、紅羽達には、熊以外に恐れているものがあるようです。学園の生徒達からは「透明な嵐」と呼ばれている何かがあって、目をつけられると、その人の大切なものがどんどん奪われていくらしいです。
 花をはさみで切るとか、レンガを投げつける、という仕業は、人間(しかも少人数)のやり口のようにも見えます。透明な嵐は、人間対熊の構図にどう影響してくるでしょうか。

 それで、一番気になるのは、この作品の百合度がどれぐらいになるのか、ですね。エンディング映像でのキャストの並びや、公式サイトでのキャラ紹介の順番からすると、この作品はどうも、銀子とるるの方が、紅羽や純花よりもメインになっているっぽいです。つまり女の子じゃなくて熊の心情がメインに描かれていく、という事?

 女の子になりすましているけど本当は熊の主人公が、女子校に潜入して気に入った女の子を手当たり次第に食いまくる、という流れを軸に物語が進んでいくのでしょうか。そうだとすると、あまり百合的ではなさそうな雰囲気もありますね(例えば「熊」を「男子」に置き換えると、また別のテイストになりそうです)。

 または、「熊は人間を襲うのが当たり前」とされている暗黙のルールを、銀子がいかにして打ち破るか、というテーマもあるのかもしれません。誰かが決めた、理由もわからない断絶を、自分の力で乗り越えた時、そこには自由な世界が広がり、紅羽が待っていてくれる、とか。

 どちらだとしても、それは熊と人間という別の種族の間に生まれる物語になるのでしょう。けれど百合では、同じ種族(じゃない場合もありますけど)、同じ性別の女の子同士の関係を描いているでしょうから、本作で百合になるには、もう少し要素が必要な気もします。

 作中でやけに百合ユリと(ゲシュタルト崩壊を起こしそうなほど)同じ言葉が出てくるのも気になる部分です。効果音やせりふに使われていたり、名前に「百合」と付いている登場人物が割といたりします。
 でもだからといって、ストーリー上でも女の子達が愛し合うのかというと、そうとは限らないのでしょう。本作でも、少なくとも今の所は、女の子同士の恋愛関係はあまり出てきていないようです。
  女性の登場人物の名前がテロップで表示される時も、なぜかその下に「ユリ」と書いてあったりします。銀子とるるは、女の子の姿の時は同じように書かれていますが、本性を現している時は「クマ」と書かれています。これだけを見る範囲では、「ユリ」と書かれているのは、「人間である」と書いているのと同じなのでは、とも受け取れそうです。

 作中に描かれている場面では、人間の世界には女性しかいないようにも見えます。事情聴取をしていた警察官も女性でしたし。それなら、この人間の世界で、女性同士が愛し合う事は、受け入れられていても良さそうです。
 けれど学園では、生徒達は透明な嵐を恐れていて、紅羽と純花のように2人で会ったりするのは良くないとされているみたいです。また先生からは、熊から身を守るために、皆で一緒にいるように指示が出されています。その言い方は、「『友達』と一緒に」いなさいというもので、女の子達の関係は「友達」しかあり得ない、ともとれます。

 生徒達がおとなしくしているのは、女の子2人が特別に仲むつまじくなると危険な目に遭うから、だったりするでしょうか。それなら、危険がなくなれば、女の子達は皆、自分の意志に従って、大好きな女の子と友達以上の関係を築こうとするのでは、と考えられそうです。
 そこまでの道を、紅羽が切り開いてくれたら、世界は変われるのではないでしょうか。誰もが恐れずに自分の意見を口に出し、人目を気にする事なく女の子同士で愛し合える世界、それがこの作中で描かれていくと素敵ですね。

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コメント

私は最終回まで見ましたが、ともかく最後まで見て結論出すしか
無いかと・・・。

投稿: ジョーンズ卿 | 2015年3月31日 (火) 23時41分

ただいま絶賛追い上げ鑑賞中だったりしますー。
すっきりしたまとまり方になっていると良いなと思います。
そしてできれば是非百合な方向で、、、。

投稿: ギンガム | 2015年4月 1日 (水) 00時21分

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