結城友奈は勇者である 第10話
テレビアニメ「結城友奈は勇者である」、第10話「愛情の絆」です。
前半は、美森の回想場面がメインになっています。今の彼女は、2年分の記憶を失っていますけれど、第8話やこの話数で園子から聞いた事と、その前後の自分の記憶から、自分と「勇者」、そして「大赦」との関わりを推測していったようです。第9話で彼女が言っていた、「精霊」が自分達を生かすために存在している、という事を信じるようになるまでの過程も語られています。
その後、世界の成り立ちを確認するために、彼女は結界の先へと足を踏み入れるのですね。そこに広がっていた景色は、想像を絶するものでした。大赦が説明していたものよりは、園子が語った世界に近いようです。
この辺りの場面は、常識をひっくり返すような、アニメならではの世界観の描き方が展開されていく所なのかもと思いますけれど、世界の姿が見えるのが、ややあっさりしていたかなという気もします。結界をくぐり抜ける時に大赦からの追っ手に止められそうになったわけでもないですし。外側の世界を見るまでに美森が何か決意のようなものを抱くみたいな流れがあると、実際に描き出される場の異様さが引き立つのでは、とも思えます。
それと、園子の語っている感じだと、彼女は、結界の外がどうなっているか、既に知っているっぽいですね。これがもし、あの園子でさえも行った事がない、想像もできない場所、みたいな位置づけであれば、視聴者は、美森と一緒に不思議な世界を目の当たりにする、という演出になるようにも考えたりします。
自分達を取り囲む事実に気づかされた美森は、ある行動を起こします。そこに行くまでに、彼女はいったん自分の気持ちを落ち着けてから、友奈達を救う方法を見つけ出そうとしていました。ここの演出的にも、冷静になって答えを出すより、友奈を一刻も早く苦しみから解き放ちたい一心で取り乱してしまいああいう行動に至った、という展開の方が、美森の情念(?)のようなものをより感じられるかも、とも思いますけれどまあそれはそれなのでしょう。
(それと、前にも何度か書いていますように、大赦が勇者システムなどについて他の人達に隠し立てしているのがやはりちょっと解せない気がします。世界があ
んな風になってしまった時に、多くの一般の人達が気づかなかったため、そのままにしておこうと大赦が考えた(もしくは秘密を独占する事で絶対的な権力を持とうとした)から、今でもほとんどの人は知らない、といういきさつはあるのかもしれません。けれど勇者またはその候補者達にはちゃんと説明しておかないと、第9話の風のように、逆上した勇者が何をしでかすかわからないですし、この話数の後半のような事も起きてしまうのではないでしょうか。)
友奈と出会ってからというもの、美森はいつでも彼女に愛情をもらってきたようです。友奈が美森に言っていた、あなたの手料理を毎日食べたい(料理といってもぼた餅などのお菓子ですけれど)、みたいなせりふだって、ほとんどプロポーズと言ってもいいほどですよね。友奈も、美森も、お互いを愛していて、相手を救うためならどんな事だってやってのける決意でいるのでしょう。風と、妹の樹が思い合っているように、美森には友奈というかけがえのない女の子がいるのでは、と思えます。
友奈のために、美森は行動を起こしました。その結果がどうなるかはこれから描かれていくのでしょうけれど、少なくとも彼女達の思いが通じ合い、今までよりも強く結ばれてもらいたいものです。
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