コミック百合姫2014年11月号
発行一迅社、コミック百合姫の2014年11月号を見てみました。
表紙イラストは、武梨えりさんが担当していらっしゃいます。秋の夕暮れでしょうか、茜色に染まる空の下では、ススキの穂がなびき、赤とんぼが飛んでいます。
豊かな自然の中にある小さなバス停、「百合野」には、セーラー服を着た2人の女の子がいました。右側の子は髪を2つに縛っていて、左側の子はお下げ髪で眼鏡をかけ、手にした本を読んでいます。
2人とも顔立ちが少し幼いように感じられますが、たぶん高校生とかなのでしょう。髪を派手に染めているわけでもなく、かばんも学校指定のものをきちんと使っているようで、彼女達の純朴さがうかがえます。
そして、2人とも顔を真っ赤にして、お互いに目をそらすようにうつむいています。彼女達の間にいったい何が、と思ったら、手をつないでいたんですね。指を絡め、手のひらをぴったり合わせています。広い場所なのに肩が触れそうなほど寄り添っているのも、こうして手をつなぐためなのでしょう。
彼女達がこれだけ恥ずかしがっているのは、手をつなぐ事に慣れていないからなのではないでしょうか。普通なら待合所のベンチに座って待っていても良さそうな所を立ってしまっているのも、どうしたらいいのかわからない気持ちの表れのように思えます。
2人が告白し合ったのか、つきあっているのかなど、気になる部分はいろいろありそうです。けれどとにかく、今の彼女達は、相手のぬくもりを感じてときめいているのでしょうね。
武梨さんの表紙イラスト連載は今号までとなります。次号からはかんざきひろさんが担当されます。
巻頭カラーでは、その次号2015年1月号から始まる連載作品がアナウンスされています。タイトルは次のようになっています。
・立花館To Lieあんぐる(merryhachi)
・不完全レゾナンス(仮)(コダマナオコ)
・百合男子2(仮)(倉田嘘)
3作品が一挙に始まるようです。この新作や表紙から、新しいテイストが本誌で感じられるようになるのかもしれません。
センターカラーの企画では、OVA「ゆるゆり なちゅやちゅみ!」の記事が載せられています。キャラの紹介がメインになっていますね。キャラデザはこれまでのテレビアニメ版とも割と近い感じでしょうか。今度のOVAでスタッフ(キャスト以外)は一新されたそうですけれど、あまり違和感なく楽しめそうですよね。
では掲載作品を部分的にご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・桃色トランス(こるり)
生徒会長のあおい、副会長のかなで、それに役員の南と花、4人の生徒会ライフが描かれていく、という感じでしょうか。絵柄が柔らかい雰囲気なので、内容もほんわかしたものになるのかなと思ったのですけれど、けっこうお色気分がありますね。そちら方面は、この話数では主に南が仕掛けていますが、あおいやかなでも意外と嫌いじゃないのかも? 花が巻き込まれていくのも時間の問題だったりする、かな。基本的にあおいがいじられ役みたいではあるものの、そこに恋愛感情があるかというと微妙そうにも思えます。その点では百合度は低いかも。
・citrus(サブロウタ)
姉妹として仲良くしようとしつつも柚子はどうしても芽衣が気になってしまうみたいです。そこに柚子の幼なじみのまつりが現れてかなり引っかき回している風にも見えます。が、まつりは柚子を苦しめたいとは思っていないでしょうし、芽衣の態度を見ている内に、柚子と芽衣がお互いをどう思っているのか、気づいてしまったようです。また芽衣も、まつりとの関わりの中で、自分がどうするべきなのか、どうしたいのかを考え
始めている様子。柚子と芽衣の関係はどうなっていくでしょうか。
・私が会社を辞めようと思ったときの話(ちさこ)
安部まりあは、今勤めている会社が嫌で転職先を探している最中なのですが、そこへ追い打ちをかけるように、懇親会の余興でアイドルのコスプレをさせられる事に。後輩の椿とペアを組まされ、仕事の後に会社に残ってステップの練習をさせられたりしています。ここまで嫌な目に遭っていたらもう会社に未練はない所でしょう。けれど、という展開になっています。最後のコマでは、もう会社とか関係なく、2人だけの愛らしい世界になっている気がします。
・ゆるゆり(なもり)
90.あの夏の日の、、、って、どの夏?
91.七森中ファッションショー
92.(無題?)
3本目のエピソードでは、生徒会長のりせが主人公になっています。そのためか、吹き出しのせりふは一切出てこないですね。いつも黙々と生徒会の仕事をこなしていて、ほとんど存在感を見せない(あかりとは別の意味で)彼女ですけれど、ここでは生徒会のメンバーだけでなく、あかりやちなつといった後輩達ともやりとりをしています。彼女達との間でいろいろな出来事が起きるのですが、最後は、やはりあの女性との関係が描かれています。彼女達はいつでも自然に、お互いを引き合うのでしょうね。この2人の場合、生徒同士という間柄ではありませんから、他の女の子達とはまた違った感情を、相手に対して抱いているのかも、という気もします。
・コイビトシンドローム(蕗)
陽菜(はるな)は、今まで友達として雪乃(ゆきの)と接してきましたが、自分の恋心を抑えきれず、ついに告白してしまいます。雪乃の返事は、、、何と、オーケー。彼女もまた陽菜を愛していたんですね。そうして恋人同士へステップアップした彼女達の日々が始まるのですが、やたらどきどきしてしまう陽菜に比べて、雪乃はいつもと変わらない様子です。2人の気持ちはすれ違っているのかどうか、という辺りで、女の子同士のときめきが全編に描かれているのが、王道かもしれませんけれどなかなか良いですね。
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