艦隊これくしょん -艦これ- 第３話

　テレビアニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」、第３話「Ｗ島攻略作戦！」です。

　戦力を蓄えてきた艦隊は、「Ｗ島（うとう）」を占拠しこの海域の脅威となっていた深海棲艦の勢力を叩く作戦を打ち出します。かなり厳しい戦いが予想され、撃沈させられる艦娘も出るかもしれません。

　この作戦には、吹雪も参加する事が決まりました。すると、他の艦娘達がかわるがわる彼女の所へやって来て、何だかいろいろなものをプレゼントしてくれたりしています。
　皆は、今度の作戦で一番被害を受けるのが吹雪なんじゃないかと思ったっぽいですね。確かに、ついこの前、初めて実戦に参加し、その後の訓練でもあまり成果を出せていない彼女の事を思うと、心配になってしまうのでしょう。

　睦月は、自信をなくす吹雪を見て、ある事を思い立ちます。それは、吹雪に赤城を引き合わせる、という計画でした。憧れの赤城に応援してもらえば、吹雪も元気を出せるのでは、と考えたのでしょう。

　睦月の狙いは、見事に当たりました。赤城が優しくアドバイスしてくれたおかげで、吹雪はやる気を取り戻せているようです。
　けれど、それだけではありませんでした。赤城は、艦娘である自分達の使命や、過酷な戦いの中でもお互いを思いやる大切さを、吹雪と睦月に教えています。

　赤城の言葉に、彼女達は感じるものがあったようです。お互いに手を取り合い、見つめ合って「大好き」と相手に伝えています。

　艦娘は、戦う定めを背負わされていますが、何の感情も持たずに戦闘しているわけではないのでしょう。攻撃を受ければ傷つきけがをして痛みを感じるし、一歩間違えれば撃沈されてしまいます。その恐怖を押し隠して、それでも彼女達は、水平線の彼方へと乗り出していきます。
　もう生きて鎮守府に戻れないかもしれない、船出のたびに彼女達はそう考えているはずです。その悲壮感の中で、全力を尽くそうとする潔さが、彼女達に凛とした美しさを与えているのではないでしょうか。

　自分が艦娘である事、いつ命を落としてしまうかもしれない身である事については、１人１人が、違った考えを持っている気がします。真面目な子や、おちゃらけている子、戦闘能力の高い子や、いつも失敗してしまう子。それぞれが、戦いに対する覚悟のようなものを、彼女達なりに持っているのでは、と。そういう、普段見せない彼女達の内面を見られるエピソードがあると、彼女達の個性がさらに引き立つように思えます。

　この話数でそういうエピソードがあるのかなと思っていたのですけれど、そうはなっていないですね。いつの間にかフラグが立ちまくって、気がつけば伝統的な「第３話」になっていたような。
　こうなると、艦娘全員が如月の事で胸がいっぱいになり、自分自身の意見を言えなくなりそうです。睦月も含めて、艦娘達が自分の思いを誰にも遠慮する事なく高らかに掲げ、その上で戦いに赴けるようになると良いかもです。艦娘は司令官の捨て駒ではない、と思いたいものです。

（ところでこの後、如月がどうなるのかが気になります。行き先はやはり「深海」なのでしょうか。）

　赤城が吹雪と睦月に艦娘の事を話した場面で、睦月と愛の言葉を交換した吹雪が、赤城の方を振り返ります。そして彼女に向かって、「私、先輩の事、、、」と。
　この前は、 赤城に憧れている割にはややつれない雰囲気の吹雪だったものの、ここでついに告白？　と思ったのですけれど、続く言葉はそういうものとはちょっと別になっていました。睦月に「大好き」と言った直後にこういう風に言うという事は、吹雪から赤城への気持ちはラブではないのでしょうか。

　でもこの時の赤城は、微笑んではいましたけれど、胸の中ではちょっと寂しがっていたのかも、とも思えます。後輩達に愛について話して聞かせたのは、その言葉を自分に言ってもらいたい、という願い（下心？）が、ある程度あったからなのかも。かわいらしい後輩の口から、愛情のこもった言葉を聞けなかった赤城は、この後何とか彼女に言わせるために躍起になる、なんてエピソードがあると面白いかもです。